トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「トルコには為替レートの目標はなく、インフレ抑制が主要目標」トルコリラ見通し

(通貨11位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.3-5.3

*介入後の円高から回復
*トルコには為替レートの目標はなく、インフレ抑制が主要目標
*インフレ抑制策は大統領、財務大臣、中銀総裁で一致
*政策金利は50%で据え置き
*今後の注目指標は
*カラハン中銀総裁、トルコはデインフレの瀬戸際にある
*リラ売り介入を実施とは!リラは長期的に安いが、急激なリラ高を懸念
*過去の急激なリラ安を是正するのではなく、現在の安定を望んでいる
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入
*予算削減額は予想上回る 夏にインフレ緩和=副大統領
*シムシェキ財務大臣、外貨準備増加を賞賛
*CDS低下
*株価は世界で断トツに強い
*約1年ぶりにリラ円は雲の上に
*シムシェキ財務相=経済は正しい軌道上にあり
*貿易・経常赤字は改善せず
*S&P、フィッチは格上げ
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
*預金の4割が外貨預金であることもリラ安要因

(介入後の円高から回復)
 介入後の円高から回復してきている。年間最下位の円を少し引き離した。月間では9位、年間では11位と強くはないが、安定してきた。株価指数(イスタンブール100)は年初来42.66%高で世界でも群を抜いている。10年国債は27.86%で依然、高止まりしている。
(政策金利は50%で据え置き)
トルコ中銀は5月23日、政策金利を50%に据え置いた。インフレリスクを引き続き警戒しているとし、向こう数カ月間は政策変更は行われない可能性が高いとの見方を示した。
1年にわたる積極的な引き締めサイクルの効果が出るには時間がかかると見られる中、中銀は据え置きを決定。据え置きは2会合連続で、予想通りだった。
中銀は「インフレリスクに引き続き細心の注意を払っている」とし、「月次ベースのインフレ率の基調的な傾向が大幅、かつ持続的に低下するまで」引き締め姿勢を維持すると改めて表明した。

(最近の指標結果と今後の注目指標は)
5月企業信頼感指数は105.4で前月の106.1から悪化。
今週は4月貿易収支(最終値)、5月経済信頼感指数、中銀議事録、5月外貨準備、1Q・GDPの発表がある。

6月には5月消費者物価で70%を超える予想だ。5月生産者物価や、製造業PMI、5月貿易収支なども発表される。

(トルコには為替レート目標はなく、インフレ抑制が主要目標)
 シムシェク財務大臣は金曜日、インフレ抑制の確保がトルコの中期経済計画の主要目標であると断言するとともに、政府には為替レートの目標がないことを強調した。大臣は、インフレ抑制策が成功すると通貨の実質的な上昇が伴うことを示していると述べた。

 「我々のプログラムの主な目標はデインフレだ。我々は明示的あるいは暗黙的な為替レート目標を持っていない」とX(旧ツイッター)に書いた。

 現在70%近くで推移しているインフレ率は、5月に75%までピークに達すると予想されており、6月からは総合インフレ率の低下が始まると予想されている。
年末までに38%になると予想している。

政府はマクロ金融の安定を維持し強化するための措置を継続的に講じていくと強調した。
 「ルールに基づいた予測可能な政策が成功するにつれ、信頼が高まり、ポートフォリオの選好はトルコリラにシフトし、我が国への資本流入が加速する。トルコリラ資産への海外の関心が高まるにつれ、我が国の銀行と実体経済部門は海外から長期的かつより有利な資金を確保する」と述べた。

 また多くの海外の銀行からの同国への融資機会も増加していると指摘した。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

円買い介入でも円を引き離し浮上

 日足、円買い介入で下げた4.661から浮上。ボリバン上位。ただ介入の高値4.897との半値の4.779を上抜く強さあり。5月16日-27日の上昇ラインがサポート。4月29日-5月27日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン2σ下限から上位へ。5月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。2月12日週-4月29日週の下降ラインが上値抵抗。5週線き、20週線上向き。
 月足、2σ下限近辺で推移。3月-4月の上昇ラインがサポート。12月-4月の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか。
 年足、9年連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。円との熾烈な最下位争いから抜け出し、リラは12通貨中11位へ。

トルコリラ見通し
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メルハバ

カラハン中銀総裁、トルコはデインフレの瀬戸際にある

 カラハン中銀総裁は、トルコはデインフレの瀬戸際にあり、それを達成するために必要な決意を維持すると誓った。「我々は、デフレーション軌道の実現に必要な決意を堅持していく」と述べた。

 カラハン総裁は、「物価安定の確立」が社会の幸福に最も大きく貢献することを認識していると強調した。

 現在70%近くで推移しているインフレ率は、5月に75%までピークに達すると予想されており、6月から総合インフレ率は低下し始めると予想されている。

 インフレ率が2025年末までに14%まで低下し、2026年には1桁台に達するとの銀行の予測を改めて強調した。想定されるデフレ軌道の主な推進要因として「国内需要のバランス、インフレ期待の改善、トルコリラの安定傾向とリラ建て金融資産の需要増加」を挙げた。また、財政政策がディスインフレのプロセスを支援するものであると評価した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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