この記事は2023年5月9日(火)に「羊飼いのFXブログ」公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=茂希 長沼/stock.adobe.com)

2023年5月9日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円に関して、ブル・ベア両方の材料があり、動きづらくなっている。

米ドル/円のブル材料は、植田日銀総裁の政策、予想以上に強い米経済(雇用)、また最近少し下がりにくくなってきたインフレ率だ。ベア材料は、米地銀問題、また昨日8日(月)のグールズビー・シカゴ連銀総裁の「信用収縮が始まっていると感じている」との発言と今年後半の景気後退の可能性への言及。そして債務上限問題だ。

ただ個人的には債務上限問題は、たいした問題ではないと思っており、やはり銀行の与信基準の厳格化からくる景気交代がどうなるかが重要。しかも問題はその深さだろう。現在の米経済の強さを見ていると、そこまで深い景気後退は来ないのではないかという気になっている。

米地銀問題に関しては、株式が売られて預金が流出する動きとなっていたが、株売りを制限する話が出ており、ショートカバーで株が上昇してしまった。しかし、銀行は信用問題で倒れるので株売りの制限はある程度は効果的だろう。あとは預金に対して何らかの保護がでると、さほど大きな問題にならないのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

もろもろ総合的に考えると米ドル/円は押し目買いで良さそうだ。ただ、見極めるための時間は必要だろう。

明日10日(水)のCPIがカギとなる。結果が予想以上に高ければ、ドル買いで反応しそうだ。とにかく明日10日(水)のCPIを待ちたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。