以前、 ネット選挙解禁!夏の参院選に向けて注目される新事業と関連銘柄って? を執筆しましたS.Kです。

2013年は、活況が続く株式市場のもと、新規株式公開(IPO)ブームが到来するのではと言われています(5月23日に1143円安以降、調整局面を迎えていますが)。

IPO株式は投資家にとって魅力的と言われていますが、それはなぜなのでしょうか。また、今回のIPOブームでは大企業による大型上場も多いのではと噂されていますが、大型上場にはどのような魅力や問題があり、関連企業に対して、どのような影響があるのでしょうか。
今回は過去のIPOブームの例なども参考にしながら、上記の問いに答えていきたいと思います。

参考:

市場を賑わすLINE(ライン)上場説とその影響【前編】~急成長モデルの裏側を追う~
市場を賑わすLINE(ライン)上場説とその影響【後編】~ソーシャル王者達との比較と関連銘柄のまとめ~

(※写真の出典:朝日新聞デジタル)


◉IPOブーム到来の兆し


IPOブーム到来の兆しは昨年末から現れ始めていました。
上場一年以内の銘柄の値動きを示すQUICK IPO インデックス(単純平均)は、昨年末から33%の上昇率を見せており、これは日経平均株価の上昇率19%を大きく上回っています。(2013年3月13日時点)

また、ミドリムシを活用する異色企業の ユーグレナ <2931>は、2012年12月に上場を果たし、売買代金がトヨタ自動車に迫る日があるほどの人気株となりました。

IPO銘柄の数は、リーマンショックの翌年である2009年の19社を底に上昇し続けており、本年度は知名度・実績を誇る大企業も含めて60社ほどが上場するのではないかと予想されています。


◉そもそも株式公開(IPO)とは?


未上場会社の株式を証券市場(株式市場)において売買可能にすることを指します。株式を(公募や売出しによって)新規に公開することから新規公開、IPO (initial public offering) とも呼ばれています(以下はIPOに統一します)。
そして、多くの場合IPO株の初値は公募価格よりも高い値をつけることが多いことで知られています(特にネット企業や新しい技術を持つ会社のパフォーマンスは圧倒的に高い)。

通常、企業の株式の価値は上場すると、(上場後の投資家が集まっている時には特に)高まりやすくなります。
なぜなら、IPOには以下のようなメリットがあるからです。

上場による企業側のメリット

①直接金融が可能となり、資金調達リスクを分散することができる。
②上場によって企業の知名度・信用度が上昇する。またそれにより優秀な人材が確保しやすくなる。
③投資家を意識した経営を行うようになり競争力が増したり、経営の健全性が増す。

厳しい上場審査を突破する必要がありますが、その見返りは大きいでしょう。

上場による投資家側のメリット

①既存株主にとっては株式の市場売却によって投下資本の回収が容易になるなどの利点がある(流動性が高まる)。
②既存の上場株式よりIPO株式の方が値動きが激しく、収益機会が多くなります。

企業、投資家の両者にメリットがあるためプラスの予想が働き、IPO株式の初値が公募価格より高くなるという現象が起きやすくなることが多いのが現状です。

以下では過去のIPOブームの例を振返ってみましょう。