“上場廃止予備軍”の存在も
TOBはリーマンショック後の2009年に年間79件を数えた後、2010年代は40~50件で推移し、14年には36件まで落ち込んだ。息を吹き返した20年は60件、21年は70件に伸ばした。東証市場再編のあった22年は一服したが、23年は74件と勢いづいた。24年も今のペースなら70件超えが確実視される。
上場企業を巡っては、東証によるPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消要請など、資本コストと株価を意識した経営が強く求められるようになり、上場維持のハードルがより高まっている。
また、2022年4月の東証の市場再編から2年余りが経過。上場維持基準を未達でも暫定的に上場を認める「経過措置」が2025年3月以降に順次終了するのに伴い、“上場廃止予備軍”を標的としたTOBや、自らの判断で株式市場から退場するMBOに活路を求める動きが広がる可能性がある。
文:M&A Online