近年、国内外で人気が高まっている日本のウイスキーですが、ウイスキーを生み出す蒸留所にも注目が集まっています。
歴史のある蒸留所や大手メーカーの大規模蒸留所はもちろん、小規模であったり新しい蒸留所であったりしても、興味深いウイスキーを造っています。

そこで今回は、ウイスキー愛好家ならぜひ知っておきたい、日本の蒸留所を58か所ご紹介します。

この記事の監修者

柿﨑祐介
(画像=「whiskeen」より引用)

柿﨑祐介

BARWHITEOAK店主。青森県出身。ウイスキーとワインをこよなく愛する。ウイスキーエキスパート、ソムリエ。バーテンダー歴11年。

日本のウイスキー蒸留所の特徴

whiskeen
(画像=「whiskeen」より引用)

今や世界5大ウイスキーにも数えられるジャパニーズウイスキーですが、ウイスキーそのものだけでなく、日本の蒸留所にもおいしくする努力や、特筆すべき点があります。

日本ならではの蒸留所の魅力を解説します。

蒸留所の見学に関する情報は2022年12月時点のものです。

ウイスキー造りに適した気候・土地

一般的に、ウイスキー造りには湿潤な気候と、きれいな水が欠かせないとされています。
世界で最も蒸留所が多いスコットランドも、自然が豊かで、湿潤でひんやりとした気候が特徴です。

日本もスコットランドと同様に、良質な水が採れる自然豊かな土地です。
例えば、日本で最初のウイスキー蒸留所として有名なサントリー山崎蒸溜所は、湿潤で温暖な気候で、名水の地として有名な京都郊外にある天王山のふもとにあります。
また、ニッカウヰスキーの余市蒸溜所は、湿潤で寒冷な気候と良質な雪解け水に恵まれている、北海道余市町にあります。
余市町は、ウイスキーに独特の風味を与えるピート(泥炭)が採れる土地です。
特に余市蒸溜所は、創業者・竹鶴政孝がウイスキー造りを学んだ本場スコットランドの気候に似ている土地といわれています。

例に挙げた山崎蒸溜所や余市蒸溜所ように、ジャパニーズウイスキーの発展の理由は、恵まれた気候と土地にあることがかります。

小規模蒸留所の増加

日本では近年、小規模のウイスキー蒸留所が増えています。
「イチローズモルト」を製造する株式会社ベンチャーウイスキーのように、小規模ながら世界のコンペティションで受賞をするような品質の高いウイスキーを造っている蒸留所もあります。
また、熊本県初のウイスキー専門蒸留所である山鹿蒸溜所のように、2020年に入ってから建設された蒸留所ではウイスキーがまだ発売されていないこともあります。

世界的な評価が高まるウイスキー

「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎」「サントリーウイスキー響」「シングルモルト余市」を始め、世界で評価される銘柄が増えているジャパニーズウイスキー。
日本国内でのドラマのヒットやハイボールブームもあり、近年ジャパニーズウイスキーの需要が高まっていることは有名です。
急な販売数の増加により原酒不足になり、数量限定販売や終売になった銘柄もありますよね。
流通量が減ったことで、オークションサイトでは数十万円で取引されることも。

日本人としてジャパニーズウイスキーの人気が高まるのは嬉しいものの、「欲しい銘柄が入手しづらくなるのは少し残念」と思う方も少なからずいますよね。