本記事は、松本美栄の著書『パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。

「やる気が出ない」理由は睡眠にあった

「やる気が出ない」理由は睡眠にあった
(画像=buritora/stock.adobe.com)

仕事や家事など、やるべきことがあるのにやる気が出なくて動き出しが遅くなってしまう。その結果、いつも時間ギリギリになって焦ってバタバタとしてしまう。

そんな経験はありませんか?

やる気が出ないのは意志が弱いから、と精神的な原因を考えてしまうかもしれませんが、もしかしたら睡眠にも原因があるかもしれません。

理解、判断、思考、論理、学習などの知的機能のことを認知機能といいます。

認知機能は主に大脳の前頭前野が司っています。前頭前野は脳の一部で、ほかにも考える・記憶する・集中する・やる気を出す・行動や感情をコントロールするなどの役割があります。

睡眠の質の低下は前頭前野の働きを下げることにつながります。つまり、質の低い睡眠を取っていると物事の捉え方がネガティブになり、目標達成に向けたモチベーションが下がってしまうのです。なかなか行動できなくなり、重い腰を上げて行動したとしてもやる気が上がらないため生産性が低い状態になってしまいます。

以前の私がやる気をなくしてミスを多発していたのは、睡眠不足に陥って脳の疲労が溜まって認知機能が低下していたのが原因とも考えられます。

メンタルとの関係

セロトニンやオキシトシンなどの脳内物質は睡眠に関わるとともに、メンタルにも影響します。そのため睡眠とメンタルは深い関係があるといえます。睡眠時間が短かったり、質が低かったりする場合、脳内物質がきちんと分泌されなくなってしまうため、メンタルは落ち込みやすくなります。逆に、メンタルが落ち込むことで夜が寝つきにくくなったり、眠りが浅くなったりすることも起こります。

不眠や悪夢などの睡眠における問題はメンタルの低下を引き起こしたり、うつ病のリスクを高め、さらに自殺のリスクを高めたりすることが明らかにされています。

日本における年代別の死亡原因順位を見ると10代〜40代の1・2位は自殺です。

ですから、睡眠の改善は自殺の数を減らすことにつながると私は考えています。快眠に近づいていく、その過程で辛い、苦しいと感じている今の環境や状況を異なる視点から捉えられるようになり、乗り越える力がついていきます。

今メンタルが落ち込み、辛い方にこそこれからお伝えしていく快眠習慣を身につけていただきたいと思います。

パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣
松本美栄(まつもと・みえ)
睡眠セラピスト。睡眠デトックス・姿勢美矯正サロン「プロスパービューティー」オーナー。一般社団法人 濃縮睡眠協会 代表理事。美容師、発毛クリニック、エステサロン勤務経験および国内外の様々なスクールで習得した美容・健康に関する知識と技術を活かし、骨格矯正のオリジナルメソッドを開発。2013年表参道に姿勢美矯正サロン「プロスパービューティー」をオープン。1回で目に見える変化を体験できる高い技術力で女性だけでなく、姿勢が気になる男性にも人気を博す。開業当初、1人で業務をこなしていたため、睡眠不足になり身体を壊す。それがきっかけで、疲れを解消し、日中のパフォーマンスを上げる睡眠法の研究をはじめる。自らを実験台に数多くの方法を試した結果をもとに、睡眠の効率を極限まで高めるメソッド「濃縮睡眠R」を開発。そのメソッドを自身のサロンで提供しはじめたところ、経営者や士業など、多忙を極めるビジネスパーソンやアスリートなどの間で評判になる。「睡眠の変化から人生の豊かさをより感じられる人を増やす」ことを目標にサロンでの施術・カウンセリングや座学の提供のほか、企業や消防署などでの講演やセミナー、メディアへの出演も行っており、これまでに延べ6,000人以上の睡眠に関する悩みを解決してきた。2020年からはオンラインでの勉強会を開催しており、参加者は延べ2,000人を超える。「パフォーマンスが上がり、仕事で成果が出た」「時間と気持ちに余裕ができた」と、数多くのクライアントから絶大な支持を集めている。現在は、濃縮睡眠メソッドを習得した睡眠セラピストの育成にも力を入れている。著書に、『誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠Rメソッド』(かんき出版)がある。

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