世界100ヵ国ユーザー270万人が利用するGameFiの旗手が「未来」を変える
『Digital Entertainment Asset Pte.Ltd. 』
GameFiプラットフォーム事業を手がけるDEAは、シンガポールで2018年8月に設立された会社。
GameFiプラットフォーム「PlayMining」 、NFTマーケットプレイス「PlayMining NFT」、メタバースプロジェクト「PlayMining Verse」、自社発行の暗号資産「DEAPcoin(DEP)」の運営。「遊んで暮らす世界をつくる」をビジョンに掲げる。
ナガトモ:世界初のPlay to Earn経済圏を作られましたが、その構想はどのようなことがきっかけでしたか?
吉田: シンプルに2つあります。1つは、ドラクエやファイナル・ファンタジーのようにゲームでモンスターを倒すとコインがもらえるわけですが、「このコインがお金だったら、ずっとゲームをしながら生活できるのに」と子どもの頃に思っていたことがきっかけです。
もう1つは、2016年に元ソニー会長の出井伸之さんから「ブロックチェーンを勉強しなさい。データに価値をもたらす技術なので、インターネットの登場と同じくらい時代が変わる可能性があるよ」という言葉を受けたことです。
その頃はよくわかりませんでしたが、勉強をしていく過程で、データに価値をもたらすのであれば、人類にとって最も価値があるものとはなんだろうと考えた時、それは「お金」なんだろうと思いました。
僕が勉強を始めた当時はビットコインを筆頭に、暗号資産がだいたい3,000種類ほどありました。当然ですが、それまでお金というものを自分で作るのはいけないことだと思っていただけに、衝撃を受けましたね。
極論をいえば、子供銀行券のようなものに価値がついて、それを多くの人が取引するすごい世界だなと。さまざまな取引所ができたことで子供銀行券のようなものに価値がつく。
じゃあ、この子供銀行券をゲームに活かせば生活できるなと思いついたんですよね。一言でいえば、子供の頃の妄想を実現したといったところでしょうか。
ナガトモ : 過去の苦労や困難を極めたエピソードについてお聞かせください。
吉田 :苦労や困難は今までやってきたことすべてですね(笑)。当初、ゲームでお金を配布することは誰も理解してくれませんでした。最初に理解してくれたのは共同代表者の山ちゃん(Co-CEO山田耕三氏)でした。当時、この構想をよく理解してくれたなと思います。
自分たちのトークンを発行してそれに価値を付け、ゲームをプレイしてもらうためにNFTを買ってもらい、なおかつマーケットプレイスも兼ね揃えた完全一体型のゲーム経済圏を作ったのは当社が世界初となります。
世界初というのは前例がないということなので、トークン配布ひとつをとっても勝手がわかりませんでした。たとえば、ゲームでたくさん勝利した際に報酬をたくさんお支払いすると経済圏が成り立たなくなりますし、少なすぎてもユーザーから不満があがってきます。
何回も計算してロジックを作ったとしても前例がないビジネスモデルを作り上げるのは難しいなと感じました。そこはしんどかったですね。
トークンをいろいろな取引所に上場させることも全然わかりませんでした。思い返せば、「DEAPcoin(DEP)」を上場させる際は1年以上いろいろな取引所との交渉のため世界各国に行きました。
ブロックチェーンゲームの制作に関しても前例がないのでエンジニアもプロデューサーも手探りの状況でした。実は「JobTribes」も今の姿になるまでに2回作り直してます。それほど難しかったです。
ナガトモ : 実際に事業を始めた頃の規制と、今の規制の違いについて感じるものはありますか?
吉田 : 日本においては規制が本当に優しくなった印象です。今のシンガポールと比べると日本の方が優しいかもしれません。会計については世界中厳しいのですが、なかでも日本は税務面が特に良くないですね。
ただ、自社発行トークンの期末時価評価の改正によってスタートアップがトークンの発行を伴うWeb3.0事業はやりやすくなりました。
しかしながら、会計面での問題は引き続き残っております。なぜなら、日本の大企業がWeb3.0事業に参入するためには監査法人の理解が必須です。これが難しいのです。
Web3.0事業をスタートアップだけに限定してもスケールしないと思います。Web3.0事業は金融的な要素が多く、信用や安心安全が必要とされますので、大手上場企業の参入が不可欠でしょう。
Web3.0を日本の国家戦略とするのであれば、もっと大企業がWeb3.0に参入しやすい規制環境を作っていくべきですね。
ナガトモ : これまで数々のヒット作品を生み出してきたと思いますが、ゲームコンテンツのアイデアはどのように湧いてくるのでしょうか?
吉田 :僕がゲームを作り出したのは1990年代で、グラムスという会社でした。最初の作品はNECのPC-98向けのパソコン用ゲームソフトです。ただのゲームソフトではなくオリジナルドラマを制作して同梱していました。
その後、セガサターン用ソフトの「クォヴァディス」、PlayStation用ソフトの「ありす in Cyberland」など決して大ヒットではありませんでしたが、コアなゲーマーに受ける作品を制作しました。「クォヴァディス」はセガサターンでセールスランキング1位になりました。
当時はゲーム以上に弊社が制作するアニメのクオリティがすごいといわれていました。というのは、社内にアニメスタジオも併設していたのです。ゲームを作るのも好きだったのですが、ストーリーを作ることが好きでした。
だから結局、物語を作りたかったのだと思います。すごいクオリティのアニメが見られるRPGやシミュレーションゲームを作りたかったのです。
今の我々のゲームはカジュアルゲームです。カジュアルゲームに関してはクリエイターが作りたいものを作ってもらう感じです。ゲームのアクションについても、この動きじゃないと嫌だというこだわりはありませんね。
ストーリーやドラマに関してはこだわりがあって、気に入らなかったら作り直しとかいってしまいます。だけど、今のゲームについては若いプロデューサーに完全に任せています。
体験したことのないあたらしいエンタメを作ることにやりがいを感じる
ナガトモ : 国内ですでに3企業を上場させた吉田さんが新たにWeb3.0領域で勝負する原動力についてお聞かせください。
吉田 :Web3.0領域で勝負することにした動機はエンタメの世界に戻りたかったからです。それと、妄想でしかなかったゲームで遊んで生活する時代が本当に実現できるかもしれないと思ったことが大きいです。これが今でも自分の1番大きな原動力となっています。
ゲームで生活ができるということは、ある意味ゲーム業界の仕組みがひっくり返るくらいの破壊力があると思っています。ゲームやエンタメはお金を払って体験するものですが、お金をもらって体験するものになるということは、真逆のビジネスモデルとなります。
1つの業界が丸ごとひっくり返るようなアイデアというのはなかなかあるものではありません。普通のゲームもソーシャルゲームも当然残るとは思います。
ただ、これからはWeb3.0ゲームが占める割合が高まっていくのではないでしょうか。今まで誰もがみたことのない、体験したことのないあたらしいエンタメを作ることにやりがいを感じています。
ナガトモ : Web3.0領域で日本が世界に勝つ方法について考えをお聞かせください。
吉田 : やはりエンターテインメントの分野を中心に世界展開すべきだと思います。すでに日本の漫画やアニメ、ゲームは一定の地位を確保しています。そこにWeb3.0のトークン経済圏を導入することができれば、日本企業は大きなシェアを取れると思います。
DEAが手がけるゲームタイトル
『JobTribes』
「PlayMining」の第1弾として発表された、職業をテーマにしたNFTカードバトルゲーム。あらゆる職業が擬人化された個性豊かなキャラクターが登場し、ゲーム内で獲得したポイントによって「DEAPcoin」に交換できる。
『Cookin' Burger』
バーガーショップの店員として、さまざまなタイプのお客のオーダーを受け、正確かつスピーディーに料理を提供してお店の評判を上げることを目指すマルチタスク料理ゲーム。ゲームプレイを通じてお店の評判を高め、評判に基づく「ランキング」によって「DEAPcoin」を獲得できる。
『Graffiti Racer』
自分で色を塗ったキャラクターでスコアを集めながら競争する新感覚「ぬりえ×レース」ゲーム。塗り絵の下地となる「シートNFT」を獲得し、キャラクターに色を塗ることで、レースに出走することができ、レースの順位に応じて「DEAPcoin」を獲得可能。
『麺屋ドラゴンラーメン』
ダンジョンでモンスターを討伐して、希少な「食材」を手に入れ、入手した食材を使って「ラーメン」を販売する、「RPG×ラーメン販売シミュレーション」というユニークなゲーム。食材やレシピを工夫することでより多くの「DEAPcoin」を獲得できる。
『Lucky Farmer』
農場がモチーフのコインプッシャーゲーム。ゲーム内のスロットやルーレットで大量のメダルを獲得してアイテムと交換したり、あらたに登場する「ペット」を活用してゲームを有利に進めて、定期的に開催される「ランキング」に参加することで「DEAPcoin」を獲得できる。
(提供:Iolite)