圧倒的な知名度を誇るサントリーHDの中核会社、サントリー食品インターナショナルが7月3日に東証一部に上場予定であり、大きな注目を集めています。

6月18日から21日までの間でブックビルディング(以下BB:投資家に需要量と金額を確認)が行われ、同24日に公募価格が決定します。

今回は迫りくる申込期間(6/25~6/28)、そして上場を迎えるにあたり、サントリー食品インターナショナルの株式は買いなのか、待ちなのかを徹底検証してみたいと思います。

【参考】

大型上場相次ぐ?IPOブーム到来の予兆[前編]〜過去の戦績と政府系上場説のまとめ〜
大型上場相次ぐ?IPOブーム到来の予兆[後編]〜西武、リクルート、、連発する非上場の巨人達〜


◉今回のIPOの概要


今回のIPOは、高い知名度を誇る非上場の雄、サントリーHDの子会社の上場ということで、国内だけでなく世界からも注目される案件となっています(グローバルオファリングのため世界中で販売されます)。

国内の主な主幹事は野村證券、三菱UFJモルガンスタンレー証券であり(2社で約70%を占めます)、国外はMorgan Stanley & Co. International、Nomura International、J.P.Morgan Securities、Citigroupが主な主幹事となります。
なお、BB開始前の想定価格は3800円、BBによる予想額は3000円~3800円、資金調達額は最大でおよそ4700億円と予想されています。そして、上場後の時価総額は飲料業界第二位のアサヒグループHD(時価総額約1.20兆円)に迫る約1.17兆円になると予想されています。

また、今回の上場は昨年のJAL以来の大型上場とも呼ばれており、混乱する地合いのもとでどのような価格形成がされるのか、大変注目を集めています。


◉今後の株価決定の流れ


混乱する相場を踏まえ、株式の仮金額の予想幅が広めに、特に下限が広めにとられました。
なお、今回の公募価格は通常通り、ブックビルディング法(BB法)によって決まります。BB法とは一般的に需要積み上げ方式と呼ばれ、引受証券会社が、以下のプロセスに基づいて、公募価格を決定します。

⑴株価算定能力が高いと思われる機関投資家等の意見をもとに仮条件を決定。
⑵その仮条件を投資家に提示し、その値段での投資家のニーズを調査する。

この際、強気な姿勢をとるのか、弱気な姿勢をとるのかで公募価格と資金調達額が変わってきます。そこで以下では、サントリー食品インターナショナルの株が買いであるのか、それともそれほど魅力的ではないのかを検証していきます。