結婚後にマイホームを購入する人は多いですが、中には結婚前に家を建てる人もいらっしゃいます。結婚前に家を建てる場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

この記事では、結婚前に家を建てることのメリットやデメリット、入籍前のカップルが住宅ローンを組む際の注意点などについて解説します。

結婚前に家を建てる2つのパターン

結婚前に家を建てるメリット・デメリットを比較!入籍前にローンを組む注意点も解説
(画像=maru54/stock.adobe.com)

結婚前に家を建てる場合、以下の2つのパターンがあります。

  • 結婚相手が決まっていない場合
  • 結婚相手が決まっている場合

それぞれについて確認してみましょう。

結婚相手が決まっていない場合

1つ目のパターンは、結婚相手が決まってない段階で家を建てるケースです。

例えば、婚活中の方が、持ち家を持てる資力や信用力があることを証明するために家を建てることもあります。家を建てる際の住宅ローンの審査に通ったことは社会的な信用の証明になり、婚活に役立つかもしれません。

また、パートナーがいない独身の人が、将来のための資産形成を目的として家を建てるケースもあります。

結婚相手が決まっている場合

2つ目のパターンは、結婚相手が決まっていて入籍前の段階で家を建てるケースです。

婚約中のカップルや、同棲期間が長くて結婚する可能性が高いカップルが家を建てるようなパターンです。信頼関係が築けていれば「入籍前に家を建てるのはそれほど大きなリスクではない」と考えるのは自然なことかもしれません。

入籍直前のカップルが「結婚後は慌ただしくなりそうだ」という理由で少し早めに家を建てるようなケースもあります。

結婚前に家を建てるメリット

結婚前に家を建てることには、メリットとデメリットがあります。まずはメリットから確認していきましょう。

ローンを早めに完済できる

結婚相手が決まっているかいないかに関わらず、結婚前に家を建てることでローンを早めに完済しやすいというメリットがあります。例えば、借入期間35年の住宅ローンを組んだ場合、返済開始時の年齢が違うと以下のように完済時の年齢が変わってきます。

返済開始年齢
(借入期間35年)
完済年齢
30歳65歳
35歳70歳
40歳75歳

高齢になると労働収入が途絶えたり病気になったりするリスクが高まるため、早めに完済できることは大きなメリットといえるでしょう。

検討する時間を確保しやすい

結婚直後はやることが数多くあります。例えば、婚姻届や転出・転入届などを役所に提出する、免許証・パスポート・クレジットカードなどの変更手続きをする、引っ越しをするなどです。このような慌ただしい状況の中で、満足できる家を建てるためにじっくり検討する時間を確保することは難しいです。

結婚前であれば十分な時間を確保できることが多いため、満足度の高いマイホームを実現できる可能性が高くなります。

建てやすいタイミングを狙える

不動産の相場や住宅ローンの金利は常に変化しています。結婚前に土地や建物の価格が割安になるタイミングがあった場合、そのタイミングを逃さずに家を建てることで支払い額を抑えられる可能性があります。

また、近い将来金利が上がる可能性が高い場合、金利が低いうちに住宅ローンを組むことで住宅ローンの返済総額を抑えることが可能です。

結婚前に家を建てるデメリット

ここまでお伝えしてきたように結婚前に家を建てることには複数のメリットがありますが、以下に挙げるようなデメリットもあります。両方の内容を踏まえて慎重に判断することをおすすめします。

結婚相手が見つからない

結婚相手が決まっていない段階で家を建てた場合、結婚相手が見つからず家を活用できないというリスクがあります。広い家に一人で住むのは無駄があり、掃除にも手間がかかります。

どこかのタイミングで売却するという選択肢もありますが、立地や物件の状態によってはローン残債以下の価格で処分しなければならない場合もあります。

婚約破棄や離婚のリスクがある

婚約中に家を建てた場合は、当然ながら婚約破棄のリスクがあります。家を建てるときは数千万円単位のローンを組むことが多いため、この扱いを巡ってトラブルに発展する可能性もあります。

予定通り入籍した場合でも、しばらくして離婚するリスクもあります。厚生労働省が公開しているデータによると、同居期間別の離婚件数は以下のとおりです。

同居期間離婚件数
5年未満5万4,510組
5〜10年未満3万4,115組
10〜15年未満2万4,331組
15〜20年未満1万9,792組
20年以上3万8,968組
出所:厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計の概況」(2021年の離婚件数)をもとに作成

上記のように、同居してから「5年未満」と「5年以上」の離婚件数を比べてみると前者の件数が圧倒的に多いです。婚約中に自分たちが離婚する可能性のことを考えるカップルは少ないかもしれませんが、家を建てる際は離婚のリスクを認識しておくべきといえるでしょう。

実際の生活との間にミスマッチが生じる可能性がある

婚約中に家を建てた場合、「子供が産まれるのか」「産まれるとしたら何人なのか」などが分からないまま間取りを決める必要があります。また、結婚相手がいない段階で家を建てた場合、将来のパートナーの好みやライフスタイルが分からないままデザインや仕様を決める必要があります。

その結果、結婚前に建てた家と実際の生活にミスマッチが生じて後悔する可能性があります。

入籍前のカップルが住宅ローンを組む際の注意点

近年、共働き世帯の増加に伴い、夫婦が二人で協力しながら住宅ローンを返済するペアローンや、パートナーを収入合算者に設定する例が増えています。ペアローンや収入合算を利用すれば、一人で住宅ローンを組むよりも高額なローンを組める可能性が高くなります。

入籍前でもペアローンや収入合算者を利用することは可能なのでしょうか。

ペアローンは夫婦でなければ契約できないのが一般的

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを借りる契約形態です。例えば、家を購入するにあたって4,000万円の借入れが必要な場合、夫と妻の各自が2,000万円のローン契約をするといった具合です。夫婦相互に連帯保証をするのが基本で、住宅ローン控除や団体信用生命保険などは夫婦各自で利用できます。

一般的に、ペアローンは二人の関係が夫婦(または一親等)でなければ契約することができません。婚約中のカップルも契約できる場合もありますが、ほとんどの場合は入籍前にペアローンを利用することは認められていません。

婚約中でも収入合算の申し込みができる場合はある

収入合算者の設定についても入籍前は難しいことが多いです。ただし、金融機関によっては 入籍前でも収入合算者として認められるケースもあります。この場合、ローン契約時までに入籍を確認できる公的書類を金融機関に提供しなければなりません。

まとめ

今回は、結婚前に家を建てるメリット・デメリットについて説明しました。

結婚前に家を建てる場合は、メリットとデメリットを理解した上で後悔することがないよう慎重に判断しましょう。

住宅ローンの負担を減らすためになるべく早いうちにマイホームを建てたいと考えている場合、賃貸併用住宅という選択肢を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅がミックスされた住宅のことです。毎月の家賃収入を住宅ローンの返済に充てられるため、住宅ローンの負担が大幅に軽減されます。また、マイホーム購入と同時に資産形成を始められるというメリットもあります。

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(提供:賢いくらし研究所