ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは、投資先や取引先を選択する上で投資家だけでなく、大手企業にとっても企業の持続的成長を見極める視点となりつつある。本企画では、エネルギー・マネジメントを手がける株式会社アクシスの役員が、各企業のESG部門担当者に質問を投げかけるスタイルでインタビューを実施。今回は坂本哲代表が、日本郵政株式会社サステナビリティ推進部長 兼 日本郵便株式会社サステナビリティ推進部長の關祥之氏にお話を伺った。
日本郵政株式会社は、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険などからなる日本郵政グループの持株会社だ。全国の郵便局ネットワークを通じて、郵便・物流業、銀行業、生命保険業の3事業を中心とした商品・サービスを提供している。
同社では「人生100年時代の『一生』を支え、日本全国の『地域社会』の発展・活性化に貢献し、持続可能な社会の構築を目指す」ことをESG目標として設定し、さまざまな活動を行っている。本稿ではインタビューを通じて環境・脱炭素のテーマを中心に、同社の取り組みや成果、今後目指すべき姿を紹介する。
(取材・執筆・構成=大正谷成晴)
郵政省入省後、ミシガン大学ビジネススクール(MBA)、日本郵便株式会社にて郵便・物流商品・サービス企画部長、事業開発推進室長等、JPビズメール株式会社、日本郵政キャピタル株式会社を経て、日本郵政株式会社および日本郵便株式会社にてIRやサステナビリティを担当。2022年4月から現職。
日本郵政株式会社
1871年(明治4年)に新式郵便を取り扱うことから事業がスタートし、2007年10月には「郵政民営化」により日本郵政公社から民営・分社化された日本郵政グループに移行した。日本全国の地域に根差した約2万4千の郵便局ネットワークを持っており、2021年度からは、グループ中期経営計画「JPビジョン2025」を策定し、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」となるべく、さまざまな企業や地域コミュニティとの連携や価値創造を進めている。
1975年生まれ、埼玉県出身。東京都で就職し24歳で独立。情報通信設備構築事業の株式会社アクシスエンジニアリングを設立。その後、37歳で人材派遣会社である株式会社アフェクトを設立。38歳で株式会社アクシスの事業継承のため、家族とともに東京から鳥取へIターン。
株式会社アクシス
エネルギーを通して未来を拓くリーディングカンパニー。1993年9月設立、本社は鳥取県鳥取市。事業内容はシステム開発、ITコンサルティング、インフラ設計構築・運用、超地域密着型生活プラットフォームサービス「Bird(バード)」の運営など、多岐にわたる。
日本郵政グループのESG・脱炭素に対する取り組み
アクシス 坂本氏(以下、社名、敬称略):株式会社アクシスの坂本です。弊社は鳥取県に本社を構え、IT関連のシステム開発を中心とした事業を展開しています。本日はよろしくお願いいたします。
日本郵政 關氏(以下、社名、敬称略):日本郵政のサステナビリティ推進部長と100%子会社となる日本郵便のサステナビリティ推進部長を兼務している、關と申します。グループにはゆうちょ銀行とかんぽ生命保険もありますが、本日は郵便局を運営する日本郵便の取り組みを中心にご説明いたします。他の企業の皆様がそうであるように、ステークホルダーや官公庁からサステナビリティ経営に関する情報開示や取り組みの充実を求められる中、我々も悩みながら取り組みを進めています。その悩んでいる状況も含めて率直にお話ししますので、アドバイスをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
坂本:最初に、御社のESGや脱炭素に対する具体的な取り組みについて、お聞かせください。
關:日本郵政・日本郵便ではESGについて、地域のカーボンニュートラル実現と社会課題解決をつなぐ存在を目指しています。地域には、脱炭素だけではなく社会課題解決について、それぞれの悩み・課題や取り組みがあります。我々は、郵便局が地域のさまざまな取り組みをつなぐハブ的存在になることを目指して、取り組みを進めているところです。
▼グループ中期経営計画「JPビジョン2025」でのESG目標
2021年5月に発表した日本郵政グループの中期経営計画「JPビジョン2025」では、財務目標と併せてESG目標を設定しました。定性的には「人生100年時代の『一生』を支え、日本全国の『地域社会』の発展・活性化に貢献し、持続可能な社会の構築を目指す」との目標を掲げています。定量的には、2050年カーボンニュートラルの実現とそこに向けたマイルストーンとして2030年度に温室効果ガス排出量46%削減(対2019年度比)および2030年度本社女性管理者比率30%を目標として設定しています。
2025年度までの主な取り組みとしては、集配用車両のEV化や、施設で利用する電力のLEDや高効率空調への切り替えなどによる省エネの推進を進めています。ただし、世の中全体のカーボンニュートラル化が進まないと我々の目標を達成することはできないため、地域の脱炭素化の支援にも取り組んでいます。
中計期間中のEVの導入は、軽四輪1万2,000台、二輪2万1,000台が当初の予定でしたが、地方での取り組みが功を奏し、長距離でもEVによる走行が可能であると確認できたため、目標を軽四輪1万3,500台、二輪2万8,000台に引き上げました。これにより軽四輪の約半分、二輪の約4割をEV化します。
▼地域のカーボンニュートラル化の推進
地域での脱炭素化として、2つの取り組みを紹介します。1つ目は、郵便局に設置する充電設備などを活用した地域のカーボンニュートラル化です。現在東京電力グループと三菱自動車工業と提携し、静岡県の沼津郵便局・栃木県の小山郵便局で実証実験を行っています。沼津郵便局では、郵便局の屋上に設置した太陽光パネルによる発電等で電力を再エネ化し、その電力でEVを走らせています。都市部と異なり地方部ではEVの航続距離に不安がありますので、日中は郵便局に一旦戻り、急速充電器で充電することにも取り組んでいます。こうした自社車両でのEV活用に併せて、地域でのEV普及に貢献するため郵便局に設置した急速充電器を一般にも開放しています。また、災害時にはEVを「動く蓄電池」として活用することも想定しています。
2つ目は、環境に配慮した新しい郵便局「+(ぷらす)エコ郵便局」の推進です。環境に優しい木材であるCLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)や再エネなどを活用しているのが特徴で、2022年3月に開局した千葉県の丸山郵便局を皮切りに2022年度は7局を開局し、今後も増やす方針です。大規模な郵便局では太陽光発電のみでは自局の電力を賄えませんが、丸山郵便局のような小さな郵便局では余剰電力が生じますので、FIT売電の形で地域の電力にも貢献できています。
▼「共創プラットフォーム」の構築
ESG目標と並ぶ重要な中計の取り組みが「共創プラットフォーム」の構築です。抽象的な概念ではありますが、地域の自治体や住民、企業の皆様と一緒に、お客様と地域を支えるための連携を行うものです。そのために我々の強みであるリアルの郵便局ネットワークとデジタルの融合や、コアビジネスの充実強化と社会課題に対応する新しいビジネスの創出をプラットフォーム上で実現することを目指しています。
▼日本郵便のエシカル対応
「共創プラットフォーム」構築の取り組み事例として、日本郵便でのエシカル対応の取り組みをご紹介します。一般的に「エシカル」とは、「地球、環境、ひとにやさしい」とされていますが、日本郵便として何ができるかを考え、郵便局を中心とする引受から配達、受取までの流れを整理すると、いくつか「エシカル」な特徴があることがわかりました。
例えば、集荷については、郵便局はポストに投函していただくことでCO2の排出を抑えつつ集荷できます。輸送については、航空搭載を陸送に変えればCO2排出を減らすことができます。配達では、社会問題にもなった不在時の再配達は、置き配の普及で改善されつつあります。また、我々は温室効果ガスの排出が少ない二輪を主な配達手段としており、さらにEV化も進めています。
これらを踏まえ、我々としては、①生産から配送に係る温室効果ガスの削減、②フードロス、廃棄ロスなどの各種ロスの削減、③生産者・物流事業者などの働き方改革を、エシカル対応のポイントと考えています。我々の強みである①ふるさと小包生産者対応を含む「物販ソリューション」、②ポスト投函、二輪での配達などを活用した「配送ソリューション」の提供を進めていきたいと考えています。
エシカル対応で難しいのは、例えば航空搭載を陸送に変えるとお届けまでの日数がかかるというように、プラスとマイナスの両面があることです。我々は「正しい情報をお伝えしつつ、お客様に選択肢を提供すること」をエシカル対応の基本にしたいと考えているところです。
具体的な取り組みとしては、昨年夏に「エシカルなふるさと小包」(物販ソリューション+配送ソリューション)の実証実験を行いました。沖縄産のマンゴーとパイナップルを「エシカル」なふるさと小包商品として構成し、7月中旬から8月中旬にかけて東京都内(豊島区と練馬区)の96の郵便局で販売しました。エシカルな要素としては、①「わけあり品」を扱うことによるフードロスの削減、②J-クレジットを通じて森林保護に充てる+100円のカーボンオフセット商品の用意、③収穫・発送のタイミングを生産者の判断に任せることによる生産者の働き方改革への貢献です。
取り組みに当たって、「エシカル」の概念はわかりにくいので、内容を説明するチラシを各局に配備し、可能な場合は「エシカル」の意義をお客様にご説明した上で「カーボンオフセットあり」を推奨しました。また、東京都豊島区の都立千早高校と連携し、若い視点で「エシカル」の意味や意義を説明するPOPを生徒さんたちに作ってもらい、郵便局で生徒さんたちからお客様に伝える取り組みも行いました。結果としてマンゴー、パイナップルとも、約8割のお客様から「カーボンオフセットあり」の商品を選んでいただきました。アンケートも行ったところ、約3分の2のお客様が「エシカルな取り組みに興味がある」と答えています。また、生産者のみなさまからは、収穫をまとめることができてかなり楽になったとの声があったほか、郵便局の集荷もまとめて行うことができ、業務効率化とCO2削減にも貢献できました。こうした産地の声を都会のお客様に伝えられることも郵便局のよい点と思います。今後もこういった取り組みを積み重ねることで、「エシカル」に対する理解を深めることができると認識しました。
▼商品チラシ(パイナップル)と「エシカル」説明チラシ
▼手紙教育とSDGs教育を通じた若い世代との交流
都立千早高校とは、次代を担う若い世代のみなさんと郵便局がSDGsの観点から交流を深めるため、継続として連携に取り組んでいます。2021年7月に当時の高校2年生を対象に郵便局とSDGsをテーマとする合同授業を開催し、12月には日本郵政本社で高校生のみなさんから増田寬也社長に、郵便局の脱炭素についてプレゼンテーションを行っていただきました。高校生のみなさんからのペーパレス化の提案に応じる一方で、増田社長からは「手紙を書く良さ・手紙文化も大切にしたい」とお伝えしています。これを受けて翌2022年7月に一年下となる新2年生を対象にサステナビリティをテーマとした授業を行い、eメールの時代の手紙の良さと併せて、FSC認証を取得した紙をはがきに使用していることを伝えました。また、洋服から再生したはがき用紙を配って夏休みに絵手紙を描いてもらい、手紙コンクールに応募してもらいました。
さきほどのエシカルふるさと小包の取り組みは、3年生の選択科目で行ったものですが、2学期には、3年生全員に社会的課題の解決とビジネスの両立をテーマとした郵便局のビジネス案を考えてもらい、3年生全員が参加するプレゼン大会を行いました。生徒のみなさんの投票で上位になったチームを日本郵便の本社に招き、役員にプレゼンをしてもらいましたが、大人には思いつかないような着眼点に加えて、ビジネス案としてもしっかりとした内容で、日本郵便からの参加者からは「目からうろこが落ちた」との感想もありました。
▼地域課題の解決に向けた取り組み
坂本:弊社は地域課題の解決を目指し、インターネット上で地域のスーパーの品物や飲食店の料理を購入・デリバリーするほか、処方薬を自宅や職場に配送する「超地域密着型の生活プラットフォーム」を展開しています。このような地域に特化した取り組みが各地で様々なに展開されていますが、どれもバラバラに行われているイメージがあります。郵便局では、地域企業との連携をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
關:地域での環境・社会的課題の解決に向けた取り組みは、企業の観点に立つと収益性などの面から難しいことが多いのですが、地域の郵便局を媒介として連携させていくことにより、取り組み自体を持続可能なものとし、さらに地域社会自体の持続可能性を高めていきたいと考えています。その際、何をするか、何ができるかは各地域によって異なるので、それぞれの地域で考えていく必要があります。例えば、奈良県生駒市では地域の郵便局が、地域電力会社の契約を取り次ぐ一方で、農福連携と言われる農業を通じて障がい者の社会参画を支援する取り組みで作った干し芋、クッキー、ジャム等を郵便局で販売しています。
このように、農福連携で作ったものを郵便局の無人販売の仕組みやふるさと小包で販売するといったことも、選択肢のひとつです。さらに郵便局で一般開放しているEV用急速充電器を地域のEVカーシェアシェリングと連携させることにより、モビリティを提供するということも考えられます。単にモビリティにとどまらず、無人販売の野菜を配送すれば買い物支援になるかもしれません。
日本郵便というと大企業というイメージかもしれませんが、地域に根差した郵便局を通じた連携が重要ですので、地域企業のみなさまとも積極的に連携したいと考えています。また、地域住民や企業の理解・協力を得る上では地方自治体との連携も重要です。「郵便局もご一緒します」と地方自治体にお伝えできれば、「郵便局もやっているのであれば」とさまざまな企業が入りやすくなるのではないかと考えています。また、地域の取り組みをつなげていく上では、地域のみなさまの共感の輪を広げていくことが重要であり、身近な存在である郵便局が大きな役割を果たせるのではないかと考えています。
▼成果と見えてきた課題
坂本:地域生活に不可欠な郵便局が取り組み、連携できることは、企業にとっても心強いことかと思います。ご紹介いただいた一連の取り組みでの成果や、見えてきた課題についても教えていただけますでしょうか。
關:成果としては、郵便局のサステナビリティだけでなく、郵便局を取り巻く地域社会のサステナビリティの実現に向けて、郵便局ネットワークをどのように活かせるかが、少しずつ見えてきたことではないかと思います。繰り返しになりますが、地域の環境・社会的課題は多様であり、全国一律で解決できるものではありません。加えて、企業の観点では収益性の面で持続が難しい中、郵便局が地域の各種取り組みをつなぐことでリソースを共有したり、ある種のシナジー効果が生じたりすることで持続可能性が高まると思います。郵便局が地域の取り組みをつなぐハブになり得ると確認できたのは、現時点での成果です。
課題は大きく分けて2つあります。1つは社内の理解・浸透で、もう1つは多様性とスケーラビリティの両立です。前者については、本社レベルと郵便局レベルの2つがあります。企業ですから収益性は重要であり、収益性の確保をミッションとする部署にこうした取り組みを理解してもらうための努力がさらに必要です。一方、郵便局では以前から地域課題に対して無償で取り組んできたという意味で、CSR的な活動は盛んです。ただし、こうした取り組みを単なる持出しで終わらせるのではなく持続可能なものとするためには、企業価値向上につながるよう、何を目指し、どういった成果を狙うかといったインパクトを明確にしていかなければなりません。もう1つの課題である多様性とスケーラビリティの両立については、地域に応じた成功事例を作り出しつつ、背景等が異なる他地域にどのように横展開するかということが課題となります。人材育成やIT基盤などそれぞれについて、全国で共通することと地域でカスタマイズするものに分けて取り組む必要があります。
脱炭素社会における未来像
坂本:来るべき脱炭素社会に向けて、御社がイメージする姿や、その中での役割についてお聞かせください。
關:これらは大きな課題ですので、我々も悩みながら社内で議論していますが、郵便局らしさを活かすという点では、コミュニティの活性化が重要ではないかと考えています。別の言い方をすると、地域の多様な人がそれぞれの特性を活かして社会参画し、地域への貢献を認められることで誇りとやりがいを感じられる社会になるとよいと思います。
そのためには、まず一人ひとりの安全と安心が確保された上で地域での交流が活発になることが大事です。そこで生まれたデジタルな情報やデータを集めて活用することで、さらに地域の活性化が図られるとよいと思います。これらのデジタルな情報・データがビジネスにも活用されるとなれば、様々なビジネスチャンスが生まれるのではないかと思います。安心、交流、地域情報の活用といった仕組みを構築できるとよいと思います。
これを実現する上で、まずデジタルITプラットフォームを作りさまざま取り組みをそこに載せるというアプローチももちろん重要ですが、一方で、地域でリアルに何ができるのかを把握し、リアルの良さを残しながらデジタル化していくというアプローチもあると思います。郵便局としては、地域にすでにあるリアルな取り組みをサポートする中でデジタル化を進め、デジタルを通じたつながりが新たなリアルのつながりを生むという好循環を生み出すように取り組んでいくのがよいと思います。
坂本:本日お伺いしたことを含め、日本郵政グループはサステナビリティやESGに対する取り組みを、ホームページなどで積極的に公開しています。情報公開やプロモーションにおいて、心がけていらっしゃることがあれば教えていただけますでしょうか。
關:先ほどご紹介した郵便局でのEV・太陽光発電の取り組みや、エシカルなふるさと小包の販売と高校生との連携、再エネ100%地域電力の契約取り次ぎと農福連携で作った商品の無人販売などは、昨年12月、読売新聞主催の脱炭素に関するオンラインイベント「ニッポンの未来フォーラム」に増田社長が登壇してご紹介しました。また、日本郵政のオウンドメディア「JP CAST」で画像とともに紹介しているものもあります。
我々が心がけているのは、多様なステークホルダーの皆様に正しくご理解いただくことです。例えば、ESG評価機関に対してはわかりやすくデータを開示し、株主様にはサステナビリティの取り組みを企業価値向上の観点からわかりやすく伝える、地域のお客様など一般の方々向けには、取り組んでいただいている方々の生の声をわかりやすく伝えるよう心がけています。また、開示自体を目的とするのではなく、中身を充実させていくことも大切ですし、「エシカルとは?」といった議論も、取り組みを通じて深めつつ発信してきたいと考えています。
エネルギー見える化への取り組み
坂本:省エネや脱炭素を進めるには、電力やガスなどエネルギーの見える化が必須といわれています。このエネルギーの見える化に対して、御社ではどのようなことに取り組んでおられるのでしょうか。
關:可視化ということでは、さきほどご説明した「エシカル」対応で、温室効果ガスの削減量を可視化することにより荷主や消費者のみなさまのサービス選択の参考にしてもらうことは重要と考えています。また地域の脱炭素支援ということでは、郵便局に設置した太陽光発電での発電量やその使途、地域への貢献などをデータで示し、郵便局の職員が地域の方々にわかりやすく伝えることができたらよいと思います。視点は変わりますが、再生可能エネルギーだけでなく地域のみなさまの「エネルギー」も可視化できると面白いかもしれません。例えば、手紙イベントに参加しているお子さんたちはニコニコしていて、エネルギーに満ち溢れています。地域住民の皆様のパワーも可視化できると良いでしょうね。
坂本:人のパワーを可視化するというのはとても素敵ですよね。最後の質問です。近年は多くの投資家がESG投資に関心を寄せていますが、この観点で御社を応援することの魅力をお聞かせください。
關:我々は投資家様からお預かりした資金を使い、身近な郵便局を通じて地域の環境・社会的課題の解決に取り組むことにより企業価値の向上を目指しています。その状況をわかりやすい形で発信していきたいと考えておりますので、そのような点にご注目ください。
坂本:本日のお話で郵便局を活用したカーボンニュートラルについて学べただけでなく、地域課題に対する取り組みのヒントも得ることができました。ありがとうございました。