本記事は、田中耕比古氏の著書『一番伝わる説明の順番』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
わかりやすい「説明の順番」の基本
相手の思考を整理できるように、説明する順番を意識する。
これは、具体的にはどうすればいいでしょうか。
「どうすれば相手の思考が整理できるのか」なんて、これまで考えたこともないかもしれません。でも、何も難しいことはありません。正しい説明の順番となるための基本を押さえておけばよいのです。
説明の順番を解説する前に、押さえておくべきポイントがあります。それは、説明には2種類の説明がある、ということです。
ひとつは、自分主導の説明。
もうひとつは、相手主導の説明です。
説明と一口に言っても、さまざまなシチュエーションがありますが、大きくこの2つに分類できるでしょう。
「自分主導の説明」とは、自分の主張や何かしらの結論がある場合に行う能動的な説明のことです。自分から何かの事柄について相手に説明する場合や、仕事の上での商品説明やプレゼンテーションもこれにあたります。言い換えれば「ゼロから組み立てる説明」です。
「相手主導の説明」とは、「何か相手から説明を求められる質問をされた」という類の受動的な説明のことです。わかりやすくいえば、「問いに答える説明」です。
「この商品が売れなかった原因はなんだ?」
「納期が遅れてしまったのはどうしてですか?」
「夕焼けはどうして赤いのですか?」
こういった質問に対して答える場合では、必要な情報や説明の構造は自分主導の説明とは違うものになります。主張や結論がなく、聞かれたことを単純に説明するだけということも多いでしょう。だからといって、相手主導の説明でも押さえるべきポイントがないわけではありません。これにも型が存在するのです。
まずは自分主導の説明から解説していきます。基本となる順番は次のとおりです。
①前提をそろえる
②結論・主張・本質
③根拠・理由・事実
④補足情報
⑤結論・相手に促したいアクション
これが自分主導の説明における基本的な説明の順番になります。
説明には自分主導と相手主導の2パターンがある
2000年、関西学院大学総合政策学部卒業。商社系SI企業に入社。米国ソフトウェアベンチャーへの技術研修員派遣により、サンフランシスコ勤務。
2004年、アクセンチュア株式会社戦略グループ入社。通信業、製造業、流通・小売業などの多様な業界の事業戦略立案からSCM改革、業務改革に至るまで、幅広い領域での戦略コンサルティングプロジェクトに参画。
2011年、日本IBM株式会社入社。ビッグデータのビジネス活用を推進。
2012年、株式会社ギックス設立。取締役に就任。戦略コンサルティングとデータ分析を融合した、効率的且つ実効性のあるコンサルティング・サービスを提供。※画像をクリックするとAmazonに飛びます