鼎談レポートシリーズ

ドイツ政府の主導で始まった「インダストリー4.0」の発表から10年以上が経過し、日本のモノづくりの現場も試行錯誤を重ねながら、「インダストリー4.0」が掲げる世界感の実現に向けて取り組みを進めています。こういった中、AIの領域における昨今の動きは、ChatGPTの躍進にみられるように、めざましいものがあります。持続可能な社会へと向かう「第4次産業革命」において、AIはどのような役割を果たすのでしょうか。そのために日本の製造業が活用すべきリソースは、いかなるものなのでしょうか。

今回は、2023年4月25日に開催されたウェビナー「ネクスト・インダストリー4.0 AIはキーテクノロジーとなり得るか」の内容を再構成したダイジェストをお届けします。

鼎談レポートシリーズ
左より福本 勲氏(株式会社東芝)、川野 俊充氏(ベッコフオートメーション株式会社)、田口 紀成氏(株式会社コアコンセプト・テクノロジー)

<鼎談メンバー>

田口 紀成氏
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 取締役CTO兼マーケティング本部長  2002年、明治大学大学院 理工学研究科修了後、株式会社インクス入社。2009年にコアコンセプト・テクノロジーの設立メンバーとして参画し、3DCAD/CAM/CAEシステム開発、IoT/AIプラットフォーム「Orizuru」の企画・開発などDXに関する幅広い開発業務を牽引。2015年に取締役CTOに就任後は、ものづくり系ITエンジニアとして先端システムの企画/開発に従事しながら、データでマーケティング&営業活動する組織/環境構築を推進。
川野 俊充氏
ベッコフオートメーション株式会社(日本法人)代表取締役社長
1998年、東京大学理学部物理学科を卒業後、日本ヒューレットパッカード社に入社。2003年にはカリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院経営学修士(MBA)を取得。日本ナショナルインスツルメンツ社を経て、2011年からベッコフオートメーションの日本法人の代表取締役社長に就任。
福本 勲氏
株式会社東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
アルファコンパス代表
1990年3月、早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長を務める。また、企業のデジタル化(DX)の支援と推進を行う株式会社コアコンセプト・テクノロジーのアドバイザーも務めている。主な著書に「デジタル・プラットフォーム解体新書」、「デジタルファースト・ソサエティ」(いずれも共著)がある。主なWebコラム連載に、ビジネス+ITの「第4次産業革命のビジネス実務論」がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。

(所属及びプロフィールは2023年4月現在のものです)

目次

  1. 社会課題の解決に向かって変ぼうする「インダストリー4.0」
  2. 「標準化」を進めるところにイノベーションの源泉がある
  3. 二極化する「4.0」の取り組み状況。その背景は
  4. AIにおけるChatGPT「前」と「後」
  5. GPTが切り拓いた、自律化の地平
  6. GPTの「不気味の谷」を越えた先にあるもの

社会課題の解決に向かって変ぼうする「インダストリー4.0」

田口(以下、敬称略) 今回は、「ネクスト・インダストリー4.0 AIはキーテクノロジーとなりうるか」というタイトルで、お話ししていきたいと思います。川野さんは「インダストリー4.0」を日本に持ち込んできた方です。インダストリー4.0の「現在地」について、どのように川野さんの目に映っているのか、また、日本に紹介した当初はどうだったのかなどについて、お話しいただければと思います。モノづくりに関してはまず、福本さんからお話を伺いたいなと思います。

福本 ドイツでインダストリー4.0が発表されたのは、ベッコフオートメーション(日本法人)が創立されたのと同じ2011年の、世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ」でした。当時、サイバーとフィジカルが融合した新しい世界、サイバーフィジカルシステム(CPS)を実現していくということで、2035年くらいまでの長いロードマップを持つドイツの国家プロジェクトとして発表されました。

インダストリー4.0の取り組みは着実に進んでいると思うのですが、2019年あたりから少し状況が変わってきているように思います。オートノミー(主権・自律性)とかインターオペラビリティ、サステナビリティということを強く訴えるようになってきているからです。インダストリー4.0の推進団体は、サステナビリティとスマート製造というユースケースシナリオをどうやって提供していくかについても発表しています。またEUの欧州委員会は2021年、「インダストリー5.0」に言及し、「ヒューマンセントリック(人間中心)、サステナブル、レジリエンス」が、キーコンセプトであるとしています。

2011年にインダストリー4.0が発表されたころは、ハノーバーメッセにおいても「どういう世界を実現していくのか」というコンセプト訴求型の展示が多かった印象です。その後はIoTプラットフォームを活用し、IoTの情報を例えば産業機械や社会インフラから収集し、活用していくような展示が増えてきました。

去年(2022年)ぐらいからの動きを見ていると、各社によるIoTプラットフォームの訴求は減り、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといったより大きな社会課題を解決するための「業界」をまたいだエコシステムの実現に向けた訴求が目立ってきています。サステナブルやレジリエンスを強調する流れも、更に加速をしていくのではないかと思っています。

鼎談レポートシリーズ
「2011年にインダストリー4.0が発表されたころに比べ、去年(2022年)ぐらいからの動きを見ていると、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった、より大きな社会変革を実現して、社会課題の解決をしていく。そのために、業界をまたいだようなエコシステムが大事になっていくのだ、といった訴求が目立ってきています。」(東芝 福本氏)

「標準化」を進めるところにイノベーションの源泉がある

田口 ESGやカーボンニュートラルなどのキーワードが出てきており、その達成のためにモノづくりにおいてもサプライチェーンの改善などが求められています。福本さんから見ると、インダストリー4.0から連続的につながっているように見えるということですか。

福本 はい。

田口 そうしますと、当初の目標からずいぶん拡大されたようにも聞こえますが。

福本 発表当初より、インダストリー4.0のコンセプトはさまざまな社会問題の解決であり、工場のスマート化にとどまるものではありません。日本ではデータを用いた工場内諸問題の解決に視野が行きがちでしたが、ここ数年のハノーバーメッセの主テーマのように地球温暖化という社会問題に対してインダストリー4.0で取り組もうという動きがはじまることで、その本来の価値が徐々に明らかになってきているということではないかと思います。だからこそ、長期のロードマップを描いて着実に進めていく。ドイツ人らしいと思うのですが、ドイツ企業にいらっしゃる川野さんはそのあたりをどうお考えでしょうか。

田口 現在地を知る上でも伺いたいですね。

川野(以下、敬称略) インダストリー4.0が始まった2011年以降、おそらく日本で最も注目されたのが2013年とか14年くらいだと思います。

福本 水平方向と垂直方向、両方を連携しなければいけないという訴求がそのころに強まりましたよね。

鼎談レポートシリーズ

川野 振り返ると、正直なところバズワードとして注目され過ぎてしまいました。ただ、逆に狙っていた面もあったと思うので、その意味ではうまくいったのではと考えています。

田口 まずはバズワードとして、一定のバリューを発揮した部分はありますね。

川野 インダストリー4.0でドイツが意味するところの標準化とは基本的に、イノベーションのことなのです。特にメルケル首相(当時)がおっしゃっていたのは、技術開発を進めて、その上で業界からの支持が得られるような形で標準化をしていく。それ自体にイノベーションの源泉があるのだという、非常に明解なメッセージでした。イノベーションには色々な定義がありますし、解釈がありますけれども、ドイツの産業界にとっては、標準化に載せていくということがイノベーションなのだと。

鼎談レポートシリーズ

ただ、メッセージは明解だけれども、これだけで皆が取り組むかというと、必ずしもそうではない。そこに、インダストリー4.0というブランドというか標語にメッセージを載せることで、世界中から注目をきちんと集めることができた。それによって標準化を進められるようになったという点では、なかなか真似できないアプローチだと思いますね。

福本 デジュール標準化やデファクト標準化は、要素技術を積み重ねてできあがるものではないと思います。インダストリー4.0のように全体のアーキテクチャを大きく描いて、自分がその中でどの役割を担っているのかを分かるようにしていくという、このやり方が非常に上手だなと思います。

鼎談レポートシリーズ
「インダストリー4.0でドイツが意味するところの標準化とは基本的に、イノベーションのことなのです。特にメルケル前首相がおっしゃっていたのは、技術開発を進めてその上で業界からの支持が得られるような形で標準化をしていく。それ自体にイノベーションの源泉があるのだという非常に明解なメッセージでした。」(ベッコフオートメーション 川野氏)

二極化する「4.0」の取り組み状況。その背景は

川野 「現在地」に関しては、二極化してしまっている感じです。標準化がうまくいっている一方で、一時は勢いがあったけれども様々な理由で停滞をしてしまっているなど、差が出てきているのが実態です。

成功したなと感じる点としては、基本的な通信プロトコルとしてOPC-UAを使いましょうという合意形成に持ち込んだこと。さすがだなと思います。

(OPC-UA:産業用IoTにおける通信規格。データの安全性を保証しつつ情報を伝達し、活用することを基本理念としたプラットフォーム非依存のサービス指向アーキテクチャ)

田口 コミュニケーションが整うきっかけとなりましたね。

川野 その上でデジタルツインを使うために必要なコンパニオン仕様については、色々な変遷があります。機械種別ごとに異なるデシタルモデルを作っていくという考え方なのですが、工作機械やロボットや成型機、プレス機など、本当に色々なものを作っていく必要があるのです。

射出成型機は結構うまくいっていて、周辺機器も含めてコンパニオン仕様ができていて、その通りに実装するときちんと動くという、割といい感じになっています。これに対して、工作機械は先行のumati(ユマーティ)で標準化を同様に進めようとしたのですが、こちらは停滞していると感じます。

(umati:工作機械の共通のインターフェース規格で、「Universal Machine Technology Interface」の略。2020年4月以前は、「Universal Machine Tool Interface」の略語だった)

田口 まだまだこれから進むところですよね。

川野 はい。理由はいくつかあると思います。工作機械とひと口に言っても、レーザー盤や研削盤、切削機など様々な種類があります。合意形成が必要な部分がたくさんあるので、進みにくいのです。

それから、産業構造も違っています。例えば、成型機はコントローラーを内製にしているお客様が多いので自分たちで手を加えやすいのですが、工作機械はNC(numerical control)を購入して使うケースが多いので、メーカ対応が必要です。インダストリー4.0の開始から10年が経ち、当社も取り組んでいる最中ですけれども、まだまだ道半ばですね。

田口 他方、進めていかなければならない点としては、カーボンニュートラルやサステナビリティなどがありますね。そこを意識する場合、理想形を持てずにいる方は多いですね。どういう形を取るべきなのかについては、まだまだファーストペンギンが必要な状態なのだろうと感じました。

川野 ここは今すぐに標準を作る必要はなくて、むしろそうであってはいけないと思います。ロングショットで、誰もが合意できるテーマだという合意形成がまず必要です。エネルギーを最適化し、二酸化炭素を減らそうということは、誰もがやるべきだ思える課題なので,筋は良いと思います。

AIにおけるChatGPT「前」と「後」

田口 「インダストリー4.0」の現在地を踏まえた上で、「AIはキーテクノロジーとなり得るか」についてお聞きしたいです。ChatGPTのように、ある意味キャズムを越えたといいますか、テクノロジーが相転移しているように見えなくもないからです。

鼎談レポートシリーズ

川野 このスライドは、インダストリー4.0の説明をするために作りました。確か2015年ごろですが、当時はこれを見せても、何を言っているんだという反応でした。機械がインテリジェントになることで、機械と人が対話をしながら、生産工程を最適化して協調していく世界観を紹介していたのですが、全く実感が湧かなかったのです。

福本 今でこそコボット、コミュニケーションロボットとか言いますけど。当時は、ロボットと人間が共同で作業することは、まだ考えられなかった時代ですからね。

川野 当時のインダストリー4.0におけるスマートファクトリーのイメージの一つとして、人と協調をするというコンセプトがありました。必要な情報が標準化されて皆で共有できるようになれば、注文の情報が生産設備にちゃんと共有されて、機械と対話しながら、「(人間:)じゃあちょっとこの週末は、休日出勤してあげようか」「(機械:)生産個数が足らないのでお願いします!」みたいな。すごくかわいい(笑)。

当時は夢物語だったと思うんですけれども、Generative Pretrained Transformerが出てきて、「ちょっと、これ本当に行けるんじゃないの」と。ある革新的な技術によって、それまで停滞していたものが一気に息を吹き返すようなインパクトがあります。

田口 福本さんはどうお考えでしょうか。

福本 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が今年(2023年)2月に発表した「DX白書2023」によると、AIの利活用の状況に関し、2022年度の日本のAI導入率(「全社で導入している」「一部の部署で導入している」の合計)は22.2%、米国は40.4%であり、差が大きくなっています。一方、日本企業におけるAIの利活用の状況の経年変化をみると、 AI利活用の割合は確実に上昇していることがわかります。少ないながらも、AIに対して前向きに取り組んでいる企業が増えてきているということだと思います。

AIを導入する理由については、米国は「集客効果の向上」「新製品の創出」「新サービスの創出」など、顧客経験価値を高める取り組みに使っていきたいとの回答が多くなっています。日本は、「生産性向上」「ヒューマンエラーの低減、撲滅」「品質向上」といった、現場レベルでの業務改善に関する項目がまだまだ多くなっています。顧客経験価値を高めていくために、DXに段階的に移っていくといった取り組みをしていく必要があるのではないかと思います。

また、AI導入における課題の中で、日本のほうが米国より回答率が高いのは「AI人材が不足している」「AIの導入事例が不足している」「導入効果が得られるか不安である」であり、AI人材や導入の意思決定に関する項目が多くなっています。

川野 これはいわゆる「GPT以前」のAIですね。

福本 そうです。マシンラーニングやディープラーニングが対象だと思います。

鼎談レポートシリーズ
「インダストリー4.0の現在地を踏まえた上で、AIはキーテクノロジーとなり得るのか?Chat GPTのように、ある意味キャズムを越えたといいますか、テクノロジーが総転移しているように見えなくもないからです。」(コアコンセプト・テクノロジー 田口氏)

GPTが切り拓いた、自律化の地平

田口 確かに、「GPT前」はDX白書の内容のような印象が確かに強かったのですが。

川野 何かGPTで変わるのではないかなと。

福本 そうですね、変わっていくといいなと思います。ただビジネスや産業用途で、実用化や利用拡大の壁は存在します。やってみないと分からないことがありますから、ROI(投資利益率)が不明確なので投資判断が難しいのです。AIの動作がブラックボックスなので、理解できないし挙動も予測できないから、品質がそもそも担保できないということもあると思います。

ただ、AIやマシンラーニング、GPTのテクノロジーは今後、ビジネスや産業用途において重要な役割を担ってくると思います。ポイントは知能化や自律化だと思っています。日本は、現場にいらっしゃる熟練技能者の皆さんの技術が素晴らしく、特に製造業では重要だと言われているので、この課題対応ニーズは高いと思うのです。

当社のAIに関する取り組みを、紹介してもよろしいでしょうか。

田口 お願いします。

福本 東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」というAIソリューションを、東芝デジタルソリューションズが提供しています。

この「SATLYS」の採用事例としては、産業用水処理に関する装置・薬品事業を手掛けている栗田工業様の、沈殿槽自動監視サービスがあります。これまで栗田工業様では、排水処理を行う沈殿槽に対し、超音波センサーを活用して排水の処理状態を可視化する技術を提供していました。しかしながら、沈殿槽の処理状態の正常/異常の判断基準が明確になっていないことや、異常発生時の原因特定と対処には熟練者を必要とするなど、技術伝承や人材確保の面での課題があり、また、沈殿槽の処理状態の確認は現場にて目視で行われることが多いのが実情でした。

このような課題を解決するため、東芝デジタルソリューションズが、設備メーカー向けアセットIoTクラウドサービス「Meister RemoteX」と「SATLYS」を活用した排水処理の遠隔監視サービスの開発を進め、同社の仕組みに採用されています。

田口 SATLYS自体は、どのような目的で作られたAIなのですか。

福本 東芝の「ものづくり」の実績から得た知見を、AIの設計に活かし、高精度な識別、予測、要因推定、異常検知、故障予兆検知、行動推定などを実現する目的で開発をされています。画像認識技術なども活用しています。

田口 GPTですと、今はテキストベースですが、今後は画像認識なども対応されていくのだろうなという感じはしています。少なくともその可能性を示してくれたのがChatGPTであって、こうしてご紹介いただいているサービスも、次のフェーズに移っていくのでしょうね。

GPTの「不気味の谷」を越えた先にあるもの

川野 正直なところ、自社の製品で、例えば磁気浮遊式の搬送機とか阿修羅像のように手が何本もあるロボットを見た時に、途方に暮れるわけですよ。なぜかというと、古典制御だけでは制御しきれないし、プログラムを書けないから。ロボットはある一定以上の自由度が高まると、あっという間に手続き型のプログラミング言語ではプログラムできなくなります。

そのため、人間を模倣をするとか自律的に考えるとか、要は知能化をすることで、プログラムレスで機械が自分で思考を持って動くというような行動生成や軌道生成をすることが、本当に必要になってくるのです。

福本 おそらく、いずれはコンピューター同士が互いに学習し合う、ということが起きてくるのではないかなと。自律化のポイントかもしれませんね。

川野 複雑な行動生成は、一晩シミュレーションをしてようやく、何十秒かデータができるような世界でした。しかし人間は、そんなことをしなくても、あうんの呼吸で初見の対象物に対して作業ができます。こうしたことは今までは、絶対に計算できなかった領域だったのに、私はGPTを見て「ガーン!これできるかもしれない」と思いました。

田口 できそうですよね。

川野 それでもう、打ちのめされて、頭の中からインダストリー4.0が飛んでいきました。

田口 これを見ていただいている次世代のリーダーへメッセージということで、お二方からコメントをいただけますでしょうか。

福本 私は、日本の製品やサービスにとってAIの品質が非常に重要になっていくと思っています。AIのプログラミングそのものの品質を担保するだけではなくて、AIが学習するデータの品質を保証していかねばならないという、大きなポイントがあるからです。

そうなると、単純にAIのテクノロジーだけがわかるということだけではなく、ビジネスもプロジェクトも分かる、マネジメントもできる、そういう人が必要になるのではないかと思います。

田口 スーパーマンですね(笑)。

川野 進化が速いので、本当に総合力が問われるという状況になっているのだと思います。

福本 個人で遊んでいるうちは、いいのかもしれませんけれどね。例えば、社会インフラやライフラインに適用していきますとなっていくとやはり、そういう人が必要になっていくのではないかなと思います。

川野 先ほどのアンケート(注・前半部分で言及)で、AI導入に対する不安や障壁がありましたが、相手がAIだと気づかなくなった瞬間に、どわっと入ると思うのですよ。

それがまさに、キャズムを超えるというか、GPTの威力の「そこまで来てる」感かと思います。どこまで行ったら「不気味の谷」を越えるかという話に、とても似ていると思います。そのラインがどこなのか、興味がありますね。

田口 皆様、貴重なお話しをありがとうございました。

鼎談レポートシリーズ

【今回の鼎談のアーカイブ動画を視聴したい方は以下よりアクセスしてください】
https://www.cct-inc.co.jp/koto-online/archives/131

【関連リンク】
株式会社コアコンセプト・テクノロジー https://www.cct-inc.co.jp/
ベッコフオートメーション株式会社(日本法人)https://www.beckhoff.com/ja-jp/
株式会社東芝 https://www.global.toshiba/jp/top.html

(提供:Koto Online