経営者にとっては「読書」と「漫画(マンガ)」、趣味としてはどちらがベターだろうか。一般的には読書の方が知的で自己成長につながるイメージがあるが、マンガも経営者の趣味としてナシというわけではない。メリットに気がつけば、むしろ「アリ」と考える人の方が多いかもしれない。
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経営者にとって「読書」は重要だが、マンガは?
読者の効能は確かに注目に値する。よく強調されるのは、さまざまな人の考え方や生き方を「疑似体験」することができることや文字の情報から脳内でイメージや映像を思い浮かべることで脳の強化にもつながる、といった点だ。
さまざまな視点が必要であり、かつ深く思考することが成功のために非常に重要である経営者にとって、確かに読書のこれらの効能は大きなメリットととらえることができる。
しかし、「さまざまな人の考え方や生き方を疑似体験できる」という観点では、マンガでも作品によっては同じような効果が得られる。人気書籍の中には反骨精神やモチベーションを養う作品も多いが、それはマンガにおいても同様だ。
また、「文字の情報から脳内でイメージや映像を思い浮かべる」といったことは、確かにマンガを読むことを通じてはできないが、マンガにおいても描かれていないコマとコマの間の状況や動きを無意識のうちに頭の中で画像化、映像化している。
マンガだから脳を鍛えることができない、というのは一方的すぎる考え方と言えるはずだ。
マンガには「読書」を超える効能も
ここまでは「読書の効能」を起点に、マンガにも同様もしくは類似の効能がないかを考えたが、一方、マンガには読書にはない効能もある。
たとえば、テキストとしてではなく画像としてストーリーが展開されているため、読む人の直感や心情に瞬間的に働きかけるパワーという観点では、マンガに軍配が上がる。
文字情報中心の書籍の場合、その内容が人間の本能を刺激するまでには、「読解」という過程が欠かせない。そのため、マンガに比べて直感や心情が刺激されるまでには、より多くの時間がかかる。
いずれにしても、趣味としての読書にもメリットがあり、趣味としてのマンガにもメリットがあることから、総合的にどちらが優れていると言い切ることは難しい。