本記事は、山﨑 拓巳氏の著書『やる気のスイッチ』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=Ratana21 / stock.adobe.com)

不要な「マイルール」に気づく

あなたはコンセンサスリアリティ(合意上の現実)の中にいます。

テーブルの上に足を乗せてはいけない。食事中に立ち歩いてはいけない。列に横入りしてはいけない。人を仲間はずれにしてはいけない……など。

コンセンサスリアリティとはこんな風に、子供のころから教わってきたルールによって作り上げられた現実。

この中にいると見えないものが見え、見えているものが見えなくなってしまいます。

たとえばこういう場面を想像してみてください。

砂場で遊んでいる子供が2人いて、「こっちから向こうが海ね!」「落ちたら3秒でサメに食われる〜。この石は地雷ね。踏んだら爆発するぞ〜!」とキャッキャ言いながら楽しんでいる。

そこにもう一人、なにも事情を知らない子供がやってくる。

はたから見ればただの砂場です。でも足を踏み入れた瞬間……「あ、そこ海だよ!早くこっちへ!」「え?」「サメが来るよ!」「え?」と言われて、戸惑いながらも、駆け足で逃げ出すかもしれません。

この瞬間、その子は合意したことになります。

つまり砂場の中で、新しい現実を見はじめたというわけです。

子供たちの取り決め。それによって作られる現実。

それを発展させていったものが、大人の現実=社会だとも言えます。

目の前の現実は、言わば「みんなとの約束によって見せられた現実」。

だから「絶対できない、なれない」と思ったら、それはあなたが知らないうちに「絶対できない、なれない」と刷り込まれ、そのような現実を「見せられている」だけかもしれません。

でもそれはただの思い込み。

決してあなたの行動が制限されているわけではないのです。

凹みまくったら「なーんちゃって」と言う。

凹むことが2、3回続いたら要注意です。

あなたの心は凹むようなものを、続けて「わざわざ」発見しようとしています。

心がそのモードになっているときは、次々と凹むようなことが起こっていきます。

遅刻しそうだ。カギが見つからない。鞄のチャックがハンカチを噛む。クルマをこする。スピード違反で捕まる……。

心は一種の動画配信サービスのようなもので、そのチャンネルはずーっと「凹む番組」ばかりやっているようですね。

「なんで私、こんなにイライラしているの?」とイライラをなくそうとして、さらにイライラを増幅させています。

心のスクリーンに映し出される「イライラする現実」は、次から次へとイライラを連れてきてしまいます。

だから起きているマイナスな出来事には、

心を引っ張られないこと。続けないこと。こだわろうとしないこと。

ぱっとチャンネルを変えるように、心のモードを変えて抜け出しましょう。

抜け出すために、使えるおまじないのような言葉があります。

それが「と、いうのはうそ!」もしくは「なーんちゃって」といった言葉です。

「ほんの冗談でした」と伝えることで、とりあえずイライラモードから抜けられます。

それでも何度も嫌な出来事が浮上してくるなら、何度も同じ言葉を思い浮かべればいい。

そして断ち切ることができたら、すかさず、「すがすがしい、さわやかな、やさしい、おだやかな」景色を心の中に映すのです。

そうすれば、また新しい現実をはじめることができます。

幼稚に感じるかもしれないけれど、 脳は言葉で思考するから、言葉を使うだけである程度方向転換できてしまうのです。

もし方向転換がうまくできないという人は、

悲しいことが起きたときにすかさず「よくあること、よくあること」 、それでも続くようだったら「修行、修行」、まだそれでも続くようだったら「まぼろし、まぼろし」 と言葉を重ねてみてください。

こうすれば、方向転換しなくても嫌なモードから抜けやすくなります。

やる気のスイッチ
山﨑 拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。事業家。ビジネスコーチ。「コミュニケーション」「モチベーションアップ」「お金の教養」などをテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地で開催し、高い人気を誇っている。
経営者としてニューヨークにラーメン店「タクメン」「タクサンド」を出店したり、アーティストとして国内外に絵画、Tシャツ、バッグを出展したり、映画出演を果たすなど多方面で活躍中。
主な著作に『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)、『さりげなく人を動かすスゴイ!話し方』(かんき出版)などがあり、著作累計部数は200万部を超える。
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