この記事は2023年4月26日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Czintos Ödön/stock.adobe.com)

2023年4月26日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ファースト・リパブリック銀行の決算で約1,000億ドル(約13兆円)の預金流出を受けて同社株が49%急落し、為替市場は一気にリスクオフに傾倒。

円や金といった安全資産への買いが強まるなか、ユーロ/円が2014年12月以来となる高値の148.62円が格好の売り場となり、久しぶりにエキサイトな相場になっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は引き続き130円~135円のレンジを抜け切れていないが、ボラティリティ拡大の期待感はある。来週まで米金融機関の決算は続くため、米地銀不安がくすぶるほか、月末要因による、リバランスやポジション調整フローにも乗れるようにしたい。

また、今週のメインイベントとなる日銀政策金利決定会合も明後日28日(金)に予定されている。今回の日銀会合だが、植田日銀総裁は4月10日の就任会見で「政府との共同声明は直ちに見直すことはない」としたほか、昨日25日(火)の財務金融委員会でも「現行のYCC継続が適当」と発言しており、「金融政策の継続」はほぼ間違いなさそうだ。

ただ、引き続き欧米の金融機関を中心に政策変更期待は根強く、円高へ賭ける動きとしてディープ・アウト・オブ・ザ・マネーをギャンブル的に狙うプレイヤーも多い。仮に日銀会合前に思惑的な円高が進んだ場合は「金融政策の継続」が円安イベントになるかもしれない。

一方で植田日銀総裁からは「金融政策の点検/検証」と言ったワードも出てくると思うが、瞬間的にAIが円買いへ反応する可能性もある。週末に向けて波乱要因は多く、しっかりと準備をして臨みたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。