本記事は、司拓也氏の著書『自分を守るためにちょっとだけ言い返せるようになる本』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
セルフイメージを書き換える
これをお伝えするとショックを受ける方も多いのですが、皆さんにいい方向に変わっていただきたいという気持ちを込めて、あえて厳しいことをお伝えします。
どんな環境下でも攻撃されやすい人は、自分自身が自分のことを一番嫌っています。
能力が劣っているから、価値がないから、容姿が劣っているから、性格が悪いから。
そんな自分だから、何をやっても嫌われる。気持ちがわかってもらえない。人から目をつけられたり、攻撃されたり、理不尽な扱いを受けたりしても仕方がない。
そんな風に自分の存在価値を決めつけてしまっています。
そのようなセルフイメージをもち続けている限り、環境が変わって人間関係が変化しても、あなたはあなたがもち続けているセルフイメージに沿った扱いを、周囲の人から受け続けることになります。
私自身は親から「鈍臭くて勉強や仕事の覚えが悪く、どこにいっても怒られるから、人の3倍努力して人並み」ということを言われ続けて育ちました。親は良かれと思って努力の大切さを諭すために言ったのでしょうが、私自身は文字通り受け取ってしまい、このセルフイメージ通りに失敗を繰り返し、人の3倍努力してようやく人並みという結果しか出せませんでした。
ここまで読み進めてきた頑張り屋さんの皆さん。
自分の能力を下げてしまうようなセルフイメージからそろそろ卒業しませんか?
セルフイメージは書き換えることができます。
自分の価値を見つめ直して、自分の価値を再発見、再定義することがスタートです。
自分の尊厳を踏みにじる振る舞いに対して、私はそんな理不尽に甘んじるような人間ではないと、まずは自分で気づくことがスタートになります。
心の声を変え、過去と決着をつけて不安を取り除く
不安はあなたの生きるエネルギーや、冷静な判断力を奪う元凶です。
そもそも不安を感じなければ、攻撃してくる相手に対して無関心でいられます。
攻撃してくる相手に対して抱える不安。相手はあなたのその不安を敏感に察知して攻撃してくるということを先にお伝えしました。
この「不安気質」をなくすにはどうしたらいいのでしょうか?
それは不安になった時に自分の心の中で流れる自分の声を変えてしまうことです。
名付けて「スネ夫ボイス」。
ドラえもんに出てくるキャラクター・スネ夫の声に変えてしまうのです。
・心の中に流れる自分の声を変えれば不安は消える
自分が一番聞いている人の声は実は「自分の声」です。
「今日も攻撃されたらどうしよう。攻撃されませんように」
「向こうから課長がやってきた。また嫌味を言ってくるだろうな。怖いな」
私たちは心の中で自分に向かって質問し、答えるという会話を繰り返しています。
そして、不安や恐怖の感情がより強くなっていきます。その結果、それが態度や言動にまで表れて、相手に攻撃のきっかけを与えてしまうのです。
つまり不安を引き起こすのは心に浮かぶあなたの声なのです。
「そんなことを言っても、自分の声は勝手に頭の中に思い浮かぶのだからしょうがない」というあなた。
心の中で発したまさに今のセリフ。そのセリフを思い浮かべたことで、あなたは不安を感じたり、イライラしたりしませんでしたか?
「心の声」が「あなたの心を牛耳っている」ということが理解できるはずです。
ということは「心の声」を変えたら、不安は消える、もしくは不安は軽減される可能性があることにも気づいてほしいのです。
・ひとはなぜ自分の声が発した内容を信じてしまうのか?
答えは簡単です。それは自分の声だからです。
良いことも悪いこともすべて、自分の声だからこそ信じてしまうのです。
では、もしその声がスネ夫の声ならどうでしょうか?
あなたの心に影響を与えない声のキャラクターをイメージするのです。
子供の頃に見ていたドラえもんのキャラクターの中で、私はスネ夫が嫌いでした。
ずる賢く、お金持ち自慢をし、ジャイアンの腰巾着で話す言葉が信用できませんでした。(映画に出てくるスネ夫やジャイアンはとてもいい奴で好きですが)
あなたがスネ夫が好きなら、ちがうキャラクターを選んでいただいて構いません。
【ワーク】心の声を加工する「スネ夫ボイス」ワーク
あなたが不安を感じる時に、頭の中に思い浮かぶセリフを文章にして書き出してください。
「昨日の契約がうまくいかなかったことを報告にいかなきゃ。またネチネチと嫌味を言われそうだ。何も答えられなかったらどうしよう」
「最悪だ、どうせまた何を言っても認められないし、揚げ足取りばかりされる」
自分の気持ちが下がってしまうセリフを、まずは10個ほど書き出してみてください。
その上で、その「心の声」に加工を施していきます。
自分の声でこれらセリフを聞くのと比べ、スネ夫の声で聞いても、不安をそれほど感じないのではないでしょうか。
このワークは、不安や恐怖や緊張などマイナスの感情が出てくるたびに試してみてください。
自分の声を聞いて自動的に不安になるという負のスパイラルから抜け出すことができます。
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会社員時代、上司や顧客からの理不尽な依頼や要求に対し、断れない、言われっぱなしで追い込まれる状況を何度も経験、鬱状態になる。その危機感からコミュニケーションを研究。相手を怒らせることなく自分の言いたいことが言え、自分の心も強くなる「ポーカーボイス&トークメソッド」を開発。過去の自分と同じ悩みを抱える人向けにワークショップ等を開催し、好評を博する。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。