ローリスクローリターンの運用先として人気の個人向け国債。1万円から購入できるなど比較的誰でも始めやすい商品だが、購入にあたっては特徴や仕組みをしっかりと押さえておくことが重要だ。この記事では、個人向け国債の特徴とメリット/デメリットを解説する。いくつかの個人向け国債購入キャンペーンも紹介するので、金融機関選びの参考にして欲しい。

個人向け国債とは?

個人向け国債はどこで買う? キャンペーン情報やメリット/デメリットを徹底解説
画像=MaksymYemelyanov/stock.adobe.com

個人向け国債とは国が発行する債券である「国債」の一種で、個人投資家でも投資がしやすいように作られた商品だ。株式や投資信託と比較して値動きの幅が小さいことから、ローリスクローリターンな投資先として選ばれることも多い。ここでは、債券の基本事項と個人向け国債について詳しく見ていこう。

そもそも債券とは?基本事項を確認

債券とは国や地方公共団体、企業といった発行体が、投資家から資金を募るために発行する有価証券だ。投資家は債券を購入することで発行体に資金を貸し、発行体は投資家に利子の支払いを行う。

原則として債券は、満期(償還日)が決まっている。発行体の倒産など不測の事態が発生しない限り、満期日には額面金額が払い戻されるため、元本割れの可能性が低い。運用期間や利率などがあらかじめ決まっていることから、運用計画が立てやすいのが債券の大きな特徴だといえるだろう。

個人向け国債は個人投資家向けの国債

個人向け国債は、その名の通り個人投資家向けの国債だ。国債とは、債券のうち国が発行体となる債券を指し、債券の中でもとくに安全性が高く、リスクが低いとされる。以下で個人向け国債の特徴を確認しよう。

▽個人向け国債の特徴

個人向け国債の種類変動10
(変動金利型10年満期)
固定5
(固定金利型5年満期)
固定3
(固定金利型3年満期)
満期10年5年3年
金利のタイプ変動固定
2023年2月募集個人向け国債の金利(税引前/年)0.32%0.15%0.05%
金利の下限0.05%(年率)
利子の受け取り半年ごと(年2回)
購入単価1万円以上1万円単位で購入可能(額面金額100円につき100円)
償還金額額面金額100円につき100円
中途換金発行から1年経過後ならいつでも可能
発行月毎月(年12回)
出典:財務省

個人向け国債には、3つの種類がある。そのうち変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに金利の見直しが行われるもので、受け取る利子の額が変わるケースがある。今後金利が上がる可能性があると感じるなら、変動10年が選択肢となるだろう。

固定3年および固定5年は満期まで金利が変わらない。現在の金利での運用を維持したい人や投資時に運用結果を確定したい人は、固定3年または固定5年を検討しよう。

個人向け国債は年に12回、毎月発行される。購入単価は1万円以上1万円単位となっており、個人投資家でも購入しやすい。投資を希望するなら、銀行や証券会社などの金融機関で相談および申し込みをしよう。

キャンペーンを活用して個人向け国債をお得に買う

個人向け国債を購入するには、金融機関で口座を開設する必要がある。「普段から利用している」「ネットで手続きが完結する」「生活圏内に支店窓口がある」など、金融機関を選ぶポイントはいくつかあるが、キャンペーンの有無で選ぶのも1つの方法だ。

ここでは、個人向け国債のキャンペーンを展開する3つの金融機関を紹介する。

SMBC日興条件

▽SMBC日興証券における個人向け国債キャンペーン

キャンペーン名称個人向け国債 Wプレゼントキャンペーン
キャンペーン期間2023年2月6月~2023年3月31日
キャンペーン内容キャンペーン期間中に募集される個人向け国債のうち、変動10年債を購入した投資家に、対象金額に応じて現金とVポイントギフトをWプレゼント
注意点Vポイントギフトプレゼントを受け取るには、メールアドレスの登録および
エントリーが必要

SMBC日興証券では、2月および3月募集の変動10年個人向け国債を購入した投資家を対象としたキャンペーンを行っている。キャンペーンで付与される具体的な金額は、以下のとおりだ。

▽SMBC日興証券個人向け国債キャンペーンで付与される金額

購入金額現金Vポイントギフト
100万~199万円1,000円200円相当額
200万~299万円2,000円400円相当額
300万~399万円4,000円600円相当額
400万~499万円5,000円800円相当額
500万~599万円7,000円1,000円相当額
600万~699万円8,000円1,200円相当額
700万~799万円9,000円1,400円相当額
800万~899万円1万1,000円1,600円相当額
900万~999万円1万2,000円1,800円相当額
1,000万円1万4,000円2,000円相当額
1,000万円以降100万円増額ごとに1,400円追加1,000万円増額ごとに2,000円相当額を追加

SMBC日興証券のキャンペーンでは、現金プレゼントには上限がないが、Vポイントギフトのプレゼントは2万円相当額(対象金額1億円)までの上限がある。100万円以上のまとまった資金を変動10年の個人向け国債で運用したいと考えているなら、SMBC日興証券を検討してみよう。

みずほ銀行

▽みずほ銀行における個人向け国債キャンペーン

キャンペーン名称個人向け国債貯蓄の達人キャンペーン
キャンペーン期間2023年1月4月~2023年3月31日
キャンペーン内容キャンペーン期間中に変動10年債または固定5年債を購入した投資家に、純増金額に応じて現金をプレゼント
注意点プレゼント金額は国債の種類ごとに算出される。各コースの純増額が100万円未満の場合はキャンペーンの対象とはならない
出典:みずほ銀行

みずほ銀行のキャンペーンの特徴は、変動10年債および固定5年債の両方で適用される点だ。キャンペーンで付与される具体的な金額を、以下で確認しよう。

▽みずほ銀行個人向け国債キャンペーンで付与される金額

購入金額変動10年固定5年
100万~199万円1,000円1,000円
200万~299万円2,000円2,000円
300万~399万円4,000円3,000円
400万~499万円5,000円4,000円
500万~599万円7,000円5,000円
600万~699万円8,000円6,000円
700万~799万円9,000円7,000円
800万~899万円1万1,000円8,000円
900万~999万円1万2,000円9,000円
1,000万円1万4,000円1万1,000円
1,000万円以降100万円増額ごとに1,400円追加100万円増額ごとに1万1,000円追加

みずほ銀行のキャンペーンは、エントリーなどの手続きをしなくても自動で適用される。固定5年への投資を検討しているなら、みずほ銀行も選択肢となるだろう。

SBI証券

▽SBI証券における個人向け国債キャンペーン

キャンペーン名称個人向け国債キャンペーン
キャンペーン期間2023年2月6月~2023年2月27日
キャンペーン内容キャンペーン期間中に募集される個人向け国債を購入した投資家に、対象金額に応じて現金をプレゼント
注意点種類(変動10年、固定5年、固定3年)の異なる債券の購入金額は合算されない
出典:SBI証券

SBI証券では、2月募集の個人向け国債を購入した投資家を対象としたキャンペーンを行っている。キャンペーンで付与される具体的な金額は、以下のとおりだ。

▽SBI証券個人向け国債キャンペーンで付与される金額

購入金額変動10年固定5年固定3年
50万~99万円500円350円250円
100万~199万円1,000円700円500円
200万~299万円2,000円1,400円1,000円
300万~399万円3,000円2,100円1,500円
400万~499万円4,000円2,800円2,000円
500万~599万円5,000円3,500円2,500円
600万~699万円6,000円4,200円3,000円
700万~799万円7,000円4,900円3,500円
800万~899万円8,000円5,600円4,000円
900万~999万円9,000円6,300円4,500円
1,000万円1万円7,000円5,000円
1,000万円以降100万円増額ごとに1,000円追加100万円増額ごとに700円追加100万円増額ごとに500円追加

SBI証券のキャンペーンでは、個人向け国債の3つの種類がすべてキャッシュバックの対象となる。先述の2社と比較してキャッシュバックの割合は少ないが、対象となる種類が多く50万円の投資から適用されるため、少額からの投資を考えているならSBI証券も検討したい。

個人向け国債のメリット/デメリット

個人向け国債を購入する前に、メリットとデメリットについて確認しておこう。

メリットはリスクを抑えた運用ができる点

個人向け国債の最大のメリットは、リスクを抑えた運用ができる点だ。個人向け国債は、満期まで保有すれば額面金額での償還を受けられるため、元本割れの心配がない。また、発行から1年経過後は中途換金も可能なため、急な現金化にも対応しやすい。ただし、満期まで保有せず換金する場合は、額面から直前2回分の利子(税引前)に相当する金額が差し引かれる点には注意しよう。

デメリットは金利が低い点

個人向け国債のデメリットは金利の低さだ。先述のとおり2023年2月募集の個人向け国債の金利は0.05~0.32%であり、預貯金よりは高いものの他の債券と比較すると決して高いとは言えない。

個人向け国債の金利が低い理由としては、発行体の信用力の高さが挙げられる。一般的に債券は、発行体が破綻する可能性が高い(信用力が低い)ほど金利が高く設定される。なぜなら、高い金利を付けないと購入者が集まらないからだ。

一方、発行体の信用力が高い債券は、金利が低いことが多い。信用力の高い発行体なら、金利が低くても債券を購入したいと考える投資家がたくさんいるからである。個人向け国債の信用力は、債券の中でも高く分類されているため、金利が低いのは仕方がないともいえるだろう。

もし資金の一部は、多少のリスクをとってでもリターンを狙えるような債券に投資したいと考えるなら、個人向け国債以外の商品を併せて保有することを検討しよう。

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個人投資家が買える債券は国債だけではない

個人投資家が購入できる債券には、個人向け国債のほかにも外国国債や社債などさまざまな種類がある。外国国債や社債は個人向け国債と比較し金利が遥かに高く設定されているものも多いため、より積極的な運用を希望するなら検討すべきだろう。

個人向け国債以外の債券に投資をする上で気を付けるべき点は、商品によってリスクの大きさに差が出ることだ。債券における最大のリスクは、発行体の破綻により元本および利子の回収ができなくなることだ。金利が高い債券を購入する際には、発行体の信用力を事前に確認することが肝心となる。

また、一般的な債券のリスクのほか、たとえば外国債券に投資をする場合には為替リスクも発生するなど、商品によって考慮するべきリスクが異なることも知っておこう。債券によっては購入の窓口やタイミングが限られていることが多いため、個人向け国債以外の債券への投資を検討しているなら、事前に専門家に相談することが重要だ。

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まとめ

個人向け国債は、国が発行する個人投資家向けの国債だ。金利はそれほど高くないものの、原則として元本割れの可能性がないことから、ローリスクローリターンの投資先として人気が高い。毎月発行されており銀行や証券会社で1万円から購入できるなど、誰でも購入しやすい商品となっている。

個人向け国債よりも積極的な投資をしたいなら、外国国債や社債も選択肢となる。個人向け国債と比較し金利が高い商品もあるが、その分リスクが高いケースもあるため商品内容をしっかりと確認することが重要だ。

より幅広い債券での運用を検討しているなら、資産アドバイザーに無料で相談が行えるマッチングサービスであるZUU Advisorsの利用も検討しよう。個人向け国債以外の購入機会を提供してくれるだけでなく、リスク判断の助けにもなるはずだ。

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