ゴルフではなく経営者同士のネットワークづくりや情報交換が必要

多くの経営者にとって、相談相手として期待されているのは「経営者仲間」である。

「2020年版小規模企業白書」によると、中小企業に対して経営課題別に、もっとも期待する相談相手は誰なのかを尋ねるアンケート調査を行ったところ、「営業・販路開拓」、「技術・研究開発」といった、企業の売上高に直結する項目において「同業種の経営者仲間」と回答した経営者が多かった。

似た選択肢である「異業種の経営者仲間」よりも圧倒的に多くの経営者が選択している。

(参考)2020年版小規模企業白書

孤独といわれる経営者にとって、経営の要といえる営業や開発方針の舵取りの場面では、目的や立場が近い者の意見を聞きたいということだろう。

しかし、このような相談相手がいない場合は、どうすればよいだろうか。また、地方の企業では、人口減少に伴う需要の減少や人材不足など、個の企業の力ではどうしようもない経営環境の悪化に直面している経営者もいるはずだ。

そのような課題に立ち向かうには、「地方を盛り上げたい」と考える、同様の課題を抱えた地域の経営者とのネットワーク構築や、その地域への進出や自社の製品やサービスに魅力を感じている都心部の経営者との情報交換が鍵になるだろう。

地方経営者が効果的に情報を収集するゴルフ以外の方法3つ

地方経営者のネットワークづくりや経営者同士との情報交換の手段として効果的な方法に、下記の方法がある。

1.経営者のコミュニティに加入する

経営者用のオンラインのコミュニティに参加することで、さまざまな地域の経営者と必要な情報を交換できる。また、アイデアや取り組み事例のある経営者は、その情報をコミュニティで発信することによって、多くの経営者の助けになるとともに共感してくれる経営者に出会えるだろう。

2.経営者向けのセミナーに参加する

関心のあるテーマのセミナーに参加することで、同じ問題意識をもつ経営者との人脈づくりに活用できる。

3.専門家による経営支援を受ける

売上減少や利益増大など、企業の財政や業績の改善は、専門家の支援で解決できる可能性がある。特に、行政主導の専門家支援については補助金制度も拡充しつつあるため、このような情報も随時収集しておくとよいだろう。

経費になるゴルフよりも効果的な方法で経営者仲間を見つけよう

地方の企業は、その地域の雇用の受け皿として、長年にわたり貢献し続けている場合が多い。そのような地方企業が経営環境の悪化によって悩んだり、経営が続けられなくなったりすることは、日本にとって大きな損失である。

ともに走り続けることができる経営者仲間を早めに見つけ、経営も人生も、今よりもっと豊かなものにしていただきたい。