コンサル銘柄の特徴

コンサルティング業界の全世界の市場規模としては10〜20兆円と推計され、そのうち米国の市場規模が6〜10兆円を占めるといわれている。

コンサルティング業界の定義は曖昧であるが、IDCジャパンの調査によれば、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)およびビジネスコンサルティング(BC)で構成される『国内ビジネスサービス市場』は、2013年で約8,900億円だったが、2016年には1兆円を超え、2017年には1兆516億円になる予測だ。2012年からの予想年平均成長率は4.2%となる。

市場における主なプレイヤーは以下のとおり。

①戦略系コンサルティング・・・グローバルな展開を行っており、経営組織・人事・ITなどの切り口でサービスを提供。世界的にはマッキンゼー&カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループなどが有名。

②IT系コンサルティング・・・IT戦略立案・システム化構想策定、システムインテグレーションやIT業務自体のアウトソーシングまで幅広く行っている。SAP、IBMビジネスコンサルティングなど。

③シンクタンク系コンサルティング・・・経済調査、官公庁向けリサーチ企業向けITコンサルティングなど行っている。野村総合研究所、日本総合研究所、三菱総合研究所などが有名。

④人事・組織系コンサルティング・・・人事戦略の策定、人事制度の設計・構築、組織風土の変革など、人事関連の課題に特化してサービスを提供。リンクアンドモチベーションなど。

スマートフォンなどの爆発的普及や世界的なIT社会の進展により新たに“ビックデータ“の活用が注目されている。


コンサル関連銘柄の魅力

魅力①:市場の成長性
GDPに占めるコンサルティング業界の市場規模は、米国に比べて日本は1/10以下という調査結果もあり、日本でのコンサルティング活用の割合はまだまだ低い。顧客企業は国際競争の激化やグローバル展開、経営統合や事業再編などに際して高度で専門的なノウハウや支援を求めており、今後も市場規模の拡大が見込まれる。

魅力②:国や地方公共団体の活用
米国では国に代表される公共機関でのコンサルティングの活用が非常に進んでおり、マッキンゼー&カンパニーなど世界的企業を輩出している。保守的文化である日本でも少子高齢化・医療費増大などで公共機関の予算は限られており、公共サービスの効率化や民間へのアウトソーシングは避けて通れず、新たなビジネスチャンスが増加が見込まれる。

魅力③:ビックデータの活用
スマートフォンの爆発的普及や世界的なIT社会の進展により新たに“ビックデータ“が蓄積されており、その活用が注目される。コンサルティング業界では野村証券系のSI。システム開発・運用の一貫体制。顧客は金融機関と流通業が中心であり、金融ITソリューション事業の売上が全体の6割を占める。
ITを活用したサービスを提供する企業が多く単なるデータを”戦略的なツール“として活用することで、新たな成長の原動力として期待される。


コンサル銘柄のリスク

コンサルティング業界も競争が激化しており、特にITベンダーなどが単なるシステム構築から業務プロセス自体の運用を受託するBPOに進出してきている。IBM、SAP、NTTデータ、日立製作所、NECなど大企業グループが続々と参入しており、特徴のないサービスを提供している企業には厳しい価格競争による利益率低下などのリスクが高まっている。


SI系コンサルティング関連銘柄

SI(システムインテグレーション)とは、顧客の業務内容を分析し、問題に合わせた情報システムの企画、構築、運用などを一括して行うこと。SIを中心としたコンサルティング会社は、従来のシステム納入を中心とするものから、現在はシステムの保守・運用等、顧客のビジネスプロセス全体を受託することに注力している。外資系や大企業のシステム子会社など多様なプレイヤーが総合力を競っている。

①野村総合研究所 <4307>
野村証券系のSI。システム開発・運用の一貫体制。顧客は金融機関と流通業が中心であり、金融ITソリューション事業の売上が全体の約6割を占める。

②伊藤忠テクノソリューション <4739>
総合商社伊藤忠系のSI。海外IT機器の販売を出発点にソフト、サービスに注力。保守・運用を拡大。

③ITホールディングス <5250>
独立系SI大手。2008年にTISとインテックホールディングスが合併して誕生。クレジットカードなど金融向けが主。TIS、インテックなど約50社のグループ企業から成る。

④NTTデータ <9613>
SI専業最大手。NTTグループ。旧日本電信電話公社のシステム本部だった生立ちから省庁、金融機関向け大型システム受託に強み。国内外でのM&Aに積極的。


コンサルティング専業関連銘柄

コンサルティングサービスの提供を専らとする企業。日本国内ではITシステムの導入のトリガーとしてコンサルティングを補助的に提供する企業が多いが、海外ではマッキンゼー&カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループなどが有名。日本でも近年、規模は中堅だが特定分野に強みを持つ特徴的な企業が上場を果たしており、独立的な立場からサービスを提供している。

①リンクアンドモチベーション <2170>
組織・採用戦略など経営コンサルが主。PC教室AVIVA、資格取得教室の運営も。中国に展開。

②GCAサヴィアン <2174>
独立系M&Aアドバイザリーファーム。米国関連案件強い。アジアも強化。日本企業か係るM&Aにおいて、アドバイザリーとしてのランキングで上位にランク。

③船井総合研究所 <9757>
経営コンサル大手。住宅・不動産業界などに強い。2014年7月会社分割で持株会社制に移行。ベンチャーキャピタル投資からは撤退し、コンサルティングに経営資源を集中。

【関連記事】
稼ぎ時を迎える小売業界で注目は?…クリスマス関連銘柄
NISA、2016年から投資枠拡大へ…こども版NISAにも注目!
中国富裕層が日本商品を『爆買い』 恩恵を受ける業界は?
日経新聞や日経各紙(産業・MJ)、四季報まで全て無 料!?『情報の宝庫』を入手する裏ワザとは?
外貨両替手数料が1/100??海外旅行者必見の両替節 約術とは