この記事は2023年9月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年9月13日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
週明けから大きく下窓を開けてスタートした米ドル/円は一時145円台まで下押ししたものの、現在は147円台まで戻している。
先週末に読売新聞のインタビュー記事にて、植田日銀総裁が「マイナス金利解除」に言及したことを発端に、早期の政策正常化への思惑から強烈な円高に振れた。そこまで"タカ"な内容には感じなかったが、正常化が「あるかもしれない」と、匂わせた点が大きいのだろう。
本邦長期金利は0.7%台までおよそ9年ぶりの高水準まで上昇しているほか、来週22日(金)の日銀金融政策決定会合の注目度は一気に跳ね上がっており、当面は円買い圧力を意識しなければならない。
また、本日13日(水)の米CPIから、週末にかけて重要度の高い米指標発表が続く。来週21日(木)日本時間未明に迫った9月FOMCでは利上げ見送りがほぼ織り込まれているが、次会合以降の利上げ見通しは依然流動的なため、指標の感度は高いとみてデータを確認していきたい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
海外勢を中心に9月日銀会合への警戒感が高まっていることに加え、FEDウォッチャーのニック氏の記事にてFRBのハト派観測が伝わっており、米ドル/円の上は攻めにくい。
米ドル/円は少し方向感が見えづらくなっており、本日13日(水)の米CPIも、短期でチャンスがあれば参加する程度にとどめたい。一方で、明日14日(木)のECB理事会だが、政策金利のコンセンサスが割れており、「利上げ有無」によってユーロは大きく動意づきそうだ。
足元ではユーロ圏の景気後退を示すデータが並び、経済が利上げに耐えうるのか市場は疑心暗鬼になっている。そのため、ユーロ/円・ユーロ/米ドルはダウンサイドがメインシナリオ。仮に利上げで上に振れても戻り売りが第一感になるか。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。