資金繰り悪化の兆候を早い段階でつかむことが大切

資金繰り悪化の主な原因は、「入金金額の減少」「支払金額の増加」「財務内容の悪化」の3つが考えられる。資金繰り悪化を回避するには、これら3つの兆候を早い段階でつかみ、それぞれの改善策を検討しよう。売上減少や支払金額の増加による資金繰りの悪化は、気がつきやすいが財務内容の悪化が原因となる資金繰りの悪化には気がつかないケースが多い。

特に代表者自身がプレイング・マネージャーとして現場に出て事業活動を行っている場合はなおさらだ。中小企業の経営者としては、日々の入出金の状況に注意を払い、常に資金繰りの把握に努め、資金繰り悪化の兆候をつかむことが重要となる。

毎月資金繰り表を作成して資金の流れを管理すれば、数ヵ月後の資金繰りも一目で把握できるだろう。また資金不足に対する迅速な対応が可能となり、資金繰り悪化時に備えることも期待できる。

加治 直樹
著:加治 直樹
特定社会保険労務士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行に20年以上勤務。融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を行う。退職後、かじ社会保険労務士事務所を設立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能であり、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。
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