こんな中古マンションは長期保有が向いている

「どこまでも長期保有派」のメリットは、ローン完済後、家賃収入の大半がそのまま収益になることです。もちろん、修繕積立金や管理費、税金などの経費はかかりますが、ローンの支払いがなくなった分、一気に利益率が高まります。

とくに「立地が良く、 入居者が決まりやすく、管理が良い」の三拍子が揃う中古マンションは経営が安定しやすいため、長期保有を考えてもよいでしょう。

同じ入居者が長期入居しているマンションも安定しているため「長期保有」が賢い選択です。中には、 数十年間も同じ人が入居し続けている物件もあります。こういった理想的な物件は、住宅設備の交換くらいで大きなリフォーム代がかからず、さらにハウスクリーニングや入居者募集にかかる費用も発生しません。

逆に言えば、 入居者が頻繁に替わり、空室期間が長い「高コスト×低リターン」のマンションはある程度のところで見切りをつけて売却する判断も必要ということです。

長期保有派は、経年劣化に伴う諸費用アップに要注意

「どこまでも長期保有派」のデメリットは、長期保有をしているうちに建物が傷んできて、管理費や修繕積立金が高くなりやすかったり、リフォーム費用が膨らみやすかったりする点です。

ただし、単純に「築古=メンテナンス費用が多い」ということではなく、管理の質が良いマンションなら築年数が経ってもコストが増えないこともあります。

売却を繰り返していくことで経営の規模拡大・安定化も

「タイミングを見て売却派」のメリットは、「購入した中古マンションを売却→さらに有利な中古マンション購入」で経営を安定化させたり、利回りを高めていけたりすることです。

一例では、はじめに購入した郊外の中古マンションを売却し、都心の駅近マンションに買い替えて、より安定した経営環境をつくると言った具合です。また中には、 区分マンションを買い替えながら保有数を増やしていき、一棟マンションに集約する投資家もいます。

売りにくい不景気の時期の売却はなるべく避けたい

「タイミングを見て売却派」の生命線は、売却するタイミングです。ここを誤ると利益率を下げる原因になってしまいます。

では、売ってはいけないタイミングというのは、いつでしょうか?不動産の価格は好景気の時に上がり、不景気の時に下がるのが基本です。不景気になって漠然と不安を感じ、安値で売却をする…これはもっとも避けたいパターンです。利益率を維持するには、買い手が魅力を感じるタイミングでの売却が原則になります。

減価償却の切れ目が縁の切れ目…の選択も

売却のもうひとつの目安は「減価償却期間の終了」です。減価償却費は、確定申告時に経費として計上することができ、それによって節税効果が見込まれます。

マンション購入で減価償却の対象となるのは「建物」と「住宅設備」がありますが、建物は償却期間が長く(RC造で47年)、給排水や電気関係の住宅設備は短く(15年)設定されています。

例えば、購入時に大がかりなリフォームをした場合、住宅設備の減価償却が終わる15年で節税効果が落ちてくるため、売却を考えるタイミングになります。あるいは、築古マンションを購入した場合は、償却期間が短いので早めの買い換えが合理的ということになります。新しい中古マンションを購入すれば、また減価償却費を計上することができます。

長期保有か売却かは物件ごとの判断が望ましい

「タイミングを見て売却派」のデメリットとしては、売却時のロス(手数料や登記費用など)が発生することが挙げられます。また、5年以内の短期で売買をすると、所得税・住民税の負担が約40%と高負担になってしまい、経営効率を圧迫する要因になります。

このように、「長期保有派」と「タイミングを見て売却派」には、それぞれメリット、デメリットがあり、一概にどちらが有利とは言い切れません。自分はどちら派と決めつけず、物件ごとに判断するのがベストでしょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部
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