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住宅金融支援機構が2014年10月7日に発表した『平成26年度下半期における住宅市場動向について』によると、住宅取得検討者の7割超が「平成26年度下半期は住宅の買い時」という調査結果が出た。この調査結果はどのような消費者マインドを示唆しているのか、本稿ではその理由及び理由の真偽について検証していく。


買い時である主な理由は金利と消費税

この調査では、「平成26年度下半期は住宅の買い時だと思いますか?」という問いに対し、「買い時だと思う」が72.3%。「買い時だと思わない」が27.7%となった。平成26年2月の前回調査では、「買い時だと思う」回答の割合が75.7%であり、若干の減少している。

また、買い時と思う主な要因は下記の3点で、 金利と増税が主な要因を占めている。

(1)住宅ローン金利が低いから(64.3%)

(2)今度消費税が10%に引き上げられる予定だから(49.4%)

(3)今後住宅ローン金利が上がると思うから(27.4%)


住宅ローン金利は過去最低水準

続いて、金利の動向について見ていくと、住宅ローン金利は過去最低基準にある。住宅金融支援機構の「フラット35」の金利は、返済期間25年以上、融資率9割以下の条件で1.650%~となっており史上最低となった。変動金利についても、ソニー銀行が新規購入で自己資金10%超を条件に0.757%~という住宅ローンプランを設定しており、住宅ローン金利は過去最低水準にあることは間違いない。


消費税8%→10%の影響

では、消費税が8%→10%になった場合、住宅購入価格はどのくらい変わるのだろうか?2013年の首都圏新築マンションの平均購入価格4,168万円の物件を購入した場合で、消費税額を比べてみる。

不動産にかかる消費税は建物にかかり、土地にはかからない。上記マンションのうち、土地と建物の割合が4対6とすると、建物代は約2500万円となりその8%は約200万円。10%は約250万円となり、消費増税により50万円の負担増となる。ローンで金額が増えた分を賄うとすると、2%の金利では約70万円が新たに必要となる。当然、消費税10%が予定される2015年10月までに50万円頭金を増やしてローン借入額を50万円減らせれば、負担は回避できる。要は1年間に増税分を超える頭金を用意できるなら、消費税増税の影響はない。


建築費の推移は

買い時と思う主な要因トップ3には入っていなかったが、建築費の変動は考慮すべき要因である。一般財団法人建設物価調査会が発表している主要建築資材の価格推移では、H型鋼が平成26年2月~6月に83,000円/tを付けたが、若干下落し現在は81,000円/tで横ばい傾向にある。一方、セメント価格は7月に前月比+200円の10,500円であり、これも横ばいだ。一方、労務費は国土交通省の資料によると、平成26年度は公共工事で15%発注単価を増やしている。添付資料によると、東日本大震災以降慢性的な人手不足が続き、就労者の平均年齢が高いことから、景気が減速しなければ上昇傾向は続くだろう。

(提供:不動産 online)

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