こんにちは。
以前、 国内系生保VS外資系生保~各々の歴史と戦略の攻防を振り返ってみた~ 新時代の保険セールスとは?~“本物”に選ばれる保険営業マンの3つの共通点~ などの記事を書かせて頂きましたNADです。

普段はFP事務所兼保険代理店を経営し、主に富裕層向けに保険のセールスや相続コンサルティングなどを行っております。

富裕層の財産に対する考え方は、如何にその財産を増やすかということ、如何にその財産を後世に承継するかです。
今回は相続や承継と保険の関係についてお伝えしたいと思います。


◉相続対策としての保険


一昔前までは生命保険というものは死亡すれば(基本的に)遺族が保険金を受け取れるという金融商品で、要するに命の代償でしかありませんでした。収入が多い人には大きな保障を遺族に残す必要がありましたし、そうでない人にはそれなりにといった考え方を前提にしたものだったのです。

つまり、財産を増やすとか、財産を承継する手段ではなかったのです。

しかし、今や生命保険で財産を効率的に増やすことも合理的に承継、つまり相続する対策にもなり得ます。例えば年金保険や一時払い終身保険は、銀行の大口定期よりはるかに運用利回りが良い商品です。もちろん、中途解約による元本割れの可能性はあります。
ですが、富裕層がそれらを買ってすぐに売らねばならない状況になりにくいのが現状です。

以前は、投資信託がその役割を担っていたのですが、2008年の金融危機や2010年からの欧州債務金融などの頃から、こういった金融商品の販売高が伸びてきています。
また、外貨建ての商品なら為替差益も得ることが可能です。

そして、保険が運用商品として見直され出した理由として、掛け捨ての定期保険にした場合と終身保険で貯蓄型の保険にした場合とでは、全く資金の効率が違ってきます。そこは貯蓄型が良いのに決まっており、多くの方がそのことに気づき出していることも一つの要因かもしれません。
今まで、定期保険の掛け捨てタイプに入っていて貯蓄型の終身保険に変えれば、掛け捨て分が無くなります。イコール財産の増加ということです。


◉高まる相続対策への関心


今、特に関心を持たれているのが財産を如何に効率よく承継するかです。いわゆる相続対策ですね。
平成25年度の税制改正以降、特に注目を集めいています。実質的な改正は平成27年度からですが、詳細は国税庁のホームページをご覧になってください。

あまり細かな数字を書き示すことはしませんが、現法は定額控除5000万円プラス法定相続人1人当たり1000万円の基礎控除があります。それが改正法では40%削減、つまり3000万円プラス法定相続人1人当たり600万円となります。
このため、現法においては100人に4人しか相続税を支払わなくてよかったのが、100人に6人が相続税を支払うという計算になります。

そこで、いかに相続税を効率よく抑えるかということで、現在私の事務所にも相談が増えてきています。
まず単純な方法では、相続財産を減らす手があります。どのように減らすのかが問題になってきますが、実は相続財産を減らすという方法にはいろんな方法があります。
基本的には、財産を減らすためにまず贈与をするということですね。暦年贈与でしたら毎年、基礎控除の110万円内でしたら当然のことながら非課税です。また、それでは相続課税財産が減らすことができないということなら310万円までなら最低税率で贈与できます。

なお、この時に注意しなければならないことが名義預金です。税務署は大きな相続では、税務調査時に必ずこれを徹底的に調べ上げます。例えばその預金通帳に三文判が使われていたり、お金が入金されているだけで引出がないとか名義人と親(被相続人)の住所が離れているのに通帳の住所が親の住所近辺であったりするとまずいですね。

また、もしそれをクリアしていたとしても、親としては贈与したお金は簡単には使っては欲しくないものです。そこで被相続人と相続人双方の要望をかなえてくれるのが生命保険の活用です。