政府が公表している道路交通法違反の取り締まり状況によると、2021年中のスピード違反による総検挙数は1,064,788件にものぼります。その中で、15km/h未満の速度超過で検挙されたのはわずか198件です。なぜ、15km/h未満の速度違反は極端に検挙数が少ないのでしょうか。

検挙されづらいことは確かだが

白バイ 警察 ポリ
(画像=「Car Me」より引用)

検挙された速度域の内訳は、
50km/h以上 :12,106件
30~50km/h未満:143,567件
25~30km/h未満:216,884件
20~25km/h未満:362,808件
15~20km/h未満:329,225件
15km/h未満  :198件となっています。

このことから、15km/h未満の速度違反は全体の0.1%にも満たない検挙数となっていることがわかるのです。

これは、現在スピード違反の取り締まりが、白バイやパトカーでの追尾方式を基本としていることが原因となっていることが考えられます。

この方式は、速度違反をしている可能性がある車の後方を一定距離 追走することで超過速度を計測する方法です。

そのため、15km/h未満の違反は、それ以上の速度違反と比較すると、明確に速度違反であると断定しづらい傾向にあると考えられます。通行量が多い幹線道路などでは、その傾向はさらに顕著でしょう。

逆に、最も多い検挙速度域は20~25km/h未満です。これは、この速度域を超えて走ることが、当たり前になっているドライバーが多いためでしょう。

例を挙げるとするならば、40km/h規制の道路で55~65km/hで走るというケースは、十分に考えられるシチュエーションです。

特に、幹線道路では周囲の車の流れに合わせるために、速度超過のまま走ってしまうことも考えられます。空いていれば、更に速度を上げてしまうドライバーもいるのではないでしょうか。

しかし、検挙された件数や超過速度によらず、速度違反は明確な道路交通法違反です。

車は、道路標識や標示で指定された最高速度もしくは、標識等がない場合は政令で定められた法定速度を超える速度で走ってはいけません。

超過速度が上がるにつれ、死亡事故が発生する割合も増えていきます。1kmでも超えると速度違反であるという意識で、日頃から安全運転を心がけたほうが良いでしょう。