◉強気材料


強気材料として大きく3つ挙げられます。以下で一つずつ紹介していきます。

①過去25年間の大型上場の勝率

以下の表は過去25年間の大型上場の際の公募価格と初値の関係性を表したグラフです。ご覧のとおり、初値が公募価格を上回る確率が極めて高いことがわかります。

初値騰落率が60%を超えるものもあり、全体として勝率は高いです。大型上場のIPOは投資家にとって低いリスクで良いリターンを得るチャンスでもあります。

また上記で紹介したJALと本IPOとを比較してみると極めて似ていることがわかります。
現在の JAL <9201>の株価が5040円(6月22日現在)ですので、アベノミクス効果は当然ありますが、小型株に比べて流動性が急激に下がることがない大型株は長期保有するメリットもあるといえそうです。

②群を抜く堅調さ

飲料品業界は、競争の激化や厳しさを増す経営環境などにより、国内市場では低収益、低成長が続いています。
しかし、その中でサントリーHDの業績は目を見張るものがあるます。2011年度までは7期連続で増収増益であり、12年度も減益とはいうものの、その額はわずかです。これは、国内に比較し、高い売上高営業利益率を誇る海外市場に強みを持っていることがその一因と考えられます。海外市場の利益率は7.7%と、国内が中心のキリンの飲料セグメント1.3%、アサヒの2.7%と比べ、高い数値となっています。

また、サントリーは2020年の売上高目標を2億円としており、この値は成熟した国内セグメントの売り上げ増加で達成できるとは考えづらい数値です。更なる海外企業のM&Aを続けることを予定していると考えられます。

③魅力的な成長戦略

サントリー食品インターナショナルは、今後の成長戦略として1.グループ拡大に取り組み、“グローバル総合酒類食品企業”として成長、収益率を強化すること(シナジー効果の発揮)と、2.M&A等を行い、東南アジア、オセアニアなど世界各地に展開し、商品開発技術やブランドを国や会社の枠組みを超えて発展させることを挙げています。
具体的には、今回のIPOによる資金調達額約4700億円(予想)を用い、3500億円を国内外における戦略投資、主に海外企業のM&Aに使用する予定です。

2009年のオランジーナシュエップ社の買収、成長に成功しているため、戦略投資に対する投資家たちのイメージも良く、サントリー食品インターナショナル株の魅力を高めているといえるでしょう。現時点で既に、オランジーナを初めとして、米州ではペプシボトリングベンチャーズグループ、オセアニアではフルコア社、中国ではアジア子会社といった強固なブランドを傘下に収めています。