この記事は2023年9月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Svetlana/stock.adobe.com)

2023年9月13日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

相関性の高い人民元下落の影響もあり、先週の米ドル/円は147.87円付近まで上昇し年初来高値を更新。この円安相場に対し、本邦当局は口先介入を繰り返し、そのレベルはいつ日銀が介入しても不思議ではない段階まで到達していた。

ただ問題は米ドル/円の水準。多くのマーケット参加者は、日銀の介入において、(ドル買いではなく)ドル売り介入は、保有する米ドルに限りがあるため、米ドル/円は150円台に入らないと介入はないというのがコンセンサスになっていた。

JP.モルガン銀行の佐々木氏は、155円にならないと介入はないと指摘。この間に矛盾があったため、一昨日11日(月)は、介入はないものの、なんらかの円安を抑止する報道がなされるのではないかと懸念していた。

その懸念どおり、週末に植田日銀総裁が「マイナス金利解除などの金利正常化の前倒し」を意図したコメントが報道され、米ドル/円は一時146円割れまで急落した。ただ、その後本邦企業を中心とした押し目買いにおされ、米ドル/円は147円台まで反発している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

神経質な動きを繰り返している米ドル/円を横目に、注目しているのがユーロ/米ドル。ユーロ/米ドルは先週まで「8週連続の陰線」を出している。

こうした場合、今週もしくは来週、ユーロ/米ドルは大きく反発する可能性が高いとされている。ユーロ/米ドルは日足でもTDシーケンシャルのカウントダウンの13を点灯しており、ファンダメンタルとは別に反発する可能性が高まっている。

そして昨日12日(火)の欧米市場のユーロ/米ドルは、大きな値幅は伴っていないものの続伸。ドイツの経済指標のさえない結果を受け、欧州時間こそ一時1.0706ドルの安値に反落。しかし、明日14日(木)にECBを控える中、利上げへの思惑もあり、ユーロ買いが活発化。結局NY市場は1.0765ドルの高値圏で終了した。

ユーロ/米ドルは懸念したように調整色が濃くなってきた。このユーロ/米ドルが(ドル売りで)調整するのであれば、クロス円の影響を考慮しても米ドル/円も早晩、調整する可能性があると想定している。日銀の介入懸念もあり、神経質に動く米ドル/円の行方を占うために、ユーロ/米ドルの動向に注目。

▽ユーロ/米ドル日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。