本記事は、山﨑 拓巳氏の著書『やる気のスイッチ』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

Concept creative idea and innovation.
(画像=Monster Ztudio / stock.adobe.com)

やり方は「わからない」方がうまくいく。

私たちの背後には過去があり、今この瞬間を生きています。

その行動は完全に自由ではありません。

ある時点から「過去の延長線上」にある行動を選択し続けているからです。

基本的には「わかる」「できる」「安心」な行動ばかり。

だから暮らしを向上させるために大事なことは、なにかをめざす際「どうやってやればいいのか?」を考えすぎないことなのです。

どうすれば実現するのか。方法は今の時点ではまったくわからない。

けれどとにかく本当にやってみたいこと、ワクワクすることにこそ価値があるというわけです。

それを私は「ぶっ飛んだ夢」と呼んでいますが、「ぶっ飛んだ夢」について考えたり、話したりするたびに、セルフイメージが勝手に変わります。

セルフイメージが変わると、特に具体的なアクションを起こしたわけでもないのに、本人がとっくに忘れたころなどに、夢の方からやってきたりするのです。

ひとつ練習をしてみましょう。

まずあなたの役割をすべて思い出してください。

たとえば家庭では「お父さん」「夫」、会社に行けば「マネージャー」、地元では「サッカーのコーチ」、実家では「次男」、両親にとっては「息子」……という具合に。

そしてそれぞれの役割ごとに、「本当に、心の底から、やりたいこと」を妄想してみてください。

できれば、普通なら「できるわけない」「やったらまずい」と思っているようなことがいいです。

「でもそんなのお金はどうすんの」「そんなに休めるはずないでしょう」「旦那さんがいるじゃないの」などといった諸条件は一切無視してください。

たとえば愛するパートナーがいたとしても、「新しいパートナーができた」という妄想はできるでしょう。

新しいパートナーができたら、一緒に行きたいと思う場所が思い浮かぶでしょう。

こんな景色で、こんなファッションをして、こんな会話をして、こんなホテルに泊まって……そんな妄想をふくらませていると、あふれてくる「感情」があるでしょう。

このときわかるのは、あなたが手に入れたいのは新しいパートナーではなく、その「感情」だということです。

私たちは数多くのタブーを抱え、さまざまな感情を無視して生きています。

しかしその感情の扉を開けないと、その向こうにある扉の存在に気づくことすらできません。

手前にある扉はタブーですが、妄想の力を使うことによって、そのタブーをスキップすることができるのです。

解決法は考えずに引き寄せるもの。

ここまでの話をおさらいします。

「次の瞬間に、自分はどういう行動を取るか?」

本来、私たちの目の前には無限の選択肢があります。

でも過去に「うまくいったこと」「まあまあだったこと」「ダメだったこと」の中から、すでに「ダメだったこと」は選択肢から排除されていて、「うまくいったこと」「まあまあだったこと」だけを選び続けています。

そんなことはない。私は勇気のある決断をしたことがある、という人もいるでしょう。

たしかにそれは、本人にとっては勇気のいった決断かもしれません。

けれどその決断だって、やっぱり過去の延長線上にあるのです。

過去の延長線上で、選択を繰り返すうちに、「あの人たちほどすごくはないけど、あの人たちほど悪くはない」「だいたい自分はこの程度だ」という見切りがあり、セルフイメージができあがります。

やがて、どんなにがんばっても、手を抜いても、自分は過去の延長上にいることに気づきます。

するとだんだん、新たな選択をすることすら億劫になっていきます。

その感情の変化を「もう大人だから」「年を取ったから」と誤解している人も多いです。

でも、そんなことはありませんよね。

セルフイメージさえ更新できれば、私たちはいつまでも豊かになれるのです。

ただ「私、なにをやっても、いつもこうなるな」と頭でわかっていても、どうすることもできない。

それほどセルフイメージは変わりにくいものです。

あなたが変わりたいと思っても、「現状維持」が生きていく上での第一目標。

あなたの潜在意識が、変化を嫌っています。

自分の力で、自分を変えようとしても難しい。

だからこうしてみましょう。

今まで恐れ多くて、考えてみたこともなかったことを妄想してみる。そういう場所に足を運んでみる。そういう人たちの輪に飛び込んでみる。

それだけで、セルフイメージは一気に動きはじめ、突然いてもたってもいられなくなるほどやる気が湧いてきます。

でも残念ながら、翌日から3日目くらいにそのやる気はどこかに消え「なんであんなにやる気があったんだろう?」と疑問に思うことになるでしょう。

でもそれは生命を守ろうとするホメオスタシス(恒常性)の仕業なので、気を落とす必要はありません。

すべては「ゴールが先。どうやるかは後」。

心からのぞむゴールがあり、そのゴールに合わせてセルフイメージを更新する。

そうすれば今はやり方がわからなくても、スコトーマ(心理的盲点)がことごとく外れて、「どうすればうまくいくか?」の答えは向こうの方から現れるのです。

やる気のスイッチ!
山﨑 拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。事業家。ビジネスコーチ。「コミュニケーション」「モチベーションアップ」「お金の教養」などをテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地で開催し、高い人気を誇っている。
経営者としてニューヨークにラーメン店「タクメン」「タクサンド」を出店したり、アーティストとして国内外に絵画、Tシャツ、バッグを出展したり、映画出演を果たすなど多方面で活躍中。
主な著作に『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)、『さりげなく人を動かすスゴイ!話し方』(かんき出版)などがあり、著作累計部数は200万部を超える。
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