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(画像=萩原工業株式会社)
浅野 和志(あさの かずし)
萩原工業株式会社代表取締役社長
広島大学工学部卒業後、萩原工業に入社。製品開発部門を経験の後、総務・経理などの間接部門に携わり、取締役執行役員事業支援部門長、同常務執行役員合成樹脂事業管掌補佐を経て、2016年に代表取締役社長に就任。
萩原工業株式会社
1962年に設立、本社は岡山県倉敷市。綿糸であった花ゴザのタテ糸をポリエチレンで代替することから始まった。現在は、ポリエチレン・ポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維「フラットヤーン」を用いた関連製品およびフラットヤーン技術を応用したスリッター等の産業機械の製造・販売を行う。日本を中心に世界14ヶ国・27拠点で事業活動を展開中。

これまでの事業や組織の変遷について教えてください。

私たちは、岡山県倉敷市の小さな企業から始まり、61年間の歴史を経て、東証プライム上場企業にまで成長しました。 「おもしれぇ直ぐやってみよう(面白いと思ったらすぐに一緒にやってみよう)」創業者の口癖でもあったこの企業スピリットを今でも我々は持ち続けており、この「即行動する」文化が、我々をグローバルな事業に導いたと考えています。

組織拡大における課題にはどのようなものがあり、それらを乗り越えるためにどのような施策・取り組みを実施されたのでしょうか。

上場を果たし、企業の規模も拡大するとともに、様々な組織課題やガバナンスへの対応を強いられました。特に苦戦したのがダイバーシティの実現です。というのも、当時の弊社は、男性社員が9割、女性社員が1割と女性が著しく少ない状況であり、女性が活躍できる場・機会の提供を急務で進める必要がありました。

そんな時、「社内保育園」を設立するという提案が社内から提出されました。 女性社員が仕事をしながら、安心して子育てもできるこのアイデアは、まさに女性が活躍できる場・機会の提供を果たしていると考えました。しかし、利益を産み出し続けることを責務とする経営者として、この提案が財務上どのような影響を及ぼすのかを考慮する必要があるため、すぐには決断できませんでした。

そんなときに頭をよぎったのが「人を大切にする経営学会」で賞を受賞した過去の経験です。そこで学んだことは、「“損得”で判断するのではなく、まずは“善悪”で判断すべき」というものです。「自分の会社で一生懸命に働いてくれる社員が困っているなら、企業として策を打つのは当たり前。」 “善悪”の判断に従い、結果的に社内保育園を設立しました。他にも、有給休暇を時間単位で使える制度の導入や健康促進の一環から禁煙推進活動などを実行し、社員の働きやすさと満足度の大幅な向上を実現しました。それは結果的に、会社の利益貢献に繋がっております。

組織拡大の過程で重視してきたことは何でしょうか。また、社員にはどのように向き合ってきたのでしょうか。

「人の価値」です。私たちのビジョンは、全ての社員が自分の能力を最大限に発揮できるような環境を提供することです。

具体的には、経験に基づく学習を促進するために、インフォーマルなコミュニケーション機会を積極的に提供してます。例えば、全社員が参加する朝礼で、社員の声をしっかりと聞くようにしたり、社内の意見交換の場を設け、すべての意見を尊重することを前提に、全社員が発言できるような環境を作り出したりしています。

また、社員一人ひとりの人間性を尊重することも大切にしています。自身の家庭や私生活で抱えている様々な事情を積極的にヒアリングし、それに対して配慮を持って接するのです。親の介護や子育てなど、仕事以外の部分でも“支え”を提供するように心掛けています。

社員の価値(人的資本)向上に向けて何に取り組んできたでしょうか。

私たちは社員の価値向上を目指して、自己成長とスキルアップの機会を積極的に提供してきました。例えば、新入社員に対しては、彼らが会社の一員として自立し、自己の能力を発揮できるように、早い段階から様々なプロジェクトに参加させるようにしています。

一例として、新入社員がテレビCMを作成するプロジェクトを立ち上げたことがあります。こういった大きな経験を若い時に経験させることで、彼ら自身の能力を大きく伸ばし、企業としての価値を高めるのです。他にも、社員が自己成長に向けて主体的に行動することを奨励しています。例えば、研修や教育機会の提供です。英語を学びたいと希望する社員に対しては、海外出張を積極的に任せ、現地で自ら経験してきてもらいます。

我々が目指すのは「能動的な学習」を促進することです。社員が自分の経験から学び、自己成長を実現することで、企業全体としての人的資本を高めていくつもりです。

最後に、今後の展望と社員への期待について教えてください。

当社の理想的な未来像は、「全ての社員が能力を最大限に発揮できる組織であること」です。彼らが自身の仕事に自信を持ち、楽しみながら働ける環境を作り続けることを期待しています。それはつまり、それぞれが自分の役割を理解し、チームとして協力しながら働けるような組織です。

氏名
浅野 和志(あさの かずし)
会社名
萩原工業株式会社
役職
代表取締役社長