企業名アイキャッチ
(画像=株式会社ドットライン)
垣本 祐作(かきもと ゆうさく)
株式会社ドットライン 代表取締役 兼 グループCEO
千葉市立稲毛高校、日本社会事業大学 社会福祉学部卒、慶應義塾大学 法学部(通信課程)学士入学。 パソナグループ 株式会社ベネフィットワン(東証一部上場)にて、法人営業部として勤務後、ボートレーサー試験に合格し、ボートレーサー養成所(108期養成員)入所。退所後、起業。日本初のボートレーサー試験予備校を設立、合格者8割以上のシェア達成。2011年 株式会社ドットライン創業、2014年 医療・福祉事業開始。
株式会社ドットライン
医療・福祉事業開始から約10年間で、医療法人も含めて9社のグループ企業、160以上の事業所、従業員数1500名以上に急成長。高齢者、障がい者、子育て等の困っている人へのワンストップサービスを実現し、医療福祉分野で世界をリードする企業を目指している。※2023年東京商工リサーチ調べ

目次

  1. これまでの経歴や事業変遷について
  2. ブレイクスルーや転換点になった出来事について
  3. PDCAを回す上で重要視していること
  4. 今後の戦略と展望
  5. ZUU onlineユーザーに向けて一言

これまでの経歴や事業変遷について

ーーまずは、垣本社長がどのような経緯で起業に至ったのか、その背景を教えてください。

株式会社ドットライン 代表取締役社長・垣本祐作氏(以下、社名・氏名略):私が起業に至ったきっかけは、高校時代に遡ります。当時、ベンチャー企業が脚光を浴びる中で、私はビジネスの世界に強い関心を抱きました。学校生活にはあまり興味が持てず、むしろ退屈さを感じていた私にとって、ビジネスは自由でクリエイティブな世界に映りました。特に坂本龍馬のような人物に憧れ、彼が社会に影響を与えたように、自分も何かを成し遂げたいと思うようになりました。

ーー非常に早い段階でビジネスに目覚めたということですね。その後、福祉分野に進まれたのはどのような理由からでしょうか。

垣本:大学では福祉を専攻しました。社会に大きなインパクトを与える分野として、福祉こそが重要だと感じたからです。当時から福祉業界には経営の視点が欠けていると感じており、そこで私はビジネスの力で、この分野を革新できるのではないかと考えました。

大学卒業後は、ビジネスを学ぶべく、人材系の大きな会社に就職したのですが、大企業の組織が合わず、起業を視野に退職しました。しかし、金銭面の問題で一度お金を貯めてから事業を立ち上げようと思い、ボートレーサーを志しました。ただ、ボートレーサー試験に合格した後に、単にボートレーサーになるのではなく、クローズドだったボートレーサー試験対策を予備校形式で発信し、それをビジネスにしようと思いました。

結果、日本初のボートレーサー予備校を立ち上げ軌道に乗っていたのですが、最終的に成し遂げたいことではありませんでした。そんな時、はつらつとしていた祖母が元気を失い、家族がその介護に苦労している様子を見て「幸せとは何なのか」という問いを突きつけられました。

社会は物質的な豊かさや利便性を求める傾向にありますが、それは自分や家族の健康が保たれ、日常生活が正常に送れるといった大前提があってこそだと思います。人間の本質的な幸せは「生」の部分にある。それならば私のなすべきことは、やはりそこと深く関わる「福祉」にあるのだろう。すべての点と点がつながり、一つの線を描いたように感じられました。以来、本格的に医療・福祉事業へ乗り出し、今に至ります。社名「ドットライン」の由来となった出来事でもあります。

ーー様々なご経験が今の垣本社長を作っているのですね。その後、事業がどのように発展していったかお聞かせください。

垣本:大学時代に培った福祉現場での経験を活かし、最初は訪問介護からスタートしました。しかし、事業を進める中で、訪問介護だけでは限界があることに気づきました。特に、地域包括ケアシステムの導入が進む中で、医療との連携が重要であると痛感したのです。そこで、訪問看護事業に着手し、医療と福祉の橋渡し役となることを目指しました。

しかし、訪問看護事業を立ち上げた当初、いくつかの困難がありました。まず、資金繰りが非常に厳しかったことです。新しい事業に挑戦する中で、キャッシュフローが悪化し、経営の安定を確保するのに苦労しました。また、急激に事業が拡大する中で、組織のルール化やマネジメントが追いつかないことも課題でした。

ブレイクスルーや転換点になった出来事について

ーーそうした状況下で、どのように組織を再編し、成長を続けてこられたのか具体的に教えてください。

垣本:そこで私が導入したのが、マネジメントの再構築です。具体的には、組織のルールを明文化し、明文化と見える化を徹底することで、組織全体が同じ方向を向いて進んでいける体制を整えました。

これにより、各プロジェクトが効率的に進行し、PDCAサイクルをスムーズに回せるようになりました。結果として、事業の成長に繋がり、訪問看護事業は急速に成長して地域で大きな支持を得ることができました。

PDCAを回す上で重要視していること

ーー事業の成長において、PDCAサイクルを回すことの重要性についてお話しいただけますか?

垣本:PDCAサイクルを効果的に回すためには、まず「定例化」「明文化」「見える化」が必要不可欠です。プロジェクトの進行状況を定期的にチェックし、課題を明確にする。そして、その結果を全員が共有し、改善策を講じることで、組織全体が一丸となって課題解決に取り組むことができます。このプロセスを通じて、私たちは常に進化し続ける組織を目指しています。

ーー改善において、どのような点に最も注力されていますか?

垣本:常に「基本的な問題」に立ち返ることを心がけています。表面的な問題解決だけでなく、その背後にある根本原因を探り、組織全体で共有することが重要です。また、社員一人ひとりが自律的に考え、行動できる環境を整えることも大切です。

今後の戦略と展望

ーーこれまでの成功を踏まえ、今後の事業戦略についてはどのようにお考えですか?

垣本:2031年までに1000億を目指しており、3ヶ月ごとに新プロジェクトの立案、実行を継続しています。国益最大化を元にプロジェクトを考えて事業戦略を作っています。

ーーその中で、どのような課題がありますか?

垣本:優秀な人材を集めることです。医療福祉業界は70兆円のマーケットがありますが、業界のイメージもあり、優秀な人材を集めることがすごく難しい状況にあります。

優秀な人材を集めるために、経営マネジメントコースを設定し、1、2年で管理職になれるコースを作成しました。そのような取り組みで、他業界からも優秀な人材を集めようと取り組んでいます。

ZUU onlineユーザーに向けて一言

ーー最後に、ZUU onlineのユーザーに向けてメッセージをお願いします。

垣本:読者の皆さん、そして特に経営者の皆さんと共に日本を盛り上げていきたいです。

最近では日本のマーケットの立ち位置も下がってきており、海外ヘの進出が最適解となっているかもしれません。しかし、私は日本にいいインパクトを与える経営者がたくさん出て欲しいと思っています。

特に医療福祉分野は国の経費や国民の方々の税金がかかっている分野でもあり、日本へのインパクトは大きいものがあります。ここで海外からも投資含めてお金が入るような仕組みができれば、より日本は強い国になれると思っています。

医療福祉分野に限らず、一緒に日本を盛り上げていきましょう。

ーー貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

氏名
垣本 祐作(かきもと ゆうさく)
会社名
株式会社ドットライン
役職
代表取締役 兼 グループCEO