本記事は、小澤美佳氏の著書『テキストコミュニケーション力の基本』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

チャット
(画像=ant/stock.adobe.com)

テキストコミュニケーションには世代間ギャップがあります。「世代間ギャップはあって当然」という認識で相手に歩み寄りましょう。

上司であるあなたが年下のメンバーに、何らかの依頼をしたとします。次のような返信が来たら、どのような印象を受けるでしょうか?

例1 上司(非デジタルネイティブ)への部下(デジタルネイティブ)の返信

テキストコミュニケーション力の基本
(画像=テキストコミュニケーション力の基本)

例1のようなリアクションに「失礼だ」「ラフすぎる」などと不快に感じるのは、社会人になってからメールやチャットを使いはじめた、年配の世代に多い傾向があります。

一方、とくに違和感なく「いたって普通の返信だ」と感じるのは、会社に入る前からメールやチャットを日常的に使い、絵文字やスタンプを使うことにまったく抵抗がない若い世代に多い傾向があります。

それでは、部下のあなたが年上のメンバーに依頼したことに対して、次のような返信が来たらどのような印象を受けるでしょうか?

例2 部下(デジタルネイティブ)への上司(非デジタルネイティブ)の返信

テキストコミュニケーション力の基本
(画像=テキストコミュニケーション力の基本)

この場合、とくに違和感なく「いたって普通の返信だ」と感じるのは年配の男性に多い傾向があります。

反対に、「冷たい」「素っ気ない」「何か怒っているのかな?」などと居心地の悪さを感じるのは、とくに若い世代に多く見られる傾向です。

これは、どちらがよい悪いという話ではありません。すごしてきた時代の違いです。時代の変化から生じるギャップは仕方がありません。ですから、世代の異なる相手とやりとりをする場合は、「世代間ギャップがあって当然だよね」と、世代間で認識が異なることを前提として、それぞれに歩み寄る姿勢が大切です。

若い世代は、気づけば日常的に個人向けチャットのLINEを使っていたような世代です。電話よりも、テキストでのコミュニケーションのほうが一般的という、いわゆる「デジタルネイティブ」です。そうした環境で育ってきているので、テキストコミュニケーションでのやりとりは素早く、感情を表現していくのも上手です。

デジタルネイティブの人とやりとりをする場合、非デジタルネイティブの人は、次のような心構えを持っておくとよいでしょう。

非デジタルネイティブが意識したい心構え

▶「最近の若い人は」と批判しない
▶恥ずかしがらずに絵文字やスタンプを使ってみる

例 使いやすい絵文字やスタンプから挑戦してみる

テキストコミュニケーション力の基本
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テキストコミュニケーション力の基本
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デジタルネイティブが意識したい心構え

▶テキストに感情をうまく乗せられない人もいる
▶相手への敬意は忘れず、ライトになりすぎない

例 非デジタルネイティブの習慣も大事にする

テキストコミュニケーション力の基本
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テキストコミュニケーション力の基本
小澤美佳
「HELP YOU」を運営する株式会社ニット広報。2008年に株式会社リクルート入社。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。
2018年、中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年、ニットへ入社し、営業・人事を経験後、広報部署の立ち上げ。メディアアプローチ、SNS、各機関からの表彰などの成果を実現しながら、インナーコミュニケーションの設計・運営にも携わる。
メンバー500名がリモートワークで働くニットでは「働く」を通じて幸せになれる組織運営を目指しており、本書のテーマである「テキストでのコミュニケーション力」に定評がある。
現在、広報ノウハウを発信する傍ら、オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターなども務める。Twitter(@mica823)のフォロワー数は3.7万人(2022年12月7日 現在)。

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