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(画像=株式会社東平商会)
山本 雅弘(やまもと まさひろ)
株式会社 東平商会代表取締役
1963年静岡県生まれ。
慶應義塾大学理工学部卒。
1987年三井物産株式会社に入社し、産業機械の輸入業務、国内販売等に携わる。
1997年株式会社東平商会に入社、2007年代表取締役就任、現在に至る。
株式会社富士サービス代表取締役、富士物産株式会社代表取締役会長。
株式会社東平商会
1957年に東レ三島工場の請負会社としてスタートしましたが、現在は、工場作業請負の他に、食品卸、産業資材製造、土木工事等の複数の事業を運営しています。 食品卸は、業務用食材を主な取扱商品としていますが、海外から食品を輸入したり、ご当地グルメを開発販売するなど、他社にはない機能を有しています。産業資材は、自社縫製工場で、プレジャーボート用の内装品や、キャンピングカー用品、キッズクッションなどを製造しています。土木工事は法面保護工事を専門とし、近年多発する災害の復旧工事や予防工事に力を入れています。創業以来の挑戦というDNAを忘れず、全員が活躍できる仕事を生み出し、地域の発展に努めてまいります。

これまでの事業の変遷

私たちの会社は、創業者である祖父が三井物産出身だったこともあり、三井物産から「東レの請負作業をやってくれないか」と声をかけられたところから始まりました。当時、三井物産はアメリカのデュポン社から技術を導入し、東レの事業拡大を支援していました。東レが三島工場を建設するにあたり下請け企業が必要になり、既に引退していた祖父に声がかかり、創業に至りました。

現在、私達の会社は分野の異なる5つの事業部から構成されていますが、このように様々な事業を行っている背景は2つあります。1つ目は、創業当初は東レの下請け会社でしたが、祖父が総合商社の三井物産出身であったことと、あとを継いだ父が好奇心旺盛な性格ということもあり多角的な事業展開を目指したということ。

2つ目は、私達が東レに恩返しをしていきたいという思いから、東レに頼まれたことは何でもやっていこうという姿勢で様々な事業に取り組んだことにより、事業の多角化につながりました。

感銘を受けた書籍

経営において影響を受けた書籍を3冊紹介したいと思います。

私が影響を受けた書籍の1冊目は『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』です。 自分自身の経営における指標にしている書籍で、いつの時代にも重要な普遍の法則が書かれており、今でも非常に参考にしています。

この書籍は偉大な企業に共通する法則は何かを、企業を分析することによって導き出した書籍です。偉大な企業に共通するのは「厳しい現実を直視しつつも、勝利への確信を失わない姿勢だ」と書かれていて、少しでも偉大な企業に近づけるように、自分達も見習おうということで、よく社員にもこの書籍の話をします。

2冊目は、『両利きの経営』という書籍です。企業に重要な進化と探索という二つの行動をどうやって展開していくのかということを、リーダーシップと組織論を交えて書かれている書籍です。

3冊目は『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』です。山口 周さんが個人的に好きで、参考にしている本です。

読書を仕事に活かした方法

企業体質を変えるためのツールとして書籍で得たことを活用しています。

私が当社に入社した26年前は、私達は下請け企業体質から抜け出せずにいました。複数の事業を営んでいましたが、大企業の下請け的な仕事が多く、受け身体質が染みついていました。また各事業部のトップは社長の方針に沿って動いており、自ら戦略を立てる姿勢に欠けていました。複数の事業を営む組織であるが故に、社員を信じて社員にどんどん任せていく必要があると感じました。そこで、信頼できる社員を育てるために、考える力をつけてもらおうと様々な取り組みをしています。半期ごとの予算には目標管理制度を導入し、各部ごとに目標や重点施策を立ててもらっており、中期経営計画を作成するときには、部長クラスに『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』に書かれている「針鼠の概念」なども取り入れたフォーマットを使い、中期的な視野での目標を設定してもらっています。

経営において重要とされる考え方

株式会社東平商会
(画像=株式会社東平商会)

私達は常に挑戦というキーワードを重要視しています。創業してから多角化経営を進めてきた根幹には、お客様から頼まれたことを断らずにまずはやってみようという、挑戦する姿勢があります。

『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』には「中核事業で世界一になれないのならば、中核事業が飛躍の基礎になることはない」と書かれています。この言葉は私達の事業にも当てはまることで、現状に満足せず常に新しいものを探していく必要があると考えています。今、自分達が進めている事業が必ず上手く行くとは限らないので、既存の事業領域の中で一番強いものは何かを考え抜いて強化していかなければ、私達の事業は衰退してしまうと思っています。

さらに『両利きの経営』で書かれていた「進化と探索を両立させる」ということも重要だと考えています。社会的に信用されるためには、短納期で品質の高いものを安く作ることで事業は進化していきますが、それだけだと時代の変化に取り残されてしまいます。それだけではなく、事業の中の専門領域に新しいことがないかを探索し、絶えず考えていく必要があります。今、自分達には5つの事業があるから安心するのではなく、チャンスがあって、面白そうなことがあれば、それを調べて新しくやっていこうという考え方を常に社員には持ってほしいと思っています。

最後に、御社の未来構想や従業員への期待について

私達は地域にとってなくてはならない地域全体を活性化させられるような企業になりたいです。

企業を存続させるためには勿論収益を出していく必要がありますが、自分たちだけが利益を得るのではなく、お取引先様や地域社会も同時にメリットを享受できるように、事業を通じて何が還元できるかを常に考えていきたいと思います。

さらに企業は従業員で成り立っていて、従業員を信頼していかに権限委譲できるかが重要です。従業員にも信頼してもらい、安心して力を発揮してもらえる企業体質に、今以上にしていく必要があると考えています。

専門的な領域の強みを磨きながら、事業領域を広げていくという両面を進めていく中で、地域に雇用を生み出して、地域にとってより信頼される企業になっていきたいです。

氏名
山本 雅弘(やまもと まさひろ)
会社名
株式会社東平商会
役職
代表取締役