この記事は2023年7月12日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=wutzkoh/stock.adobe.com)

2023年7月12日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は先週7日(金)の144円台から139円台まで円高が加速している。もともとIMM通貨先物ポジションは7月頭時点で円売りポジションが記録的な高水準であり、円の決済買い戻しが出やすくストップを巻き込みやすい地合いだった。

そんな中、7日(金)に発表された日本の賃金上昇率が事前予想より高く、日銀当局者から緩和修正に含みを持たせる発言が伝わったことなど、日銀緩和修正に絡む思惑が円高のトリガーになったのだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日銀政策金利決定会合は7月末だが、海外勢を中心に政策変更、つまり円高へベットする動きが加速している。会合までにYCC修正などを明確に否定するに足る材料が出なければ、円高の流れが続くかもしれない。

一方、今週は本日12日(水)米CPIをはじめ、明日13日(木)米PPIや明後日14日(金)にはミシガン大指標の期待インフレ率など、米国の物価に絡む経済指標が相次ぐ。本日12日(水)の米CPIは前年比+3.1%まで鈍化するとの市場予想だが、エネルギー価格下落の影響が大きいため、コア指数の注目度が高いだろう。

指標なので出たとこ勝負にはなるだろうが、米ドル/円はここ数日の下げ幅が大きいため、インフレ下振れによってドル安となる場合は、ストップを巻き込む形で飛距離のある下落になる可能性はある。とはいえ、米CPIの後も物価指標が連日発表されるため、短期的なトレンド転換、局地的なボラティリティの上昇には備えておきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。