本記事は、越川慎司郎氏の著書『最強の時短仕事術46』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネスマン
(画像=maru54 / stock.adobe.com)

イライラを乗り越えて冷静さを手に入れる

時短仕事術を実践する際、最も重要なのは「冷静さ」を保つことです。プレッシャーやストレスが高まり、焦りやイライラが頭を覆うと、仕事の効率は著しく低下します。このような状況では、本来の目標を見失い、思考が停止してしまいます。目の前の仕事に集中しすぎて、全体像を見ることができなくなり、結果として、本来ならば先延ばしにしても問題ない作業を無理に進めてしまったり、逆に重要な作業を後回しにしてしまうといった事態が生じます。

こうした焦りやイライラは、エネルギーの浪費であり、自身の集中力を削ぐだけでなく、他者との関係にも悪影響を及ぼします。特にチームでの作業においては、怒りながら指示を出すと、相手との協力関係を壊す可能性があります。冷静な判断を優先し、お互いに利益のある関係を築くことで、作業はよりスムーズに、そしてより早く進むのです。

それでは、どのようにして冷静さを保つことができるのでしょうか。1つの方法は、デジタルデバイスから離れることです。特に朝、起きてすぐにスマートフォンを見ると、自律神経が乱れると言われています。寝室にスマートフォンを置かず、朝起きてすぐにデジタルデバイスを見ないようにすることがおすすめです。

代わりに、読書をしたり、何もしない時間を設けることで、自律神経が整い、1日を落ち着いて過ごすことができます。また、デジタルデバイスに頼らずにアナログな活動、例えば塗り絵をするなども自律神経を整える効果があります。

このようにして落ち着いてから働くことができれば、判断力が向上し、効率的に仕事がこなせるようになります。自律神経を整え、イライラしない状態で仕事に入ることが大切です。冷静な状態を作り上げることで、効率的かつ効果的な時間術を身につけることができます。

この精神状態を維持するために大切なのは、自分自身の状態を深く理解し、必要なときに一時停止をする習慣作りです。自分がイライラしているとき、それを自覚し、一度立ち止まって考えるのです。そうすることで、思考に集中し、エネルギーを無駄に使うことなく、仕事に取り組むことが可能となります。

この「立ち止まって考える」という行為が、時間の浪費を減らす原動力となります。その意識を持ち続けることが求められます。冷静な判断を最優先にし、短時間で成果を出すことを目指すことで、効率的な働き方が身につくでしょう。

また、冷静さを保つためには、自分自身の心と体の両方に対するケアも欠かせません。適切な休息とリラクゼーション、そして栄養バランスの取れた食事などを通じて、自分自身のエネルギーレベルを高めることも重要です。これにより、ストレスや焦りを感じることなく、自分自身の能力を最大限に発揮することが可能となります。

時短仕事術は、自分自身の内面的な状態を整え、効率的に働くことを目指すものです。そして、その根底には「冷静さ」が必要となります。イライラや焦りを取り除く手段を会得することで仕事の効率性と効果性を高めることができます。イライラを防ぐのは性格ではなくテクニックです。

ココがポイント
  • 心が乱れると思考と行動が乱れる
  • イライラしたりせっかちにならない習慣作りが仕事効率を高める

"やる気スイッチ"をオンにする習慣

時短仕事術を実践して成果を出していた人たちの多くは、「やる気スイッチ」を入れる習慣をあらかじめ作っていたことがわかりました。

「やる気スイッチ」を入れる習慣を作ることは、時間を有効に活用し、生産性を最大化する上で非常に重要です。クライアント企業800社のなかで成果を出し続ける優秀なビジネスパーソンたちは、自分自身のやる気を最大限に引き出す方法を模索し、それを日常的な習慣として取り入れていました。

「やる気スイッチ」とは、自分自身でモチベーションを刺激し、心地よい仕事環境をつくり上げることです。これは、仕事の質を向上させ、メンタルヘルスを維持するという大きな効果をもたらします。さらに、仕事のストレスをポジティブなエネルギーに変え、働きがいを感じながら仕事に取り組むことが可能になります。

私が取材した優秀なビジネスパーソンの中には、「やる気スイッチ」を具体的にどのように入れているのかを教えてくれる人もいました。その1人、Aさんは、毎日の業務を始める前に、自分がその日に達成したい目標を明確にし、その目標に向かって取り組むことで、自分自身のやる気を引き出していると言います。

Bさんは、仕事の成果を予想し、その達成感を予想することで、やる気スイッチを入れています。これらの例からもわかるように、「やる気スイッチ」を入れる習慣とは、自己の内面に目を向け、自分自身を高める準備をすることに他なりません。

Cさんは、1日の始まりに好きな音楽を聞いたり、自分が達成したい目標を見直すことで自分自身のエネルギーを高めるようにしているそうです。

このように、自分だけの「やる気スイッチ」を見つけて、それを日常的に活用することで、仕事への意欲を高め、タスクに取り組む効率を向上させることが可能になります。

追跡調査をすると、やる気スイッチを入れる習慣は、自分だけでなく、周囲にも好影響を及ぼすことがわかりました。やる気スイッチを入れることで、自分自身がポジティブなエネルギーに満ち溢れ、そのエネルギーが周囲にも伝わり、チーム全体の雰囲気を良くしていました。やる気スイッチが入っている状態では、困難な課題に直面したときでも、それをチームで乗り越えるための解決策を迅速に見つけ出すことができるようです。

このように、自分自身が活力に満ち、仕事に対する情熱を保つことは、働き方を変え、生産性を最大化することに繋がります。これらを踏まえて、時短仕事術を実践する際には、「やる気スイッチ」を入れる習慣を作ることを強く推奨します。自己の成長、向上、そして組織全体の成功に好影響を与えるアクションであり、時短仕事術を成功させるための鍵であると言えるからです。

自分自身のやる気を引き出す方法を見つけ、それを日常的に活用することで、仕事の質を高め、結果的には自分自身のキャリアをより豊かにすることができます。そして、それはあなたがビジネスの世界で成功を収めるための道筋を示すだけでなく、仕事でもプライベートでもより充実させることにもなるでしょう。

ココがポイント
  • 自分のモチベーションが高まるメカニズムを理解することで、ポジティブなエネルギーを生み出し、働き方に好影響を与える
『最強の時短仕事術46』より引用
越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
国内外通信会社に勤務し、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。
著書25冊。フジテレビ「ホンマでっか⁉TV」の準レギュラーなどメディア出演多数。「タイムマネジメント」や「資料作成術」などのオンライン講座を年間400件以上提供、受講者満足度の平均は96%以上。

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