Web3.0×Mass Adoption
2023年は「マスアダプション」の年。業界のホープが日本のWeb3.0を加速
メインネットのローンチを経て日本に「Web3.0元年」をもたらしたAstar Network。今年はStartale Labs Japanを通じて国内に注力していく。
2022年は Web3.0元年ともいえる年であった。日本においても、政府がWeb3.0を加速させる意向を示すなど、大きな進展がみられた。
Astar Networkファウンダーの渡辺創太氏は、まさに国内へWeb3.0の潮流をもたらした人物の1人だ。日本政府、そして大企業などとも連携し、さまざまな取り組みを進める渡辺氏は、今年の日本のWeb3.0をどのようにみているのだろうか。
渡辺:昨年はFTXショックが大きかったと思います。また、米国ではクラーケンの提供するステーキングサービスが証券法違反で起訴され、SECのゲンスラー委員長による発言も踏まえると、海外では法整備の部分で厳しい状況が生まれる可能性があります。 一方で、日本はもともとしっかりとした規制があったので大きな影響は受けませんでした。
Web3.0領域では、NTTドコモさんが6,000億円の投資を発表したほか、トヨタさんと我々がWeb3.0グローバルハッカソンを実施すること、またソニーさんと一緒にインキュベーションプログラムを行うことからもわかるように、大企業の参入が続いている状況です。
大企業の皆さんはWeb3.0に前向きの姿勢です。今年は日本の大企業が参入して、グローバルでリーダーシップを取ることが最も重要になると思います。
個人的には将来的にどのブロックチェーンを使うのかという競争的な発想はなくなると考えています。
たとえば、インターネットを使う時にどのサーバーを経由して使うかなど誰も気にしないですよね。ブロックチェーンも同様で、ユーザー側は特段気にしていません。
僕たちは、単純にNFTが発行され、DeFiをきちんと使うことができる世界観を目指しています。そのためにはレイヤー同士を完全につなぐ必要があります。現在、ブリッジがハッキング被害に遭うケースが増えていますので、そこが重要な開発ポイントとなります。
先日、Astar Network上で発行するASTRが時価総額で世界のトップ100に入りました。今後このエコシステムを盛り上げて、トップ50、トップ20に入ってくると、日本のプロジェクトが世界に進出したといわれるでしょう。
そのためにも、具体的に現在やっているトヨタさんやソニーさんとの取り組みを意味あるものとして着地させなければなりません。そして今後は日本の大企業がかなり参入してくるので、しっかりとカバーしていくことが重要だと思います。今年設立したStartale Labsを通じて、今年は企業とユースケースを作っていきます。
Astarの技術的展開の話では、昨年WASM(WebAssembly)というあたらしいバーチャルマシンに対応しました。
EVM(Ethereum Virtual Machine)がWindowsOSだとすると、WASMはMacOS的な存在です。WASMをサポートすることで、Astar上にWeb2.0デベロッパーがオンボーディングできるようになります。
たとえばJavaScriptでスマートコントラクトを書くことが可能になるようなイメージです。すると裾野が広がり、Web3.0の実現が加速することになります。
今年の僕は日本にフォーカスしていて、国内でかなり進捗がみられると思います。大企業、日本政府、地方自治体と密接に協力していき、さまざまなユースケースを増やしていきます。
Web3.0領域の重要性と目標
日本がグローバルでリーダーシップを取ることが最も重要になる。
(提供:Iolite)