一般的によく聞く「事故車」と「修復歴あり」は同じ意味で、どちらも外部からの深刻なダメージが原因でフレームが歪んでしまったり、交換した形跡がある車両の事を指します。結論から言うと、修復歴があると買取査定の際には大幅な減額が懸念されます。これは、次のユーザーが見つかりにくかったり不具合が起きやすいという理由から、車そのものの価値が下がってしまうためです。しかし、そんな修復歴がある車両でも高く売る方法があります。本記事では事故車・修復歴車の定義を解説し、実際に査定額にどれぐらい影響があるのかを具体的な車種や事例を交えてご紹介します。記事後半では修復歴があっても価値が下がらない車種も紹介しますので、ぜひ最後までご覧になってください。

事故車・修復歴車の定義とは?

そもそも、事故車・修復歴車の定義とはどのようなものなのでしょうか?

ここでは修復歴有りとなる場合、ならない場合、修復歴よりもさらに減額が大きい事例をご紹介します。

修復歴車 = 車のフレーム(骨格)に交換や修正が入った車

フレーム
(画像=「Car Me」より引用)

日本自動車査定協会は修復歴の定義を下記のように定めています。

修復歴の定義
事故やその他災害により骨格(フレーム)部分を損傷し、修正あるいは、部品交換をしている車。また、損傷したままの現状車も同様の基準を適用する

車の外装パネルの奥には車を形作る骨組みがあり、この骨格部分にダメージが入った時点でその車両は未来永劫「修復歴あり」という扱いになります。

ここでいう骨格とは、溶接で繋がっている部分を指し、ボルトで外せる部分は対象になりません。

そのため、仮にドアを100回交換しても「修復歴なし」であり査定額には影響がほぼありません。

一方、一度でも追突事故に巻き込まれたりして骨格が歪んでしまうと「修復歴あり」となり査定額に大きな影響がでます。

修復歴ありには該当しない事例

修復歴ありに該当しない事例には、具体的には下記のようなものがあります。

■パネルの交換
車のパネルとは以下のような部分のことを指します。

  • フロントバンパー
  • フロントフェンダー / リアフェンダー
  • ボンネット
  • トランク
  • リヤバンパー
  • 各種ドア

これらは全てボルトで固定されている部分であり、車の骨格の外にある部品です。

これらの部位は、何度板金や交換をしてもフレームに損傷がない限り修復歴扱いにはなりません

しかし、プロの査定士はボルトの締め直し跡から板金歴や交換歴を見抜きます。

こういった修理箇所がある場合、修復歴を疑われ査定はより慎重に、綿密に行われることとなります。

■擦り傷などの板金補修
擦り傷や板金歴も修復歴には該当しません

ガードレールに車の側面が接触し、全面擦り傷だらけになったとしても、その奥にあるフレームに損傷がなければ修復歴はなしとされます。

しかし、板金修理には新車とは微妙な塗装肌の違いや色合いの違いが発生します。

査定士はこの微妙な違いも見抜きますので、板金している=内部に損傷があるかも、と思われて慎重な査定がなされることは覚悟してください。

■電装系や機関系部品の交換
エアコンの交換、エンジンの乗せ換えなどの大規模な修理があったとしても、それは修復歴にはなりません。

修復歴はあくまでフレームに損傷があるかどうかが基準となります。

車に不具合があって何十万もかけて電装系や重要な機関部を修理していたとしても、それは単なる部品交換であり、査定額には影響しないのです。

劣化や自然災害によるダメージが大きい場合は?

長年放置した車両はフレームがさびて劣化し、酷い場合は穴が開いてしまうことがあります。

こういった形でのフレームへのダメージは、修復歴ありにはならなくても「車両として問題あり」とみなされて修復歴ありの相場よりも更に安くなってしまう可能性があります。

冠水などの自然災害の痕跡がある場合も同様で、一般的には修復歴ありよりも更に低い相場となります。

修復歴があると車の査定額はどれくらい下がるの?

車
(画像=「Car Me」より引用)

修復歴ありでも車としての価値は残りますが、買取相場は大幅に下がります。

では、どのような車種がどれぐらいの影響を受けるのでしょうか。

ここでは影響を受けやすい車、受けにくい車に分けてご説明します。

修復歴の影響を受けやすい車

  • 年式が新しい車
  • ファミリーカー
  • 高級車

修復歴の影響を受けにくい車

  • 年式が古い車
  • スポーツカー
  • オフロード系車種

修復歴の影響を受けやすい車とは?

修復歴の影響を受けやすい車には下記のようなものがあります。

■年式が新しい車
新車として購入して間もない、3年落ち以内の車両が修復歴ありとなってしまった場合、買取金額は大きく下がってしまいます。

これは、中古車市場における他の比較対象が新車レベルで状態の良い車ばかりだからです。

市場には新車並みに綺麗な車が多数流通している中、修復歴のある車両は数も少なくどうしても見劣りしてしまいます。

新車に近い状態の車両を探している人が多い中、修復歴のある高年式車は需要が極端に少なくなるため買取相場は数十万円下がってしまうこともあります。

■ファミリーカー
一般的に修復歴のある車両は「走行に問題があるかも」「安全性が心配」だと思われてしまいます。

そして、実際にその可能性はゼロではありません。

このようなイメージが強いため、家族という大切な人達を乗せて走るミニバンなどのファミリーカーにとって修復歴は致命的な欠陥となります。

特に輸出需要が少ない日産車やホンダ車のミニバンは、10万円以上の査定減となる可能性が高いです。

■高級車
高級車を中古として購入する方の多くは車の性能や品質、そして何よりも所有するステータスに強いこだわりを持っています。

そういった高級志向のユーザーは、修復歴のある車両を選ぶことはほぼありません

そのため、各メーカーの最高級モデルやベンツやBMWなどの高級輸入車が修復歴ありとなってしまった場合、買取相場は大きく下がってしまうことになります。

修復歴の影響が少ない車とは?

逆に、修復歴の影響が少ない車には下記のようなものがあります。

■年式が古い車
年式が古くなればなるほど、市場に出回る他の車両の中にも修復歴のある車両が増えていきます。

年式が古い中古車の購入を検討しているユーザーは、基本的に「安く済ませたい」「車にさほどこだわりがない」「予算が低い」と考えています。

このニーズを叶えるためには修復歴のある車両も視野に入ってきます。

また、市場に出回っている他の車両も同じような程度のものが増えてくるため、修復歴があっても見劣りせず需要があります。

これにより、買取相場への影響は少なくて済みます。

とはいえ、修復歴のない車両よりは買取金額が低くなってしまうのは変わりません。

■スポーツカー
乗用車は新しいモデルが出ると、前の型は陳腐化して人気がなくなってしまいます。

一方、スポーツカーは古いモデルでも熱狂的なファンが多く、車としての価値は下がるどころか上がることもあります。

そして、スポーツカーという特性上、市場には修復歴のある車両が多く流通します。

そこで重視されるのは修復歴の有無よりも、エンジンの調子やカスタム、グレードなどです。

以上のことから、スポーツカーは修復歴による査定の減額を受けにくいジャンルとなります。

具体的な車種を挙げると、下記のとおりです。

  • トヨタ 86
  • トヨタ スープラ
  • 日産 スカイライン
  • 日産 GT-R
  • 日産 シルビア
  • ホンダ シビック
  • マツダ RX-7

■オフロード系車種
オフロード走行を目的とした大型のSUVやクロスカントリー系の車種は、競技やレジャーで酷使されるため修復歴の有無はあまり重要視されない傾向があります。

さらにこれらの車は海外でも人気が高いため、修復歴があっても高値で取引されます。

具体的には下記の車種が挙げられます。

  • トヨタ ランドクルーザー
  • トヨタ FJクルーザー
  • スズキ ジムニー

修復歴の影響を全く受けない車種とは?

修復歴があるのに、修復歴がない車両と比べて値段が変わらない車種があるのをご存じでしょうか。

その車種は下記の3つです。

  • ランドクルーザー
  • ハイエース
  • ジムニー

これらの車種はカスタマイズ性と走破性が高く、積載力も高い車種であり、海外では数十年前から人気が衰えません。

輸出先は道路が舗装されていない発展途上国が多く、その地域では修復歴があるかどうかは車の価値に一切関係がありません。

この3車種はリセールバリューにおいて常にトップクラスの順位をキープしており、修復歴の有無に関わらず高値で取引されます。

「修復歴のせいで値段が下がるかも」という点で一喜一憂したくないのであれば、これらの車種に乗っておくとよいでしょう。

修復歴ありでも高く売る方法とは?

車
(画像=「Car Me」より引用)

修復歴は取り消すことができず、ごまかして査定を通過しても後で必ず発覚してトラブルになります。

では、修復歴がある車はどうやっても高く売れないのでしょうか?

この項では、修復歴のある車両を少しでも高く売却するためのノウハウを解説いたします。

下取りではなく買取に出す

ディーラーの下取りは、買取店とは全く違った査定で金額を決めらています。

ディーラーにはレッドブックという査定本があり、これは「○○年式の△△は下取り◎◎万円」という風に、あらかじめ下取り金額を決めているものです。

修復歴のある車両を下取りに出した場合、ディーラーでは下記のように金額が決定されます。

下取り価格 = 下取り設定価格 - 修復歴の減額 - 下取り手数料 - 査定料

これに対して買取専門店に売却した場合は、その瞬間の買取相場をもとに適切な買取金額を提示されます。

また、新車のみを販売するディーラーと違い、買取店側で次のユーザーが見つかって直接販売できる可能性もあるため、買取店に売却したほうが確実に高く売れます。

当然、査定料や手数料もかかりません。

比較検討をし、減額しない業者を選ぶ

買取店に売却する場合、少しでも高く売りたいなら、必ず2社以上の比較検討を行ってください

1社のみとじっくり商談したいという方もいらっしゃるかもしれませんが、中古車の買取金額は競合することによってのみ上がります。

買取店は安く買い取って、高く売ることで利益を上げています。

そのため、他社が自社よりも高い買取金額を提示しない限り、買取金額を上げる理由がないのです。

修復歴のある車両は、どうしても安く買い叩かれてしまいますので、必ず比較検討し、後から減額やクレームを言い出さない業者を選ぶことが重要です。

買取金額を比較検討したいなら、ストレスフリーで高く売却できるMOTA車買取がおすすめです。

MOTA

MOTA車買取

MOTA車買取
(画像=「Car Me」より引用)

ストレスフリーで高く売却

商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。

修復歴のある車を高く買い取ってくれる業者とは?

現在の中古車業界は相次ぐ大手買取店の不正や問題行動が原因で、今までにないほど不安視されています。

これからはネームバリューではなく、本当に信頼できる業者なのかを見極めて選ぶことが重要な時代となりました。

では、修復歴がある車でも良心的な価格で買取ってくれる業者を2社、ご紹介いたします。

株式会社カーネクスト

カーネクスト

カーネクスト
(画像=「Car Me」より引用)

どんな車も0円以上で買取

商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。

株式会社はなまる

廃車買取はなまる(ソコカラ)

廃車のはなまる
(画像=「Car Me」より引用)

海外販路で高く売れる

商品詳細はオリジナルサイトでご覧ください。

修復歴がある車の査定についてのQ&A

修復歴がある車の査定に関する、よくある質問とその答えをご紹介します。

Q 修復歴ありの車を査定士が気付かず買取した場合はどうなるの?

A 修復歴を見抜けなかった査定士に責任がありますが、契約後の減額などのトラブルになる可能性があるので事前に正直な申告をしておきましょう。

ご紹介したMOTAは、契約後の一方的な減額を禁止しているため安心です。

(参考:MOTA車買取規約)

Q 修復歴があっても価値が落ちにくいおすすめの車種は?

A 軽自動車ならジムニーやワゴンタイプ、普通車ならトヨタ車全般やSUV車をおすすめします。

世界的なSUV需要の波はまだまだ続くので、迷ったらSUVを選んでおけば海外輸出需要のおかげで高く売れる日がくるかもしれません。

修復歴がある車の査定についてのまとめ

修復歴とは車のフレームに修正や交換が発生したものを指し、修復歴があると車の価値は大きく落ちてしまいますが、一部影響を受けにくい車種があります。

そのような車種を選んで乗り、売却の際には信頼できる買取店を選び比較検討することで経済的なカーライフを送ることができるでしょう。