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5日、日本銀行の黒田東彦総裁は都内で講演し、10 月 31 日に発表された「量的・質的金融緩和」について説明し、今後について述べた。

同講演内で、黒田総裁は「物価安定の目標」を早期に実現するため「できることは何でもやる」と、今後への決意を改めて強調。
「量的・質的金融緩和」については、「物価が上がらない」あるいは「物価が緩やかに低下する」というデフレマインドから脱却するため「従来とは全く次元の異なる金融緩和によって、人々の間に染みついたデフレマインドを抜本的に転換する必要がある」と改めてデフレ脱却を強調。

今回の追加緩和については、「消費税率引き上げ後の反動減は、自動車などの耐久消費財を中心にやや長引いている」、そして「原油価格が大幅に下落しており、需要面の弱めの動きや原油価格の下落」がデフレの要因にあると説明。「これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクもある」と考え「量的・質的金融緩和」に踏み切っている。

今後の日本経済については「雇用・所得環境の改善は着実に続いている」と状況改善に触れ、「前向きの循環メカニズムが働き続けるもとで国内需要が堅調さを維持し、輸出も緩やかな増加に向かっていくと見込まれる」とし、「日本経済は、基調的には潜在成長率を上回る成長を続ける」と述べ、実質GDP成長率の見通しでは「2014 年度は+0.5%、2015 年度は+1.5%、2016 年度は+1.2%」との予想を述べた。

今後の政策運営については「日本銀行は、これまでと同様、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続」し、従来通り「必要になれば、躊躇なく調整を行う方針」を表明した。

また、「より長い目でみた国民生活の豊かさを実現するためにも、今が正念場」だと述べ、「2%」の物価上昇率を目標とすること」は、「デフレに陥らないための「経験知」と言える」と回答。「中途半端な治療は、かえって病状をこじらせるだけ。」と指摘した。

さらに、「2年程度という期間にこだわる」ことに対する異論には、「いつかは2%にする」というのでは、デフレマインドが蔓延していた企業や家計が「これからは2%を前提として行動しよう」とは思わないと指摘、「デフレ期待を払しょくし、人々の気持ちの中に2%を根付かせるには、それなりの速度と勢いが必要」と述べ、金融緩和政策に対する理解を求めた。

(ZUU online)

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