会社の資金繰りを楽にするには、キャッシュの管理が欠かせない。帳簿上の数字も重要だが、特に資金力が限られた中小企業は、キャッシュフロー経営も意識する必要がある。従来手法からの脱却で何が変わるのか、キャッシュフロー経営の概要を押さえていこう。
目次
キャッシュフロー経営とは?
キャッシュフロー経営とは、手元資金を増やすために「キャッシュの流れ」を重視した経営手法である。簡単に言い換えると、資金の回収サイトを早めると同時に、支払いサイトを遅らせる手法であり、資金繰りを改善できる戦略として注目されている。
従来の経営手法では、利益の源泉となる仕入れや売上が重視されていた。成長を目指す上でこの考え方は間違っていないが、大量の仕入れなどによって手元のキャッシュが減ると、資金力の乏しい企業は経営できなくなる恐れがある。
どれだけ売上があっても、手元資金がない企業は仕入れや税金の支払いに対応できない。経営戦略の幅も狭まるため、キャッシュフローに目を向けることは必須と言える。
キャッシュフロー経営のメリットは自由度が上がること
キャッシュフロー経営に取り組むと手元資金が増えるため、経営の自由度が高まる。新たな設備投資や海外進出など、目的に合わせた経営戦略を選べるようになるだろう。
細かく見るとどのようなメリットがあるのか、以下では代表的なものを紹介する。
<キャッシュフロー経営のメリット>
・黒字倒産や資金ショートを防ぎやすくなる
・社会的な信用度が上がり、資金調達のハードルが下がる
・過剰投資の防止につながる
上記のほか、デフレに強い体制を築ける点もキャッシュフロー経営のメリットだ。デフレ時には相対的に貨幣の価値が上がるため、手元資金が多いほど有利な状況になる。