この記事は2023年5月31日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Comugnero Silvana/stock.adobe.com)

2023年5月31日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は昨年11月ぶりに140円を突破し、高値圏での推移を続けている。FRBボードメンバーのタカ派発言や、PCEデフレーターの上振れを受け、米追加利上げ期待が加速、長期金利の上昇とともにドル買いを誘っている。

Fed Watch・CMEをみると、現時点で6月FOMCは25bp利上げ確率が6割台まで上昇し、一時の据え置き予想から織り込みにブレがみられている。利上げ見通しを巡る思惑から、明後日6月2日(金)の米雇用統計やブラックアウト期間前のFRB要人発言など重要イベントに注目が集まりそうだ。

一方で、昨日30日(火)に本邦財務省・金融庁・日銀による3者会合が実施され、神田財務官から足元の円安に対して「口先介入」が入ってきた。前回実弾介入のあった米ドル/円145円ラインが1つの目安となりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

政府・日銀による為替介入については、米ドル/円が心理的節目140円に乗せたことで一旦「ジャブ」を打ってきた格好。今後も「口先介入」などでヘッドラインに振らされる展開はあるだろうが、おそらく実弾介入はもう一段上にあるので下がったところは拾えるかもしれない。

また、月末フローやリバランスなど大口に振らされて下がった場合も同様に第一感は押し目買いになるだろう。そして、来月のFOMCが今後マーケットの焦点になっていくわけだが、市場の米利上げコンセンサスが久々に割れているため、米指標からいつも以上の緊張感が感じられる。

とりわけ今週は、明後日6月2日(金)に米雇用統計の発表があるが、特に追加利上げが意識されている状況のため、平均時給・賃金上昇率が注目される。仮に上振れた場合、上方向には乗り遅れずついていきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。