M&A Onlineが大量保有データベースで2023年10月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、大手モーターメーカーのニデックがTOB(株式公開買い付け)の買付期間を2023年11月13日まで延長(当初は2023年10月27日)した工作機械メーカーTAKISAWAに関して、JPモルガン証券が5.13%を新規保有したほか、東海東京証券も1.29%買い増し、保有割合を7.13%に引き上げたことが分かった。

また野村証券も3度売却(6.87%)し、2度買い増し(3.36%)、保有割合を9.1%にした。

ニデックによるTAKISAWAに対するTOBは2023年9月14日に始まり、その後に野村証券が買い増しを続け、保有割合を12.61%に高めたほか、東海東京証券も5.84%を新規に保有していた。

ニデックは2023年10月27日に買付予定数の下限である 319万3900株に達したため、公開買付期間として10営業日の期間が確保されるように買付期間を延長した。10月27日15時半の時点で「応募株券等の総数が 521万6015株となった」としている。

同社の永守重信会長はTAKISAWAのTOBが成立した後も、引き続き工作機械メーカーを買収する考えを示している。

伊藤忠商事は大建工業株の84.12%を保有

このほか10月は、ラーメン店「ラーメン山岡家」を展開する丸千代山岡家の創業者で会長の山岡正氏が、丸千代山岡家株を1.06%売却し保有割合を36.32%に引き下げた。

山岡氏は2010年12月に同社株を2.06%売却し保有割合を44.23%としたあと、4度株式を売却し、2021年5月には保有割合が37.38%と40%を割り込んでいた。

このほか丸千代山岡家株については、みずほ信託銀行が7.8%を新たに保有した。

麻生は若築建設株を1.02%買い増し、保有割合を33.72%に引き上げた。麻生は2021年6月に若築建設株5.22%を新規保有して以来「安定株主として長期にわたり保有する」として、買い増しを続けており、2023年3月には保有割合が30%を超えていた。

また伊藤忠商事は大建工業株を49.5%買い増し、保有割合を84.12%に高めた。提出理由は「みなし共同保有者(BPインベストメント合同会社)の増加、株券等の保有割合が1%以上増加したため」としている。

伊藤忠は2023年8月に大建工業に対するTOBを実施し10月に成立した。この結果、大建工業は東証プライム市場への上場が廃止となる。

2023年10月の大量保有報告などの提出件数は1126件で、このうち保有割合を増やしたのは300件、新規保有が177件、保有割合を減らしたのが554件、契約の変更などが95件だった。

文:M&A Online