この記事は2024年3月22日にSBI証券で公開された「【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄」を一部編集し、転載したものです。

【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

目次

  1. 【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄
  2. 株主優待の一部をご紹介
    1. トリドールホールディングス(3397)
    2. なとり(2922)
    3. マツキヨココカラ&カンパニー(3088)
    4. TOKAIホールディングス(3167)

【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄

日経平均株価は短期的な調整から回復し、3/21(木)には再び年初来高値を更新しました。日銀金融政策決定会合(3/18・3/19)、FOMC(3/19.3/20)という2大イベントを大過なく通過し、市場のリスク許容度が向上したことが要因です。

市場が警戒していたのは、日銀金融政策決定会合を経て金利上昇や円高の傾向が強まることや、FOMCでFOMCメンバーのタカ派的な姿勢が強まることであったと思います。それらの懸念が後退したことで、当面はリスク要因が少なく、上昇しやすい投資環境が期待されそうです。今後は、3月期末を控え、投資家の思惑が交錯し、株価の振幅が大きくなる可能性に注意したいところです。

そうした中、今回の「日本株投資戦略」も3月に権利が確定する銘柄を対象に、株主優待を特集することにしました。

2024年3月を権利確定月とする株主優待銘柄の分析については、今回が最後です。掲載銘柄のすべてが3/27(水)を権利付最終日としており、3/28(木)以降に買い付けても、2024年3月の株主優待について権利を確保することはできませんのでご注意ください。

日々の株価に一喜一憂することなく、株主優待を楽しみながら投資することは、確かに投資初心者の方には心理的ハードルが低いと見受けられます。しかし、上記したように株価が高くなってきたことで、株価が振幅するリスクや、業績変動等による株価の上下等のリスクは残ることになります。「優待投資」とはいえ、リスクを管理する必要が小さい訳ではありません。そこで、今回は好業績の優待銘柄にこだわったスクリーニングにしてみました。

なお、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃいます。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。

さて今回、「3月末株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。

(1)東証プライム市場上場銘柄
(2)3月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、閲覧回数ランキング上位50銘柄(3/19時点)以内
(3)3/19(火)までの20営業日で、1営業日当たりの平均出来高が2万株以上
(4)株主優待の権利を確保できる最低投資金額が50万円未満
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)直近四半期営業利益(累計)が前年同期比黒字転換または、増益率が通期会社予想増益率を上回る
(7)3/27(水)を権利付最終日として、株主優待の権利を確定
(8)信用取引上の規制銘柄、注意喚起、日々公表銘柄に該当しない(3/22時点)
(9)株主優待内容に金銭換算表示がある場合は、株主優待の権利を確保できる最低投資金額当たり1,000円以上

図表の銘柄は、(1)~(9)の条件をすべて満たしています。 また、これらはSBI証券の「株主優待検索ページ」にて、閲覧回数の多い順番(3/19時点)で並べられています。

【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄 【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄 【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

株主優待の一部をご紹介

トリドールホールディングス(3397)

「丸亀製麺」を主軸に、国内1,000店舗、海外700店舗以上を運営しています。丸亀製麺以外にも「天ぷら まきの」や「コナズ珈琲」など国内外で複数のブランドを展開しています。海外事業に注力中で、昨年7月にも英国Fullham Shoreを子会社化するなど積極的です。

足元の業績は、堅調。24.3期3Q(23.4-12月)は、同時期として過去最高の売上高・事業利益を達成しました。海外事業の伸びも目立っている形です。

株主優待は以下の内容を年2回(3月末・9月末)を基準日として実施予定です。

【3月末権利確定】好業績期待で投資家に人気の株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

利用枚数に制限はなく、他の金券、割引券、クーポンとの併用も可能となっています。3月末の優待を獲得した場合、優待券の発送は6月中旬発送される予定です。約1年の利用期限がある点にはご注意ください。トリドールの展開ブランドで食事をする方に、お得な優待内容です。

なとり(2922)

「あたりめ」などの水産加工製品を中心(23.3期売上構成比42%)に、おつまみ品の製造・販売を主業務としている会社です。24.3期3Q(累計)は売上高368億円(前年同期比5%増)、営業利益22億円(同193%増)と好調でした。価格改定製品が市場に浸透したことや、おやつ需要の取り込み等が奏功しました。

24.3期通期では売上高457億円(前期比1%増)、営業利益16.5億円(同165%増)が会社計画。1株配当は上期11円、期末(予定)11円で年間22円の計画です。3/27(水)時点で同社株を保有する株主に以下の株主優待品が贈呈される計画です。

・100株以上1,000株未満を保有する株主・・・ 2,500円相当(市価)の当社製品詰め合わせセット
・1,000株以上3,000株未満を保有する株主・・・ 3,500円相当(市価)の当社製品詰め合わせセット
・3,000株以上を保有する株主・・・ 4,500円相当(市価)の当社製品詰め合わせセット

マツキヨココカラ&カンパニー(3088)

1932年に故松本清氏が現在の松戸市に開業した「マツモト薬舗」がルーツ。2021年にココカラファインと経営統合し、現社名となりました。ドラッグストア・保険調剤薬局を営む小売部門と管理サポート部門からなっています。24.3期3Q(累計)は売上高7,703億円(前年同期比7%増)、営業利益587億円(同21%増)と増収増益。24.3通期では売上高1兆300億円(前期比8%増)、営業利益755億円(前期比21%増)の計画です。

1株配当は上期50円の実績。23年9月末株主を対象に1→3株の株式分割を実施し、分割後の1株に対しては期末17円の配当を予定しています。3/27(水)時点で保有の株主には保有株式数に応じ、同社グループ店舗で使える商品券が贈呈される予定です。

・100株以上500株未満を保有する株主・・・ 2,000円分の商品券
・500株以上1,000株未満を保有する株主・・・ 3,000円分の商品券
・1,000株以上を保有する株主・・・ 5,000円分の商品券

TOKAIホールディングス(3167)

当社はグループで、LPガス販売や情報通信サービスなど数多くの事業を手掛けています。売上高構成比(23.3期)は、エネルギー45%、建築設備不動産12%、CATV15%、情報通信23%、アクア3%他となっています。エネルギー事業では、LPガス小売事業が国内大手です。また、電力小売事業では東京電力HDと業務提携しています。 3月末を基準として、100株保有の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です(いずれか1つ)。

(1)天然水(500ml入)12本
(2)天然水宅配サービス(12l入)1本
(3)クオカード500円相当
(4)自社グループ食事券1,000円相当
(5)自社グループ会員サービスポイント1,000ポイント付与
(6)自社モバイルデータ通信サービス利用料割引(350円割引×6ヵ月分)

これらは、300株以上の保有、または5,000株以上の保有でさらに高額の贈呈になる予定です。

なお、100株以上を保有する投資家に対しては上記に追加で、自社グループ結婚式場婚礼10%割引券と、自社グループ食事20%割引券12枚も贈呈される計画です。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数