本記事は、越川慎司郎氏の著書『最強の時短仕事術46』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

出社前
(画像=kapinon / stock.adobe.com)

出社前の5分でやらないことを決める

出社前の5分間は、その日の仕事に対するスタートラインとなる時間帯です。この短い時間をいかに有効活用するかが、その後の1日の生産性に大きな影響を与えます。そのため、ここでは、出社前の5分間で「やらないこと」を決めることについて、その有効性と具体的な方法について詳しく解説します。

まず、「やらないこと」を決めるとはどういうことなのでしょうか。これは、自分がその日に集中すべき仕事やタスクを明確にし、それに関係のない、または集中力を散漫にする可能性のある行動を避けることを意味します。これにより、自分の時間とエネルギーを最も重要な事項に集中することができます。重要なことに時間と集中力を傾けることで、短時間で成果を出すことができます。

出社前の5分間で「やらないこと」を決めるための最初のステップは、自分の優先順位を明確にすることです。これには、その日のタスクや目標、そしてそれに対する自分の役割を理解することが含まれます。こうした洞察により、無駄な時間を削減し、生産性を向上させることが可能となります。

その一方で、出社前の5分間で避けるべきことの1つとして、SNSやニュースサイトのチェックが挙げられます。これらの情報源は、気になる記事や投稿があればどんどん時間を吸い取られ、本来の目的から遠ざかるリスクがあります。また、これらの情報は1日の中で他のタイミングでチェックすることが可能なため、出社前の限られた時間には適していないと言えます。

さらに、メールのチェックも出社前の5分間で行うべきではありません。メールは、読むだけでなく返信するのにも時間がかかります。そのため、短い時間である出社前の5分間では、内容を誤解してしまったり、誤字・脱字を入れて返信してしまったりミスが増えてしまいます。メールのチェックは、出社後に十分な時間を確保して行うのが最適です。

また、プライベートな電話や会話も出社前の5分間では避けるべきです。これらの行動は、心が散漫になりやすく、仕事への集中力を低下させる可能性があります。プライベートな会話は、仕事の合間や休憩時間に行うのが望ましいでしょう。つまり、出社前の5分間は、その日の業務に集中するための時間として確保すべきです。

このように、出社前の5分間で「やらないこと」を明確にすることで、その日のスタートをスムーズにきり、生産性を高めることが可能になります。しかし、これらの提案はあくまで一例であり、個々の状況や環境によって最適な「やらないこと」は異なります。そのため、自分自身の優先順位や目標、環境を考慮して、最適な「やらないこと」を見つけることが重要です。

出社前の5分間を有意義に過ごすためには、「やらないこと」を決めることで、「やるべき重要なこと」も明確になります。その日の目標やタスクを再確認し、進行中のプロジェクトを整理することで、1日の流れを効率的に計画することができます。

また、出社前の5分間は、心身のリラクゼーションにも活用できます。深呼吸や簡単なストレッチなどを行うことで、心身ともにリフレッシュし、仕事に対する集中力を高めることができます。これらの短時間でのリラクゼーションテクニックは、出社前の短い時間を有意義に使うための方法の一つです。

出社前の5分間で「やらないこと」を決めることは、その日の生産性を高め、効率的に仕事を進めるための重要な戦略となります。これは、自分の時間とエネルギーを最も重要な事項に集中するための方法であり、1日をより効率的に過ごすための重要なステップと言えるでしょう。

ココがポイント
  • 「やらないこと」を決めることは重要なタスクに集中することに
  • 出社前の習慣で正しい準備を

眠気を制する者がビジネスを制す

眠気と仕事のパフォーマンスには因果関係があることが2.1万人の調査で明らかになりました。眠気を感じた方の94%が本来の能力を発揮できなかったと回答しています。一方、眠気が抑制されることで集中力が向上し、結果として作業効率がアップします。これは、同じ時間でより多くのタスクをこなすことができ、全体の作業時間を短縮することができるためです。

眠気を適切に管理することで、仕事中のミスを減らすことができます。眠気がある状態では、注意力が散漫になりやすく、結果としてミスが起こる確率が30%以上高まります。

ミスがあると、修正などの無駄な時間が増えてしまいます。逆を言えば、眠気をコントロールすることで、これらの無駄な時間を削減し、全体的な時間効率を向上させることができると言えます。

また、眠気をコントロールすることで、疲労感を軽減し、仕事へのモチベーションを維持することができます。疲れが溜まっていると、仕事に対する意欲が低下し、業務の遂行が遅くなりがちです。しかし、眠気を適切に管理し、疲労感を抑えることで、仕事への意欲を維持し、タスクを効率的に進めることができます。

眠気を抑えるためには、生活習慣や環境を改善し、適切な休息を確保することが重要です。以下に、眠気をコントロールするためのいくつかの方法を挙げます。

①良い睡眠習慣を確立する:定期的な就寝時間と起床時間を設定し、週末も含めて一貫したスケジュールを守ることで、体内時計を整えることができます。

②睡眠の質を向上させる:寝室を暗くし、静かで快適な温度に保つことで、良質な睡眠を促進します。また、寝る前にリラックスする習慣を取り入れることも効果的です。

③適度な運動:定期的な運動は、エネルギーレベルを向上させ、ストレスを減らすことができます。ただし、寝る直前の激しい運動は避けるようにしてください。

④カフェインやアルコールの摂取を制限する:カフェインは覚醒作用があり、眠気を感じにくくなりますが、過剰摂取は睡眠の質を低下させることがあります。アルコールも、眠りを浅くさせるため、適量に抑えましょう。

⑤適切な食事:バランスの取れた食事を摂ることで、血糖値を安定させ、眠気をコントロールすることができます。特に、糖質の摂取量を適切に調整し、食事と食事の間隔も適切に保つことが重要です。

⑥午後の仮眠:時間の仮眠(15〜20分程度)は、エネルギーを回復し、眠気を軽減する効果があります。ただし、長時間の仮眠や夕方以降の仮眠は、夜間の睡眠に影響を与えることがあるため、避けましょう。

⑦明るい光を利用する:昼間に太陽光を浴びることで、体内時計が調整され、眠気が抑えられます。

眠気をコントロールすることで、集中力の向上、仕事中のミスの減少、疲労感の軽減、そして仕事へのモチベーションアップをもたらします。

上記に挙げた7つの方法は個々の生活習慣や状況により効果が異なるため、試行錯誤を繰り返しながら最適な方法を見つけることが大切です。生活習慣を見直し、環境の改善、適切な休息を確保することで、眠気をコントロールすることを心がけてください。

ココがポイント
  • 眠気をコントロールすることで、作業効率を上げ、ミスを減らし、修正時間が減少
  • 生活習慣の見直し、環境の改善、適切な休息の確保で眠気をコントロール
『最強の時短仕事術46』より引用
越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
国内外通信会社に勤務し、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。
著書25冊。フジテレビ「ホンマでっか⁉TV」の準レギュラーなどメディア出演多数。「タイムマネジメント」や「資料作成術」などのオンライン講座を年間400件以上提供、受講者満足度の平均は96%以上。

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