「本を読んだ方が良い」とはよく言うが、一流のビジネスマンは日頃どんな本をどのように読んでいるのだろうか。本記事では、経営者におすすめしたい効率的な読書法について具体的に紹介する。

目次

  1. 読書の効率を上げる最重要ポイント
  2. 読むべき本の見定め方
    1. 自分が身につけたいスキルを整理
    2. ネットなどで評判を確認
    3. その分野の「王道書」ははずさない
  3. 読み方のコツは?
    1. まずは「目次」に目を通そう
    2. 必要ない情報だと思えば「読み飛ばす」ことも重要
  4. サマリーサイトを利用するのもあり
  5. 効率的な読書法でスキルアップ
経営者が身につけるべき読書のコツ
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

読書の効率を上げる最重要ポイント

ひと口に「読書」と言っても、何でも読めばいいというわけではない。まずは「何を読むか」にこだわることが肝心だ。そのためには、今の自分には何が必要かを考えることから始めたい。

なぜなら、読書は得た知識や見聞をアウトプットすることで自らの血肉となり、仕事のパフォーマンス向上に役立つからだ。自分が必要としていない知識を雑学として身につけても、アウトプットする機会がなければ、有用性を感じられないだろう。

読書が習慣化していない人にとっては、読書の即効性を感じられなければ本を読むモチベーションを維持することは難しいかもしれない。

手当たり次第、話題になっている本やベストセラーを読みあさるのではなく、自分が今、身につけたい知識やスキルを起点に、自分に必要な本を選ぼう。

読むべき本の見定め方

自分が身につけたいスキルを整理

身につけたいスキルを整理することで、自ずと今自分が読むべき本も見えてくる。経営者であれば、俯瞰的な視点や、決断力、リーダーシップなどのキーワードを元に本を探すと見つけやすい。

もしくは、交渉術やプレゼン方法など、より実践的で具体的なスキルを求めている場合にも世の中の本が解決方法を導いてくれることもある。どんなスキルを身につけたいのか、まずは書き出して整理してみよう。

ネットなどで評判を確認

本を見つけたら、ネットなどを使って評判を確認しておこう。今の時代は、簡単にレビューや口コミを調べることができる。時には著名な経営者が推薦した本であるかもしれない。ただし、ここに時間を費やしすぎると、読書時間が減り、本末転倒となるため注意したい。気になればとりあえず、本を開いてみるといい。

詳しくは後述するが、効率的な読書法においては本の全ページを読む必要はないので、本を開いてみて、必要な箇所だけ「つまみ読み」することもできる。

その分野の「王道書」ははずさない

それぞれの分野には「王道書」があり、それを読まない手はないだろう。

例えば、マネジメント分野であれば、マネジメントの父と名高いピーター・ドラッカー氏の『マネジメント 基本と原則』は外せないだろう。また、経営学を基礎から学ぶには『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』も有名だ。経営初心者向けの入門書ベストセラーであり、専門用語も少なく読みやすい。

このような「名作」と言われている本は、普遍的で重要なスキルや考え方を説いたものであり、いつの時代も読まれている。まだ読んでいない人はぜひ一読しておきたい。

また、有名な経営者が執筆したり推薦したりしている書籍も王道書と言える。

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は、自身のブログ「ゲイツノーツ」(Gates Notes)で、その年に彼が読んだ本の中から数冊を推薦書として紹介しており、毎年注目を集めている。日本でビジネスを成功させた人が書いた本を読むのも良いだろう。例えば、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏著『経営者になるためのノート』では、ユニクロを急成長させた舞台裏が描かれており、彼の経営理論や考え方を学ぶことができる。