南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「7月消費者物価は低下、9月利下げは濃厚に」南アランド見通し

「通貨2位、株価10位」
「予想レンジ 南アランド円7.9-8.4」

(ポイント)
*年間で英ポンドと首位争い
*7月消費者物価は低下、9月利下げは濃厚に
*企業景況感が改善
*小売売上も好調
*雇用を除く経済指標は強い
*債券市場に海外資金が流入
*電力事情は改善
*IMF、南アの2024年の成長率予測を1%未満に維持
*財務長官が財政改革を明言
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も
*停電の改善は成長を高めるか
*15年ぶりの基礎的財政黒字を達成
*中国と南アの関係は強化されている
*グレーリスト解除は来年か

(英ポンドと首位争い。先週は2位へ後退)
 8月12日週は首位にたったが、先週は英ポンドに抜かれ2位へ後退した(年初来)。
 南ア全株指数は年初来9.07%高、10年国債利回りは、今後の利下げ観測もあり、今年のピークの11%から現在は9.07%まで低下している。

(7月消費者物価は低下、9月利下げは濃厚に)
7月の消費者物価上昇率は前年同月比4.6%と、前月の5.1%から鈍化した。
 予想の4.9%を下回る3年ぶりの低水準となり、中銀が来月に利下げを開始するとの観測が高まっている。
 中銀はインフレ率について、目標レンジ(3-6%)の中間値となる4.5%前後が望ましいとしている。
 タカ派の中銀も利下げしない口実が尽きており、大幅利下げを検討せざるを得なくなっている。今回の指標が9月の利下げを「決定付けた」とし、インフレ率は年末までに4%を下回る可能性がある。

(企業景況感が改善)
南アの企業景況感は、国民統一政府(GNU)の成立を受けて7月に4カ月ぶりの高水準に上昇したが、これは主に新車販売の増加とランド高の為替レートによるものだ。
景況感指数(BCI)は109.1となり、6月の109からわずかに上昇し、4月に5.8ポイント、5月にさらに1.1ポイント低下した後、3月の114.7以来の高水準となった。
これは、5月の選挙前に大幅に落ち込んだものの、連立政権の樹立とともに回復し始めた企業心理の緩やかな改善を反映している。

(小売売上も好調)
6月の小売売上は予想の前年比0.4%増をはるかに上回る伸びを示し、4.1%増となった。小売業は4カ月連続で増加し、2022年7月以来の最高の伸びとなった。最も大きく貢献したのは、繊維、衣料、履物、皮革製品の小売業者だった。