トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「トップ銀行家、11月に利下げサイクルが始まると予測」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.0-4.5

*弱いリラが継続、対ドルで34台のせ
*政策金利は50%維持
*11月に利下げ予想(最大民間金融機関9
*来週はGDP CPIが発表される重要週
*財務大臣辞任の噂が流れる
*観光は好調
*エルドアン大統領は依然高金利を嫌っているとのメモが出る
*失業率悪化、若年層が高い
*6経常収支が9か月ぶりの黒字に回復
*7月消費者物価は低下
*中銀は現在利下げを検討していない 副総裁
*外貨準備増加で、海外当局からの外貨預金を返済中
*エルドアン大統領、イスラエルの戦争に介入示唆
*ムーディーズが2段階格上げ
*IMFは成長見通し引き上げ
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*5月月間予算黒字が過去最大に
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入

(弱いリラが継続)
 弱い、12通貨中、先週は11位、今月は最下位、年初来でも最下位に位置している。株価ではイスタンブール100指数は、ピークでは年初来50%高であったが、現在は世界トップは維持しているが年初来28.05%まで伸び幅を縮小している。10年国債利回りは高止まりし28%台だ

(トップ銀行家、11月に利下げサイクルが始まると予測)
トルコ中銀は今年後半に利下げサイクルを開始する見込みで、2025年末までに借入コストが半減する可能性があると、同国最大の民間金融機関のイスバンクのCEOが明らかにした。

「最初の利下げは11月に行われ、政策金利は47.5%に引き下げられる可能性がある」とイスバンクのアラン最高経営責任者は語った。2025年には「政策金利は25%に下がる可能性がある。そうなれば銀行のバランスシートはいくらか緩むだろう」と語った。

トルコは昨年のエルドアン大統領の再選以降、正統派金融政策に回帰し、インフレ対策として金利を50%に引き上げたため、融資需要が落ち込み、商業貸付業者の利ざやは圧迫されている。2020年半ば以降、経済は四半期ごとに成長しているが、景気後退への懸念は強まっている。

「ハードランディングや景気後退については心配していない」とアラン氏は述べた。「現在の政策により、トルコは物価安定を達成し、潜在成長率よりは遅いとはいえ成長を維持できると信じている」と述べ、年末には成長率が3.5%、インフレ率が42%に鈍化すると予想していると付け加えた。

カラハン総裁率いる中銀は、主要金利を5カ月連続で50%に据え置き、年末のインフレ目標を現在の62%から38%に引き上げることを目指している。アラン氏は、同時期にリラが米ドルに対して38~39リラに下落すると予想している。

(来週はGDP CPI)
来週は2Q・GDP、8月消費者物価と重要指標の発表がある。GDPは前年比で3.6%の成長予想で1Qの5.7%を下回る。その他8月製造業PMIの発表がある。

(財務大臣が辞任したとするソーシャルメディアの虚偽投稿を調査)
 トルコの資本市場委員会(SPK)は、シムセク財務相が辞任したとの虚偽の主張をソーシャルメディアに投稿したとして捜査を開始したと発表した。この投稿によりイスタンブール証券取引所の株価が急落した。

同国の市場監視機関は、「証券取引所の投資家を欺き、損失を被らせた」口座に対する調査が進行中であると述べた。

「辞任はしていない。流布されているシナリオは真実ではない」とシムセク氏は、トルコの経済政策の方向性に対する批判を受けて辞任したとする投稿に応えてXで述べた。

ユーチューブやXなどのサイトに投稿された投稿は、シムセク氏が高金利と経済引き締め政策への批判を受けて辞任したと主張した。これにより、世界でも最も高いインフレ率と戦う政府の計画の将来に対する懸念が高まった。

シムセク氏は、トルコの経済運営は「チームスピリットを持って行われており、我々が負っている重大かつ困難な責任を認識している」と述べ、エルドアン大統領は引き続き強力な支持者であると付け加えた。

「我々の経済安定と改革プログラムは成功しており、目標としていた成果を達成し始めている」とシムセク氏は述べた。我々はこの困難なプロセスにおいて常に尊敬すべき大統領の力強い支援を感じている。

シムセク氏は、物価安定よりも経済成長を優先する非伝統的な政策から国を遠ざけたテクノクラートのチームの一員として、2023年半ばにトルコの経済運営を引き継いだ。

しかし、借入コストの上昇により家庭や企業の負債管理が困難になり、多くの消費者が物価上昇が収入を上回っていると不満を言い始めている。

エルドアン大統領は、インフレが高止まりする中での時期尚早な利下げに対して投資家が警告しているにもかかわらず、経済成長を促すために低利融資を好んでいるため、高い借入コストに敵対的な姿勢を見せていることで知られている。