CRMとは?導入するメリットや選び方、活用のコツを解説
(画像=MikhailPiatrou/stock.adobe.com)

CRMはCustomer Relationship Managementの略で、日本語では「顧客管理システム」を意味します。CRMは、MA(Marketing Automation)やSFA(Sales Force Automation=営業支援システム)と並ぶ顧客情報管理ツールとして、現在は多くの企業・組織で用いられています。営業活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためにも、CRMの導入は効果的で、これから導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。「どのツールを導入すればいいかわからない」「具体的にどんな機能があるのか?」とお悩みの方のために、本記事では、CRMの基礎知識から導入するメリット、活用のコツを解説します。

目次

  1. CRMとは?CRMの仕組み
  2. SFA・CRM・MAの違いとそれぞれのできること
  3. CRM普及の背景と4つの要因
  4. CRMを導入するメリット
  5. 顧客管理システム(CRM)を選ぶ3つのポイント
  6. CRMによる顧客戦略を加速させる3つのコツ
  7. CRMを導入するならSalesforceがおすすめ

CRMとは?CRMの仕組み

CRMは、わかりやすく説明すると「企業と顧客との接点や関係性を管理する」システムです。CRMはさまざまな機能をありますが、顧客にかかわる情報を一元管理が可能になります。近年のCRMシステムは、クラウド上で利用できることもあって低コストで導入する事ができるようになりました。そのため、導入を検討する中堅・中小企業が増えています。

従来は、企業に対して専任の営業担当者が存在し、サービスを届けていました。しかし、今後労働人口が減少していくことや、顧客のニーズが多様化したことで管理する情報が多くなり顧客に対して適切なアプローチができなくなる可能性があること、デジタル化による効率化や自動化が叫ばれていることからCRMの需要が高まっています。

CRMは、「優れた製品・サービスを持っていても、それを購入する顧客がいなければビジネスは成り立たない」という考えを元にしているところが特徴で、顧客との関係構築・強化や、顧客ステータスに応じた適切な営業を目的としています。そのため、顧客の担当者名・企業名・部署名・メールアドレス・住所・商談履歴などの顧客情報や接点について、細かく記録することができます。

SFA・CRM・MAの違いとそれぞれのできること

CRM

CRMとSFA、MAはよく比較され、また混同されがちなツールですが、マーケティング活動から受注までのプロセスでそれぞれの担う範囲は異なります(重なるところもありますが)。ここでは、「SFA」「CRM」「MA」の違いと、得意とする分野について解説します。

CRMの特徴|顧客との関係を強化するならCRM

「CRM」はCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略で、「顧客管理システム」と呼ばれますが、意味としては「顧客関係を管理するもの」ということになります。顧客との良好な関係構築を目的としています。

インターネットが普及した現在では、以前とは売り手(企業)と買い手(顧客)の関係が異なっています。以前は多くの顧客にとって、商品やサービスの情報は企業からの広告など手段が限られており、判断の基準が狭くなっていました。そのため対面での営業も双方にとってメリットがありました。

しかし現在は、見込み顧客は購入するかどうかを判断する際、自ら商品・サービスの情報を積極的に収集し、価格などを比較することも容易になりました。インターネット上での情報収集からオフラインでの展示会の参加など、見込み顧客は商品選択までに多岐にわたるプロセスを経ます。そのため、企業から顧客へのアプローチは、顧客に合わせたタイミングや商材を選ぶ必要があり、戦略なしに営業活動を行ってもアポイントの獲得や受注が難しくなっています。

これらの要因から、企業は顧客ニーズを大量のデータをもとに細かく分析し、最もその顧客が欲しい最適のタイミングを図り、嫌がられない最適な手法でアプローチしなければなりません。この手法は、顧客の行動情報を集めることとその分析が必須となります。

こうして、自社商材に興味を持ってくれる確度の高い見込み顧客を見つけ、その購買意欲を育てるような関係性を構築・維持して、顧客のニーズが顕在化した時点で購入に至ってもらえるよう、はたらきかけることが重要視されています。

CRMは、顧客それぞれの担当者名・企業名・部署名・メールアドレス・住所・商談履歴などの顧客情報や接点について細かく記録することができます。これを一元管理し、さまざまな商談のステージで、関連する社員がすぐにその顧客の情報を引き出し、現在のステータスを確認できるようになっています。

SFAの特徴|効率的な営業を行うならSFA

「SFA」はSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略で、日本語では営業支援システムと呼ばれ、効率的に営業活動を行うことを目的としています。商談成立までの営業活動に必要な情報を記録することができ、顧客と良好な関係を築くことができるようになります。

顧客や案件の管理、レポートの作成など営業活動に必要な情報を確認できます。蓄積したデータをもとにどのような営業戦略を立てたらいいか分析できるのもメリットの一つです。

MAの特徴|リード(見込み顧客)育成ならMA

「MA」とはMarketing Automation(マーケティングオートメーション)の略で、手間のかかるマーケティングを自動化することを目的としています。

MAツールはリードの獲得・育成から商談に至るまでのプロセスをサポートすることができるので、SFAやCRMと合わせて利用されることが多いです。たとえば商談数は多いものの、成約数が少ないなどの課題を感じている場合は、MAツールを利用してリードナーチャリングを行うと、その課題を解決できるかもしれません。

CRM普及の背景と4つの要因

CRMツールを導入する理由として下記を挙げる企業が多くなっています。

  • 国内市場が価値観の多様化により変化している
  • 既存顧客を他社に奪われる状況
  • LTV向上とロイヤルカスタマーの創出
  • ひとりの担当営業では十分な顧客対応ができなくなっている

それぞれの背景について解説します。

1.国内市場が価値観の多様化により変化している

時代と共に市場や価値観は変化していますが、現代では変化の速度や度合いが大きくなっています。

高度成長期やバブル期は、今と比較して新規顧客獲得が非常に簡単でした。既存顧客を他社に奪われても、さらに高品質・低価格な商品を作れば取り戻す事ができましたし、顧客の情報収集もテレビなどのメディアがほとんどでした。

しかし、現在では、新規顧客を獲得することはもちろん、既存顧客を維持することも企業にとっては難易度の高い課題となっています。そのため、CRMを利用してクライアントごとに異なる事業戦略や経営状況、組織体制をデジタルで把握し管理しています。このように管理することで顧客と良好な関係を築き、自社サービスや商品を購入してもらうことができるのです。

既存顧客を他社に奪われる状況

最近では、顧客の考え方も変化しており、商品やサービスの魅力、トレンドなど、様々な要素から継続して購入するかを検討しています。つまり、昔よりも他社に切り替えるかどうか検討する回数が増えているということです。

そのため、CRMを利用して顧客の考え方の変化や購買意欲に対応する企業が増えています。CMSを利用することで、顧客企業ごとのパーソナライゼーションによる満足度向上や顧客単価増加も見込むことができます。

LTV向上とロイヤルカスタマーの創出

一般的に新規顧客の獲得は、既存顧客より難易度も高く、人的リソースも必要となり「獲得コスト」が高くなる傾向にあります。既存顧客からのLTV(Life Time Value:ライフ タイム バリューの略、「顧客生涯価値」の意)を向上させながら、「ロイヤルカスタマー(企業やブランドに信頼を寄せてくれている、売上に対する貢献度の高い顧客)」を産むことで売上のベースを上げることができます。

LTV向上とロイヤルカスタマーの創出には、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)が重要になりますし、最適なタイミングで最適な提案をすることが重要になります。顧客体験を高めることで関係を良好に継続するためにCRMの注目が高まっています。

ひとりの担当営業では十分な顧客対応ができなくなっている

情報化社会の影響で、昔と比較して、顧客との「接点」は増加傾向にあります。そのため、顧客との関係を一元管理できるCRMを導入しチームで対応することが重要視されてきています。

また、マーケティング部門と営業担当で情報が連携されておらず、担当者が変わったときに顧客に満足度の高い営業活動ができていないという課題を抱える企業も多いです。そのような課題もCRMツールを導入することで解消できます。

他にも属人性の排除、デジタルツールによる業務効率化や対応品質の底上げ、抜け漏れや事故の防止などにもCRMが大きな効果が期待できます。

CRMを導入するメリット

CRMを導入すると、次のようなメリットがあります。

  • 情報をリアルタイムで共有できる
  • 営業業務の効率化でコア業務に専念できる
  • 属人化から脱却しチームプレイに移行できる
  • 顧客満足の向上によって、自社の利益が高まる

一つずつ解説します。

情報をリアルタイムで共有できる

CRMを利用することで、情報をリアルタイムで共有することができます。その結果、迅速なフィードバックが可能となり、営業の成果を出しやすくなります。

CRMを導入すると、他部署との連携がスムーズになるというメリットがあります。よくある課題点として、マーケティング部門と営業部門連携が足りていないということが挙げられます。具体的には、マーケティング部門が見込み顧客を営業部門に送客しているのに、なかなか売り上げに繋がらないというような課題です。

営業を「見える化」することで、見込み顧客の確度を引き上げてから営業部門に渡す、マーケティング部門が入力した見込み客の情報を確認してフォローアップ営業をするなど、チームで成約を目指す行動が増えます。結果的に効率的に営業活動ができ、また部署間のコミュニケーションも活発化するでしょう。

営業業務の効率化で案件管理の質を向上、コア業務に専念できる

CRM(およびSFA)で案件管理を行うことで、今まで個別の担当者しか把握することができなかった案件を「見える化」することができます。「誰が」「いつ」「どのような方法で」顧客と接点を持ったかを記録できるので、全てのタッチポイントを把握できます。

また、営業の現場では一つの取引先に対して複数の案件や商談が走ることもあります。そのような場合でも、取引先ごとに情報を集計することができるので、顧客のニーズや注意点を共有することも可能です。

さらに、CRMを活用することで営業効率の向上も見込めます。具体的には、初回訪問、プレゼンテーション、クロージングなどの営業フェーズ移行率を出すことができます。その結果、活動の可視化が行われ、「クロージングが強引だったから受注率が低かった」などの分析が可能となり、営業効率を上げるような行動を指示する事ができるようになります。

属人化から脱却しチームプレイに移行できる

営業成績の良い社員のノウハウもデータも蓄積することもできるので、営業チーム全体の成績向上の効果も見込めます。うまくいかない原因や解決策、成功させるためのポイントを可視化できるのもCRMを導入するメリットのひとつです。

顧客満足の向上によって、自社の利益が高まる

CRMを活用することで、継続的にコミュニケーションを取ることができるため、顧客の満足度、企業への信頼度の向上が可能になります。その結果、顧客のLTVやアップセル、クロスセルの機会も増加して、結果的に自社の利益となって反映されます。

顧客管理システム(CRM)を選ぶ3つのポイント

優れた機能をもつCRMですが、現在はさまざまなサービスがあり、それぞれに特徴があります。せっかく導入しても使いこなせず、元の古いシステムに戻ってしまった…という話も聞かれます。導入の前に、以下のポイントをおさえておきましょう。

必要な機能を洗い出しておく

CRMそのものが自社にとって本当に必要なのかどうか含めて、必要な機能を確認します。その際に自社の従業員が実際に扱えるのかどうかも確認する必要があります。よって、実際の導入前にトライアルができるかどうか、どの程度の期間、実際に使えるのか、などを確認しましょう。

サポート体制を確認する

自社の従業員のレベルにフィットしなくても、ベンダーのサポート体制が充実していると安心です。またわからないことはすぐ教えてもらえるので、自社の社員が知識やスキルも獲得できるなどのメリットがあります。導入後にどのようなサポート体制があるのかが重要であることは重要です。

他システムと連携できるか確認する

SFA、名刺管理ツール、MAはもちろん、既存の自社システムとの互換性を必ず確認しましょう。CRMという名前で提供されていても、実際は狭い範囲の情報共有しかできなかったとなれば導入する意味がありません。自社に必要な機能の洗い出しとコストを比較して、入念に精査しましょう。

CRMによる顧客戦略を加速させる3つのコツ

CRMツールを効果的に活用するためには3つのコツがあります。

  • 明確な目標を立てる
  • 戦略を決める
  • 評価指標を決める

一つずつ解説します。

明確な目標を立てる

ツールを導入するときには、そのツールを導入する明確な目標を決めましょう。「毎月の売上を20%上げる」などの具体的な数値を交えた目標だと、戦略も立てやすくなります。

戦略を決める

目標を決めたら、どのようにしたら目標を達成できるか戦略を決めましょう。自社が提供している製品・サービスの特徴や弱みなど、今ある情報から戦略を組み立てる事が大切です。分析の方法としては、次のような方法が挙げられます。

  • 3C分析
  • PEST分析、5F分析
  • SWOT分析
  • 4P分析
  • MECE

評価指標(KPI)を決める

戦略を立てたら、効果検証の評価指標(KPI)を作成しましょう。メールマーケティングを行う場合は、「50%開封されたら成功」というような基準を定めて、アクションを決める事が大切です。評価指標(KPI)の具体例としては次のようなものが挙げられます。

  • マーケティングでのKPI
  • 新規顧客獲得数
  • リピート率
  • 顧客満足度
  • PV数
  • 直帰率
  • 営業でのKPI
  • アポイント件数
  • 成約率
  • リピート率
  • 平均受注単価
  • 個人営業売上高

評価指標を決定することで、個人の営業成績を可視化できる他にも業績に応じた人事評価ができるようになります。

また、複数の評価指標を決めることで、目標達成できなかった際に課題を見つけることができます。例えば、アポイント件数は達成している一方で成約率が低い場合には、商談中に課題があることがわかります。

CRMを導入するならSalesforceがおすすめ

CRMには様々な種類がありますが、その中でもSalesforceの導入がおすすめです。

Salesforce(セールスフォース)は、セールスフォース・ドットコム社が提供する世界No.1シェアを誇る顧客管理(CRM)ツールです。Salesforceは、マーケティング、セールス、コマース、サービス、ITの各チームがどこからでも一体となって仕事ができるように支援し、顧客一人ひとりの情報を一元的に共有できます。

操作性および視認性の高いUI、優れたワークフロー、ユーザー認証機能に加え、プログラミングの知識不要でアプリケーションを開発できる機能があることから、会社の規模やビジネスモデルに応じてカスタマイズすることが可能です。

営業管理を目的とするなら、Salesforceの製品の一つであるSales Cloudの導入がおすすめです。月額費用を次の表にまとめたので参考にしてください。会社の規模やビジネスモデルに応じてカスタマイズをしたいとお考えなら、Enterpriseプランがおすすめです。

プラン月額費用ターゲット
Essentials3,000円10ユーザまでの中堅・中小企業向けお試しプラン
Professional9,000円あらゆる規模のチームに対応できる標準のプラン
Enterprise18,000円自社の用途によって自由にカスタマイズできるプラン
Unlimited36,000円全プランの機能を備えサポート無制限で受けられるプラン
引用:https://www.salesforce.com/jp/editions-pricing/sales-cloud/

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