【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

4月29日は「昭和の日」。昭和天皇の誕生日であり、2007年に「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という目的で制定されました。日本人なら昭和という元号に感じる哀愁。「哀愁でいと」は、田原のトシちゃんのデビュー曲。思い切り昭和に浸れる旅館「えりも観光館」を紹介します。

風速10m/s以上の風が吹く日が260日も続く風の街

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

えりもと言えば、往年のライダーは森進一さんの名曲「襟裳岬」を思い出すでしょう。歌詞では「何もない春」と言われていますが、えりも岬沖にはアザラシが定住し、春には子育てする姿が見られます。風が強いことでも有名で、風速10m/s以上の風が吹く日が、260日もあります。

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

えりものことを知りたいのなら、岬にある「風の館」に行ってみましょう。「えりも風体験」という施設で最大風速25m/sを体験できます。体ごと持っていかれる感覚に「スゲー」と驚くのはまだ早い。えりも岬では、年に数回、それを上回る風速が発生しています。

時間が止まったような「ボロいい宿」

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

バイクにとって風は大敵。走行が難しいようなら無理をせず宿泊することを勧めます。えりも観光館は、えりも岬まで徒歩7分の場所にある旅館です。公式ホームページにも「海辺にたたずむ昭和の宿です」とあるとおり、ボロさ…いや、古さ…いや、レトロな感じを打ち出しています。実はワタシ、腕利きのボロ宿ハンターで、これまでモトメガネで紹介した二つの宿が、テレビ朝日系の「ボロいい宿(1年に1回放送)」という番組で紹介されました。

2023年放送 雪月花廊(北海道・喜茂別町)
https://www.motomegane.com/news-release/camp-touring/hokkaido_riderhouse_20230620

2024年放送 宮内温泉旅館(北海道・島牧村)
https://www.motomegane.com/news-release/camp-touring/hokkaido_shimamaki_touring_20240118

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

まずは外観を見てみましょう。昭和30年代に建てられたといわれる建物は、現役バリバリ。潮風によるヤレ感がいい味を出しています。長い月日を経て、いつしかレトロと呼ばれるようになったそうです。宿の前は砂利なので、サイドスタンドの停車は注意が必要です。

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

館内に入ると、エゾシカのはく製が迎えてくれました。夕暮れになると野生のエゾシカが、近くの襟裳神社の周りに集まってきます。散歩に行くのもいいですが、糞を踏まないように注意してください。

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

廊下に敷かれたカーペットは染みだらけ、トイレや浴室のタイルも欠けています。ただし部屋はきれいに掃除されていますし、和式だったトイレも洋式に変えるなど、お客さんが不快にならない努力の形跡が見えます。

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

客室には黒電話が置かれています。若いライダーは、使い方を知らないのではないでしょうか。バーベルのような受話器を取ってから、円盤の数字に指を突っ込んで、時計回りに回すと、フロントに繋がります。しかし、こんなことを説明する時代が来るとは思いませんでした!

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

「朝日と夕日を望むことができる」が、宿の自慢。温泉ではありませんがお湯に浸かりながら太平洋を眺めることができます。

【北海道】レトロ感満載のボロいい宿 えりも観光館
(画像=「Moto megane」より引用)

えりも町役場の宿の紹介には「襟裳岬の雄大な景色と開放的な空間で、忘れかけていた何かを見つけ出すことができるかもしれません」と書かれています。最後のくだりは松山千春さんの「オホーツクの海」をオマージュしていますね。