大学卒業後、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社へ営業として入社。外資系ITベンダーを経て、2010年にトレノケート(旧名:グローバルナレッジネットワーク株式会社)へジョイン。営業としてのキャリアを積み上げ、部長、本部長、役員を経て2022年4月より代表取締役社長に就任。
1.これまでの変遷
私は大学時代に、インターネットの普及とともにIT業界への興味を深め、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社での営業職からキャリアをスタートしました。その後、外資系ITベンダーを経て、2010年にトレノケート株式会社(旧名:グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社)に参画。営業職から、マネージャー、取締役へとキャリアを積み重ね、2018年には台湾での事業立ち上げに携わりました。2022年4月、代表取締役社長に就任し、現在に至ります。
トレノケートは、IT人材育成サービスを世界15カ国で展開しており、AWSやGoogleをはじめとする世界の名だたるITベンダーから認定を受けています。2021年にMicrosoft Partner of the yearを、2022年-2023年には、AWS Training Partner Awardを受賞など高く評価頂いています。トレノケートグループとしては、2020年より4年連続で「世界で最も優れたIT研修企業20社」(Top IT & Technical Training Companies)に選出され、ラーニングパートナーのITベンダーからは過去75以上のアワードを受賞しており、高い品質のサービスを提供しています。
2.一番感銘を受けた書籍とその理由
社会人生活が始まって数年後、先輩から紹介された『7つの習慣』は、私の考え方や行動に深い影響を与えました。最初は、この本の厚さに抵抗を覚えましたが、「前半部分だけでも読んでみれば、何か気づきがあるはず」という先輩のアドバイスに従い、読み始めました。20代の頃、多くのビジネス書を読みましたが、一度読んだ本を再読することはほとんどありませんでした。しかし、『7つの習慣』は例外です。この本から得た気づきは多く、人生の節目で読み直す毎に、その内容が自分自身の行動や思考に大きく影響を与えてくれていると感じています。この本には、人生を豊かにするための7つの習慣が記載されており、どれも非常に役に立っています。
<7つの法則>
・第1の習慣:主体的である
・第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
・第3の習慣:最優先事項を優先する
・第4の習慣:Win-Winを考える
・第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
・第6の習慣:シナジーを創り出す
・第7の習慣:刃を研ぐ
3. 読書が仕事に生かせた具体的なエピソード
『7つの習慣』の第1の習慣では「主体的である」という内容が記されています。この習慣は、“問題は自分の外ではなく、自分の中にある”という考え方を教えてくれます。つまり、自分に起こった出来事に対してただ反応するのではなく、どのように反応し、どのように影響を与えるかを自ら選択することの重要性を説いています。たとえ、同様の経験や能力を持っていたとしても、起き得る事象をどのように捉え、行動に起こしていくかで、その後の結果やキャリアに大きな影響を及ぼすという気づきがありました。私自身も他責で考えがちでしたが、営業時代、マネージャー時代、そして今現在も「主体的である」を意識し、目の前のできることを精一杯やっていこうと考えています。
4.経営において重要としている考え方
この本から「影響の輪」と「関心の輪」について学んだことを意識しています。私たちは皆、様々なことに関心を持っています。例えば、会社や仕事で良い成果を出したい、キャリアを伸ばしたいということに多くの人が関心を寄せています。私自身もトレノケートを良い会社にし、優れた業績を上げたいと願っています。また、健康や経済、世界情勢などにも関心があります。このような関心事を見つめると、自身がコントロールできるもの、または大きく影響を与えられるものとそうでないものに分けることができます。例えば、最近の為替には関心がありますが、これは私にはコントロールできません(関心の輪)。しかし、英語を話せるようになりたいという関心事は、多くの人が自分の努力でコントロール、影響を与えられると思います(影響の輪)。
関心の幅を広げることは重要です。出会った情報を会社のビジネスに関係ないと切り捨てず、別の角度から見ることで将来関係する可能性があると考えています。その関心事の中から、今後起こり得る出来事に対し、私自身や当社が影響を与えられる領域でお客様や従業員に価値を提供出来ること、より成長につながることに集中します。また、悪影響を及ぼす可能性のある事柄を早めに特定し、対処することも重要です。テクノロジーの進化により、以前は影響を与えられないと思っていたことも変わっています。バランスを取りながら、当社が、そして従業員が影響を与えられることに集中できる環境を整えることを経営上重視しています。
5.未来構想と従業員への期待
当社は、”世界を変える「人」を育てる”というビジョンの実現に向け、創業以来取り組んできた「ビジネス×IT」で人材育成をリードしていきたいと考えています。現在、日本ではDX化が推進される中、情報通信業にIT人材が多く集中しています。一方で、金融業や製造業を含む様々な業界においてもIT・DX人材の育成が急務となっています。その中で当社のサービス・事業を通して、IT・DX人材の育成及び輩出をより加速させることで、企業の生産性向上やイノベーションを実現し、日本のIT人材不足の解消やデジタル競争力の向上に貢献することが、私たちのビジョン達成への道となります。そして、IT人材育成の分野でトレノケートが最も認知される企業になることを目指しています。
この目標達成のために、当社の従業員には“日本で最も成長し続ける人材”であってほしいと考えています。そのためには、『最も成長できる環境』を企業として提供する必要があります。この基盤となるのが、「チャレンジを楽しむ」というバリューです。従業員がチャレンジをしやすい環境として、リモートワークの利用やスキルアップ・資格取得を支援する仕組み、従業員同士の交流を促すためのレクリエーション費用補助などを整えています。もちろん、これで完結したものではなく、今後も個々の従業員が様々なチャレンジを行い、成長したいと考える人たちが働きやすい環境を作り続ける事が私たちの目標です。
- 氏名
- 早津 昌夫(はやつ まさお)
- 会社名
- トレノケート株式会社
- 役職
- 代表取締役社長