本記事は、佐藤彰氏の著書『“こわい”がなくなる 投資1年生の教科書』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。

誰でも無理なく始められる
マネトレ投資法とは何か?

クエスチョン,疑問
(画像=MarekPhotoDesign.com/stock.adobe.com)

投資の初心者にとって、投資の始め方は非常に重要です。上記に挙げた3つのような失敗をしてしまえば、投資に対してトラウマを抱えてしまい、お金を増やしていくのがかえって難しくなってしまいます。

それでは、投資の初心者はどのように投資を始めたらいいのでしょうか? それが「マネトレ投資法」です。

マネトレ投資法の3つの効果

マネトレ投資法とは、学びの投資➡資産形成の投資➡楽しむ投資というように、3つの投資をステップアップしながら資産運用を実践していく投資法です。

「学びの投資」からスタートすることで、初めて投資をする人でも、一から金融リテラシーを向上させながら、無理なく投資を始めることができます。また、ステップアップ式だからこそ、自分の金融リテラシーのレベルに合わせて投資を進めていけます。

さらに、投資を楽しみたい人でも、リスクを取りすぎて大損するリスクを極力抑えることができます。

◎投資がこわい人も確実に始められる

ファイナンシャルプランナーとして仕事をしていると、相談者や講座の参加者の方から、「投資に興味はあるけれど、なかなか…」という話を特に女性の方からよく聞きます。

理屈でわかることと、実際の行動は別です。

投資のリスクが気になる方は、投資で損をしたくない気持ちが強いため最初のハードルが非常に高く、関心はあるもののいつまで経っても始めることができないということは珍しくはありません。

「投資がこわい」と感じるのは、実際の投資を知らないからです。その「こわさ」を払拭するには実際に投資を体験してみるのが一番です。

その第一歩が「こわい」と感じない投資、つまり練習です。自動車の運転でまずは教習所で練習するように、投資も練習から始めて体験することができます。

◎机の上ではなく実践で投資を学べる

投資1年生の教科書
(画像=投資1年生の教科書)

投資を学ぶときには、本を読んだりネットで調べたり、まずは机の上での勉強から始めることになります。

もちろんこれも大事なことですが、投資は概念的で実態が見えにくいものなので、やってみないとわからないことがたくさんあります。より大事なのは実践しながら学ぶことです。

例えば、投資ではリスク管理が大事だ、とよくいわれます。その通りなのですが、実際に投資をして資産が減った経験をしないと、リスクをどう管理していいかわかりません。価格が下がったときには心理的にもプレッシャーがかかりますので、投資の判断をするには精神力が必要です。

それはリアルに経験しないとわかりません。

本格的に投資を始めた後になって初めて失敗に直面すると、あせって投資判断を誤ったり、ショックを受けてやめてしまう可能性もあります。そうならないよう、事前に失敗のシミュレーションをするという意味もあります。

また「投資で資産が増える」といわれて頭ではわかっても、「本当なの?」という心配は完全には消えないでしょう。これを実感するには、実際に経験することが必要です。

投資で資産が増える実感、成功体験を持つことも、投資を長く続けていくためには大切なことです。

◎自分の求める投資タイプに応じて進んでいける

投資にはタイプがあります。

先ほどのように、「投資はとにかくこわいからしっかり練習してから本格的に始めたい」という方であれば、練習の投資にじっくり取り組んでから始めればいいわけです。

また、投資は始めてから知識や経験が増していくものです。投資に慣れて次のステップにいきたいときにどうしたらいいか、についても情報がほとんどありません。そのときにどうやって次のステージにいったらいいか、これもマネトレ投資法ならステップが決まっているので、自然と行うことができます。

始めたばかりの頃は順調に投資を進めていても、ある程度慣れてきたときにリスクを取りすぎた運用になってしまう方もおられます。この点、マネトレ投資法なら自分の成長に合わせたステップアップの投資が可能です。

さらには、資産を増やすだけでなく、投資を楽しみたいという方もいらっしゃいます。ご相談の中でも自分の投資手法や銘柄の発掘方法について熱心に話される方が多く、そういう方々にただ「手堅く投資をしなさい」とアドバイスするのは違うかなと日々感じています。

そのような方であれば、マネトレ投資法で、学びの投資や資産形成の投資を実践した上で、「楽しむ投資」に進むことができます。

POINT
・学びの投資➡資産形成の投資➡楽しむ投資の3ステップ
・金融リテラシーを向上させながら学べる。

ノーリスクからでもスタートできる
マネトレ投資法はどうやって始める?

疑問,はてな
(画像=PIXTA)

このマネトレ投資法では、どの方もまずは「(1)学びの投資⬇(2)資産形成の投資⬇(3)楽しむ投資」というように、投資練習のための「投資」から始めていきます。

◎まず学びの投資から始める

投資は「こわい」、「むずかしい」、「やり方がわからない」。そう感じていつまで経っても投資をスタートできない原因は、この「学びの投資」をしていないからです。

一方で、「投資で大損した」といった話をあちこちで聞きますが、それは金融のリテラシーがないにもかかわらず、いきなり「楽しむ投資」を実践しようとするからです。

マネトレ投資法で、投資初心者の方はまず「学びの投資」をぜひ実践してみてください。投資がこわいと思っている方でも確実に始められ、堅実に資産を作りたい方だけでなく投資を楽しみたいと思っている方でも、大損するリスクを極力減らしながら投資を実践することができます。

今現在、投資にあまりよいイメージがなくても、自分に関係ないと思っている方でももちろんかまいません。

投資1年生の教科書
(画像=投資1年生の教科書)

実際にやってみることで印象が変わるかもしれませんし、仮に変わらなかったとしても、それはそれで学びになります。一度やってみた上で「やっぱり自分には投資は必要ない」というのと、やりもしないで「投資は必要ない」というのとでは、結論が同じでも内容は異なります。

また、次の「資産形成の投資」に進んだからといって、必ずその次の「楽しむ投資」までしなくてはいけないわけではありません。

それは「投資自体が楽しい」、「もっと時間も手間もかかってもいいからいろいろやってみたい」と思う方であれば、実践するとよいというステージです。

投資は将来の資産形成のために最小限度の手間暇だけで行いたいという方であれば、「資産形成の投資」まででも十分です。

◎無理をする必要など全くない

マネトレ投資法は、自分の進みたいステージまで投資を実践できればいいのであって、すべての人を全く同じ投資法に無理やり当てはめるものはありません。マネトレ投資法は、全くの投資初心者から始めることができるのと同時に、自分の投資への志向性も考えて、自分の進みたいステージまで選べるオーダーメイド投資法です。

POINT
・投資がわからなくても、学びの投資だけはやってみよう。
・次のステップにいくかは、どんなに人に勧められても最後に決めるのは自分。
投資1年生の教科書
佐藤彰
2006年中央大学法学部法律学科卒業。佐藤彰コーチングFP事務所代表。ファイナンシャルプランナー。大手と新興の2社の証券会社を経て現職。証券会社勤務時代はコンプライアンスと人材育成部門に従事。現在はお金やキャリアに関する個人相談、ライフプラン・確定拠出年金・コーチング等に関する企業研修に従事。女性メディア、金融メディアでの執筆・監修多数。FP以外に米国のコーチ資格も保有。金融教育を重視しており、コーチングの手法を用いて「ひとり立ち」できるところまでの継続支援がモットー。趣味はカフェ巡り。

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