この記事は2023年7月19日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年7月19日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。
現在の為替相場の傾向や相場観
日銀のYCC修正に絡む思惑が為替相場を動かしている。
今月7日(金)に内田日銀副総裁のインタビューが伝わり、この2週間で米ドル/円は144円から137円台へ下落。しかし、昨日18日(火)、植田日銀総裁が「2%インフレ達成には距離がある」と話したことで米ドル/円は139円台へ反発している。
実際に政策修正するかどうかは来週の会合の結果次第だが、21日(金)日本CPI(全国)や事前の観測報道など、政策修正のヒントになりそうなヘッドラインに敏感な相場が続くだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円はすでに高値から7円程度下落した水準であり、さらにダウンサイドを攻めるには日銀の政策修正が実際に行われる強い根拠が必要だ。
そうした中、このタイミングで植田日銀総裁から緩和継続を連想させる発言が出たということはマーケットの政策変更期待を剥落させたい狙いがあるのだろう。そうであれば政策変更を材料に売っていくにはリスクが高く、短期的には反発すると考える方が合理的だ。
いずれにしても、日銀への注目度は直近の会合と比べて高いため、観測報道や要人発言などのヘッドラインが伝われば、1~2円動くような相場を想定しておく必要があるだろう。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。